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2007年07月31日

専門医10症例

 日本形成外科学会専門医でも手術が下手な先生がいることを書きました。これは専門医認定制度をどんなに厳しくしても必ず出てくる問題です。現在の専門医試験で難関なのは、10症例(ジュッショウレイ)と呼ぶ、自身が術者として手術を行った10症例についての所定の病歴要約です。
 4年間の形成外科研修中に、自分自身が術者として手術を担当した患者様の術前・術中・術後の写真、詳細な病歴、手術記録などを学会に提出し審査を受けます。
 手術の腕前を写真で判定するのが、形成外科専門医試験の特徴です。
      ■         ■
 幸い、私の頃は個人情報保護法も今ほど厳しくはありませんでした。大学病院という名前なので、若い先生が手術を担当しても不思議には思われませんでした。
 私が「今度手術を担当させていただくことになった本間です」と申し上げても「よろしくお願いします」と言われた時代でした。
 私が手術を担当する時でも、必ず上の先生がついて手術をしていました。これは今でも同じだと思います。ただ、大学によっては、あまり経験がない指導医の先生がいることも事実です。
 手術の同意をいただく時に、『明日の手術は、○○先生が専門医を取得するために、はじめて執刀させていただきます』と正直に言って、同意してくれる患者様がいらっしゃるとは到底思えません。
      ■         ■
 熱傷の手術でしたら、研修医も含めて大勢で手術をすることもあります。
 問題なのは唇顎口蓋裂など先天異常の手術です。出生数の減少と医科大学の増加で、形成外科医一人が一生の間に手術する唇顎口蓋裂の数は減少しています。
 生後3ヵ月の赤ちゃんの手術を、専門医試験のために研修医に任せてくれる親などいないと思います。
 赤ちゃんの写真を専門医試験の書類に使わせていただく同意も取れないと思います。
      ■         ■
 私がこのホームページで使わせていただいている写真は、すべて患者様の同意を得て使わせていただいています。
 大学病院や認定施設で、どのように同意をいただいて写真を使わせていただいているかわかりません。よほど患者様との信頼関係がなければ難しいと思います。
      ■         ■
 唇顎口蓋裂のような手術は、大学の講師クラス以上の先生がするのが一般的になっています。
 研修医は手術に入って、術者の助手をするのが精一杯で、形成外科研修3年目とか4年目に任せられる手術ではありません。専門医試験に出す10症例は、先輩が手術して、自らはせいぜい抜糸を担当したというのが正直なところではないかと思います。
 専門医試験で写真判定を受けた症例は、受験者本人が自ら手術したのではなく、上手な先輩が手術したのを‘いただいた’可能性が否定できないのです。こうして‘専門医’になった先生は誰も見分けがつきません。
      ■         ■
 私も最初から上手にできたのではありません。先輩に教えてもらって、ドキドキしながら手術をして、少しずつ上達したのです。
 私が幸せだったのは、丁寧で上手な先輩が何人もいて、実に家族的な雰囲気の医局で育ったことです。
 外科医は職人です。腕のよい師匠について、お客様がたくさんいらっしゃる職場で修行をしないと上手になりません。
      ■         ■
 医師選びは難しいと思います。専門医は一つの指標ですが、絶対ではありません。先生との相性もあります。
 手術を受ける時は、その先生と何度か会って話してみるとか、症例写真を見て判断するとか、自分自身で‘この人なら’と思う先生を見つけることです。
 私は人の性格と声と字はなかなか変わらないと思います。自己責任ですから慎重に先生を選んでください。

投稿者 sapporobiyou : 23:49 | コメント (3)

2007年07月30日

形成外科専門医

 私は日本形成外科学会専門医です。厚生労働省が決めた学会専門医なので広告にも出せます。美容外科医の中には、形成外科専門医でない先生もいらっしゃいます。
 形成外科専門医=(イコール)上手な美容外科医ではないと思います。形成外科専門医を持っていなくても、センスがよくて上手な美容外科医を私は知っています。
 残念なことですが、形成外科専門医だからといって、全員が形成外科の手術が上手というわけではありません。
      ■         ■
 昨日、形成外科専門医の認定施設になるための条件を一部書きました。形成外科専門医は厚生労働省が定めた臨床研修を終了してから、最短4年でなることができます。以下が日本形成外科学会の規定です。
【専門医申請資格】
専門医申請資格は,以下の各項を充足するものとする。
①6年以上日本国医師免許証を有するもの
②臨床研修2年の後、資格を有する研修施設において通算4年以上の形成外科研修を行うこと。4年以上ひきつづいて日本形成外科学会正会員であること。
③第19条に定める研修を終了し,第20条に定める記録を有するもの
④日本形成外科学会主催の講習会(学術研修会あるいはインストラクショナル・コース)受講証明書を4枚以上有すること。
      ■         ■
 厚生労働省が臨床研修を義務付ける前は、形成外科研修が6年間必要でした。
 2年間の臨床研修が義務付けられたので、4年間の形成外科研修で取得できるようになったのです。
 学会が認めた施設で、きちんと修行を積まないと専門医はあげませんよ。という規定です。
      ■         ■
 私は4年間で腕の良い形成外科医になれるとは思いません。以前のシステムで、6年間でも不十分だったと思っているほどです。
 学会専門医は一つの基準ですが、専門医だからといって、すべての手術が満足にできるとは限らないのです。
      ■         ■
 手術は車の運転と一緒で、実際にやらなければ上手になりません。運転を教わる教官にもよります。
 丁寧で上手な教官に教わって、本人に素質があれば上達します。
 下手な教官に教わって、十分に走らなければ、免許をもっていても危ないのと同じです。
      ■         ■
 私が医師になった頃は、形成外科医が少なかったので、北大形成外科にはたくさんの患者様がいらっしゃいました。
 全国の他大学からも国内留学の形で北大にたくさんの先生が‘修行’に来ていました。
 先輩から手取り足取り教えていただいたので、今の私があります。先輩にはとても感謝しています。
 これから形成外科医になろうと考えている先生は、よい先輩がいて、症例がたくさんあり、学会活動も盛んにしている施設を選ぶべきです。問題はそんな施設が少ないことと、よい施設は人気があってなかなか行けないことです。

投稿者 sapporobiyou : 23:59 | コメント (0)

2007年07月29日

皮膚腫瘍の手術

 日本形成外科学会認定施設は、毎年一回年次報告という報告書を提出しなければなりません。
 手術件数や学会発表の数。指導体制の変更の有無などを学会に報告し審査を受け認定施設の更新をします。
 最近は学会発表や学術論文発表を行っていないと認定施設が取り消されたり、教育関連施設という1ランク下の施設に格下げされたりします。
      ■         ■
 認定施設になるためには規定の手術件数が必要です。
(1)新鮮熱傷(ヤケド)
(2)顔面骨骨折および顔面軟部組織損傷(顔のケガ)
(3)唇裂・口蓋裂
(4)手,足の先天異常,外傷
(5)その他の先天異常(耳がないなど)
(6)母斑,血管腫,良性腫瘍(アザや皮膚のできもの)
(7)悪性腫瘍およびそれに関連する再建
  (ガンやガンの再建手術)
(8)瘢痕,瘢痕拘縮,ケロイド(キズのひきつれなど)
(9)褥瘡,難治性潰瘍(いわゆる床ずれ)
(10)美容外科
(11)その他。
(カッコ)内は私の注釈です。
これらの項目の手術が必要です。
      ■         ■
 このうち圧倒的に数が多いのが、皮膚良性腫瘍の手術です。
 一般の方は皮膚にデキモノができると皮膚科に行かれます。小さくて簡単に取れる腫瘍でしたら皮膚科でも十分に対応できます。皮膚科医にも上手な先生がいらっしゃいますし、形成外科で修行を積んだ先生もいらっしゃいます。
 最初から形成外科にかかる方はマレです。形成外科医や形成外科学会の宣伝が足りないのかも知れません。
      ■         ■
 料金は皮膚科で取っても形成外科で取っても同じです。形成外科で取ると高いイメージがありますが、自由診療の美容外科以外は料金は同じです。
 形成外科で取ろうと思っても、形成外科は皮膚科ほど数が多くありません。形成外科がない医学部や医科大学があるくらいです。皮膚のデキモノですから、皮膚科や外科で取っていただいて構いません。
      ■         ■
 私たち形成外科医は、他科より少しでもキレイにキズを少なく取るように努力します。
 形成外科医が縫ってもキズは残ります。私たちは残るキズを少しでも目立たなくする努力をします。
 抜糸した後も、最低一ヵ月、部位によっては3ヵ月もテープでキズを保護します。
      ■         ■
 形成外科に入った研修医は、先輩から皮膚良性腫瘍の手術を教わります。最初にする手術はたいてい皮膚良性腫瘍の手術です。
 他科の先生が手術するよりキレイでなければダメなので、研修医がする時には必ず指導医がつきます。
 皮膚のデキモノを手術する時は、ぜひ形成外科にご相談なさってください。同じ料金でよりキレイに治すよう努力しています。

投稿者 sapporobiyou : 22:45 | コメント (1)

2007年07月28日

皮膚ガンの手術

 『ガンです。手術が必要です』と言われて驚かない人はいません。『まさか?ガン?手術?』と普通の人は狼狽(ロウバイ)し、どうしよう?と思います。
 胃ガンができたとします。ガンは健康診断で見つかっても、更に内科で精密検査をします。ガンの組織型、つまりどんなタイプのガンか?悪性度は?他の臓器への転移は?などなど、詳しく調べます。最近はPET(ペット)という診断方法もあり、かなり詳細に調べられます。
      ■         ■
 手術の適応が決まると、外科へ紹介されます。外科病棟へ転科して、手術前の検査・処置をして、いよいよ手術です。
 白い巨搭の財前教授が外科。里見助教授が内科。二人の関係が外科と内科の関係です。
 外科はメスを持って、病巣を切除し、切除した部位は縫合するか他の臓器で再建します。財前先生のような消化器外科でも形成外科と一緒に手術をすることもあります。私も消化器外科の先生と手術をしたことが何度もあります。
      ■         ■
 皮膚ガンだけは、皮膚科の先生が診断も手術もする施設があります。札幌医大がそうでした。私の直接の上司は前任の皮膚科J教授でした。
 彼の主張は『皮膚科医はメスを持たなければならない』でした。彼は悪性黒色腫というホクロのガンで有名でした。
 彼の手術は形成外科から見ると、お世辞にも上手とは言えませんでした。皮膚移植をすると植皮が生着しないことがよくありました。
 患者様は‘教授’が手術したのだからと諦めていましたが、中には形成外科へ助けを求める方もいらっしゃいした。
      ■         ■
  私が在籍していた頃の北大病院は皮膚科と形成外科がとても仲良しでした。当時の皮膚科教授であった三浦先生が形成外科を作ってくださいました。
 私の恩師である大浦名誉教授は、形成外科ができたのは、三浦先生のおかげといつも感謝していまいした。
 当時の北大では、皮膚科が診断して、形成外科が手術する。小さなガンでしたら皮膚科が手術して形成外科が助言するという分業がうまくできていました。
      ■         ■
 私の恩師である、市立札幌病院院長の吉田哲憲先生は皮膚ガンの権威です。私が札幌医大に在籍していた時も何度もご相談していました。吉田先生に助けていただいた患者様もたくさんいらっしゃいます。
 形成外科医の中でも、皮膚ガンを専門にしている先生は多くありません。大学病院の形成外科でも皮膚ガンは取り扱わない施設もあります。
 私は皮膚科医がメスを持っても悪いとは思いません。ただ、ただ切るにしても形成外科医がするのと皮膚科医がするのでは雲泥の差があります。
      ■         ■
 良心的な皮膚科医は、形成外科医と仲良くして、手術の時にも協力を仰ぎます。
 どのような手術法で切って、どうやって再建すると、患者様にとって最良なのかを考えてくれる先生がベストです。
 自分の専門外のことは、信頼できる専門家に任せて、仲良く治療できる先生がベストです。
 私は皮膚科は専門ではないので、皮膚科を標榜していません。皮膚病の方は信頼できる皮膚科専門医にご紹介しています。皮膚腫瘍については、診断も手術もしていますが、診療所でできる手術には限界があるので、皮膚ガンの治療は市立札幌病院にお願いしています。

投稿者 sapporobiyou : 23:15 | コメント (0)

2007年07月27日

解剖の承諾

 形成外科では患者様が亡くなることはマレです。北大病院形成外科でも年に数人でした。
 北大形成外科は、他大学の形成外科と比較して、皮膚悪性腫瘍(皮膚ガン)の治療を多くしていました。そのため、皮膚ガンで亡くなる方の割合が多かったと記憶しています。あと、私が医師になった頃は、重症の熱傷(ヤケド)で亡くなる方もいらっしゃいました。
      ■         ■
 大学病院で亡くなると、全員解剖するわけではありませんが、ガンの患者様などには解剖をお願いすることがありました。
 病理解剖という解剖です。亡くなってから、死因を確かめたり、病巣の拡大程度、転移の程度などを調べるために行います。また、摘出した臓器から細胞をとって、ガンの研究に使うこともあります。
      ■         ■
 病理解剖だけは、生前に『もし亡くなったら解剖してもよろしいでしょうか?』という同意を本人からいただいてはいませんでした。おそらく、今も本人からはいただいていないと思います。
 死期が迫った患者様に、『あと一週間であなたは亡くなります。死んだ後に解剖してもよろしいでしょうか?』なんてことは、世界中どこへ行って言わないと思います。例外は医学部の現役教授です。教授が亡くなった時は、無条件で解剖するという不文律がありました。
 病理解剖は『ご臨終です』と申し上げた後で、ご家族にお願いします。
 主治医がいれば、主治医がしますが、出張などで不在の時は、病棟医長がすることもありました。
      ■         ■
  悲しんでいらっしゃるご家族に、解剖させてくださいと言うのは辛いことです。
 入院中に、よほどしっかり治療していなければ、解剖の承諾はいただけません。医療不信があって、解剖して死因を確かめたい時は別ですが、大部分のご家族は、死んでまで痛い思いをさせたくないとお考えになります。
 解剖の承諾をいただくこと=(イコール)家族からの信頼を得ていることになります。
      ■         ■
 厚生労働省が臨床研修指定病院を指定する要件として、解剖の割合を定めていました。
 つまり、年間に亡くなる患者様のうち、病理解剖をさせていただく割合(剖検率ボウケンリツ)が高くないと、研修指定病院にはなれません。
 よい病院を選ぶ基準として、この剖検率が高い病院を選ぶのは賢明な方法です。
 毎日の治療をしっかりしていないと、決して解剖は引き受けていただけません。また、医師・看護師・医療スタッフの対応がよくないと同意はいただけません。
      ■         ■
 政治家は選挙で国民から審判されます。医療従事者は、患者様が亡くなって、解剖のお願いをした時に、患者様のご家族から審判を受けます。
 昨日の臓器提供の同意と同じように、日常診療に対する評価が、患者様やご家族からの‘同意’という形で評価されます。
 研修医の中には、朝『おはようございます』もきちんと言えない人もいます。まず、きちんと挨拶ができて、相手の目を見て話せるようになることが臨床研修の第一歩です。
 私は自分を治療してくれた先生がベストを尽くしてくれれば、たとえ助からなくても、解剖でも臓器提供でもいたします。もし、いい加減な治療をして助からなかった時は、化けて出て来て文句を言うと思います。

投稿者 sapporobiyou : 23:55 | コメント (2)

2007年07月26日

鹿野 恒 先生

 昨日の日記に市立札幌病院救命救急センターの鹿野先生のことを書きました。
 気になって、Googleで鹿野先生を検索してみました。
      ■         ■
 平成18年12月に開催された、第25回日本蘇生学会の抄録が見つかりました。抄録(ショウロク)というのは、学会の前に、今度の学会ではこういう内容で発表します、と発表内容がわかるように提出する原稿のことです。学会に参加する人は、抄録集を読んで、この発表を聴こうと決めるのです。
 以下は鹿野先生の発表タイトルと抄録の一部です。
      ■         ■
 救急医療終末期において、再び「蘇生」への医療を考える
-主治医にしかできない臓器・組織提供の選択肢提示-
 市立札幌病院 救命救急センター
 鹿野 恒
 救急集中治療領域における終末期医療のなかで、どんなに懸命に治療しても救命不能な患者は必ず存在する。それは救急医療の限界であり、救急医にとって敗北の瞬間でもある。
 しかし、そのような患者とその家族を前にして、私たち救急医は何もできないのであろうか? そして患者の意思や家族の希望を見過ごしてはいないであろうか?
      ■         ■
【対象・方法】2004 年1 月より2006 年3 月までに、14 例の脳死が疑われる患者に対して臨床的脳死診断を行ない、全例に対して終末期の選択肢提示による意思表示カードの確認および患者家族の臓器提供の意思確認を行なった。
【結果】14 例の家族のうち13 例の家族において臓器提供への関心が認められ、10 例の家族が移植コーディネーターと面談を行なった。その全て家族が心停止後の臓器・組織提供を承諾され、腎臓19 件、膵臓1 件、心臓弁・大血管5 件、角膜12 件、皮膚4件の臓器・組織提供を受けた。
 これらの症例の中で、意思表示カード所持は4 例であったが、死亡前確認は1 例であり、鼓膜損傷のため脳死下臓器提供には至らなかった。
【考察】日常の診療の繁忙さと臓器提供の意思確認の精神的負担、臓器提供時の労力を考慮すると積極的に選択肢提示を行なうのが躊躇されるのも事実である。しかしながら、脳死となった患者の約7 割の家族より臓器・組織提供を受け、10 例中6 例では家族の意思のみで臓器提供が行なわれており、患者家族の臓器提供への関心は決して希薄ではなかった。
 さらに、将来的には臓器移植法改正により家族の承諾のみで脳死下臓器提供の可能性もある。
【結語】救急医療終末期の臓器・組織提供の選択肢提示は、救命不能な患者家族に対して、救急医が最期にできる医療の一つではないかと思われた。
      ■         ■
 私は以前にも書きましたが、ドナーカードを持っています。市立札幌病院に勤務した際に、腎移植科の平野先生が献身的に腎移植に取り組んでいらっしゃいました。その真摯なお姿を拝見して腎バンクに入ったのが最初です。
 救急医療の現場で家族から臓器提供の同意をいただくのは大変なことです。
 最愛の人が突然救急車で運ばれ、呼んでもゆすっても返事もしてくれないのです。‘脳死です’なんて言われたって、そこに寝ているのは、つい昨日まで(今朝まで)は元気だった人もいるのです。
 誰もが、夢であって欲しい。何かの間違いだ。悪夢だ。と思っている瞬間です。
      ■         ■
 救命救急センターの医師、看護師、医療スタッフのだれもが献身的に働いて、家族から信頼されなければ、臓器提供の同意は決して取れません。
 この抄録を読んで、私はTVでしか拝見したことがない鹿野先生を‘すごい’と思いました。
 医療不信とか医療事故とか、医療に対する国民の目が厳しくなっています。この時代にこれだけの信頼を得るのは素晴らしいことです。
 私も、助からない状態になったら、すぐに臓器提供をします。鹿野先生のような素晴らしい医師に治療を受けて助からなければ諦めもつきます。

投稿者 sapporobiyou : 23:21 | コメント (1)

2007年07月25日

頭を冷やす

 私は短気ですぐに怒ります。なるべく怒らないように気をつけていますが、自分の正義感や道徳観と合わないことには強い憤り(イキドオリ)を感じます。すぐに行動に移すので、日記にも随所に私の憤りが出ていると思います。
 外科医には気が短い人が多いかも知れません。瞬時にいろいろな判断をしなくてはダメなので、モタモタしているのは嫌いです。
      ■         ■
 頭を冷やしてよく考えなさいとか、頭を冷やしなさい!という言葉があります。
 医学的に頭を冷やして冷静になれるかどうか??? わかりません。病院で頭を冷やすのは熱がある時くらいです。
      ■         ■
 手術中はどんなことがあっても冷静沈着に対処します。なかなかできることではありません。経験と勉強が必要です。
 航空機のパイロットといっしょで、生身の人間相手の仕事ですから、いつも快適な水平飛行ばかりではありません。
 時には予期しない乱気流に巻き込まれることもあります。慎重に操縦桿をにぎり機体を立て直します。
 頭を冷やしている暇はありません。瞬時にいろいろな判断をします。
      ■         ■
 昨夜のフジテレビ23:30からのニュースJAPANで、先日ご紹介した市立札幌病院救命救急センターが出ていました。
 鹿野 恒(かの ひとし)先生が出ていらっしゃいました。
 私は、鹿野先生と一緒に働いたことはありませんが、以前は札幌医科大学にいらっしゃいました。
 日本脳神経外科学会脳神経外科専門医
 日本救急医学会認定医
 日本救急医学会指導医
 私の記憶が正しければ、鹿野先生は札幌医科大学高度救命救急センターにいらして、脳をガンガン冷やしていました。
      ■         ■
 心臓が止まった人を助けるのが、経皮的心肺補助(PCPS)であることは、7月15日の日記に書きました。
 昨日のテレビでは、鹿野先生が手のひらにのるほどの円形の装置を持っていらっしゃいました。
 その装置で血液を脳に送り、同時に血液を冷やして、脳を低温に保ちます。温度を下げると、脳の代謝が減り、心臓が止まった人でもダメージが少なくなります。
 簡単に言うと、心臓が止まると、止まった瞬間から、脳が死んでいくのですが、冷やすことで死ぬのが遅くなり助かるのです。
      ■         ■
 昨日のテレビでは、鹿野先生に助けていただいた男性が奇跡だとおっしゃっていました。
 私が市立札幌病院に勤務していた頃は、経皮的心肺補助(PCPS)はありませんでした。
 たまたま、冬に心肺停止になり、心臓が止まって‘死んだ’状態で搬送された方がいらっしゃいました。その方は、発見されるまで何時間もかかっていましたが、寒い札幌の冬のおかげで脳が助かり、元気になって退院されました。
 当時から脳を冷やすと良いことがわかっていましたが、このような症例はマレでした。
      ■         ■
 今日のフジテレビ23:30からのニュースJAPANでも、救急医療の話しが出るようです。
 私を含めて、人間はいつどこでどんなことが起こるかわかりません。興味がある方は是非ご覧になってください。私が見てもヤラセはいっさいありません。

投稿者 sapporobiyou : 11:25 | コメント (0)

2007年07月24日

札幌こころのセンター

 昨日、自己臭恐怖という‘病気’について書きました。美容外科と精神医学は密接な関係があります。美容外科や形成外科を生業(ナリワイ)としている私たちが一番気をつけなければならないのは、実は心の病気です。
 美容外科を受診なさる方の中には、明らかに‘病的’に自分の容姿を気になさる方がいらっしゃいます。醜形恐怖という‘病気’です。美容外科の教科書には必ず書いてあります。
      ■         ■
 醜形恐怖の疑いがある方が来院された時は、‘絶対’にすぐに手術はいたしません。他人が自分の顔がおかしいと悪口を言っている。それが原因で夜も眠れなくて、仕事も辞めてしまった。などさまざまな症状が出ます。
      ■         ■
 以前いらした方です。他の美容外科で何度も手術を受けているのに、自分の目がおかしいと訴えられます。
 睫毛が目に入っているのでもないのに、睫毛は全部抜いてしまっていました。
 私は、今まで受けてきた手術は間違っていないし、目も異常はない。どうしても目が痛いというので、信頼できる眼科の先生を紹介しました。その方は、精神科に通院していましたので、そちらの先生にも紹介状を書きました。
      ■         ■
 保護者の方にもいらしていただき、現在の状態について説明しました。保護者の方も明らかに‘病気’であることを認められ、本人に説得もしていました。
 その方は、私のところに数回いらしてくださいました。最後にいらしたのが保護者と一緒の時でした。
 何度も手術をしてくださいと頼まれましたが、私は精神科の先生の同意があれば手術をします。と返答し紹介状を書いたのが最後でした。
 6ヵ月後位に警察署から電話がありました。札幌美容形成外科の診察券を持った方が、自殺しているのが発見されたという知らせでした。
      ■         ■
 私はもし自分が手術を引き受けていたら、その方は死ななくても済んだのでは…?と後悔しました。
 ただ、私が手術しても、その方の主訴は改善したかどうかはわかりません。
 精神医学の難しいところです。美容外科や形成外科は手術で治して、手術した瞬間に治るものもありますが精神医学は‘簡単’には治りません。
      ■         ■
 札幌市には札幌こころのセンターという施設があります。札幌市民以外の方には北海道立精神保健センターという施設があります。
 「札幌こころのセンター」は札幌市民の心の健康の保持増進や精神障害の予防、社会復帰への援助を行う総合的技術センターです。
 心の悩みや病について相談を受ける関係者に対し、研修やコンサルテーション、情報提供を行うほか、思春期、ひきこもり、依存症等の特定相談を行っています。
 もし、こころの問題で相談したければ、こうした公的な機関を利用されるのも一つの方法です。
      ■         ■
 札幌駅周辺にもメンタルクリニックがたくさんできました。どこも、大繁盛していて、予約がなかなか取れません。
 現代はストレス社会です。ストレスが原因でさまざまな身体症状が出ます。
 精神神経科は、‘キチガイ病院’と言われた時代もあったようですが、現代ではごく一般的な診療科目です。
 内科の先生に不眠で睡眠薬をいただくより、メンタルクリニックの方が的確に診断をしてくれて、よく効く薬を出してくださいます。もし、こころあたりがある方は是非受診されることをお薦めします。

投稿者 sapporobiyou : 10:21 | コメント (0)

2007年07月23日

自己臭恐怖

 自己臭恐怖という‘病気’があります。ワキガではないのに、自分はワキガじゃないか?と疑う人。口臭、おならの臭い、尿臭、場所不明の臭いなど、人によって症状はさまざまですが、自分の臭いを極度に気にする‘病気’です。
 精神神経科では社会不安障害(Social Anxiety Disorder:SAD)という病気の概念で説明されます。北大精神科の先生から、この病気についての詳しい資料をいただきました。
        ■         ■
 札幌美容形成外科を受診していただく方の中にも、臭いが全くしないのに、自分は『ワキガ』だと思い込んでいる方がいらっしゃいます。
 ‘本物のワキガ’と‘思い込みワキガ’を見分ける方法として、私が注意するのは服の色です。
 ‘本物’の方は、まず絶対に白いシャツを着ていらっしゃいません。ブラなどの下着も白は着用されません。
 多いのは、グレーとか黒などのシャツや下着です。
      ■         ■
 中には、毎日とても気をつけていらっしゃるので、来院時には臭いがない方もいらっしゃいます。
 昔、北大形成外科の研修医だった頃、先輩から教えられた、ワキガの診察法は、ワキにガーゼをはさんでその臭いをかぐ方法でした。
 診察室に入ってから、ガーゼをはさんでいただき、問診の後で臭いを確認します。
 これで臭いがしなければ、ワキガではありませんと診断していました。
 今から考えると、ずいぶんいい加減な診断法です。たまたま、病院に来る前にシャワーでも浴びていれば、臭いはしません。
 美容外科でもこの方法をとっているクリニックがあります。
      ■         ■
 私が現在とっている診察法は、まず患者様に鏡でワキを見ていただきます。
 多汗が強い方は、見ている間にツブツブの汗が出てきます。この汗はワキガのアポクリン腺からもワキガと関係ないエクリン腺からも出ます。
 その状態で、ワキに触ってみます。必要に応じて患者様にも触っていただきます。
      ■         ■
 ワキガの方の汗はワキガでない方と比べて、ベトベトしています。おそらくアポクリン腺からの汗の粘度が高いのだと思います。
 耳垢が湿っているかどうかも、重要なポイントです。極めてマレに耳垢が乾いていても、ワキガ臭がすることもありますが、通常、ワキガの方の耳垢は湿っています。
 これで、‘思い込みワキガ’の方を間違って手術することはまずありません。
 単なる多汗症でしたら、ワキガ手術までしないで、ボトックス注射をお薦めします。また手掌(てのひら)まで、汗だらけの人には、胸部交感神経の手術を薦めています。
      ■         ■
 私がどう診断しても、ワキガの症状が無い方。手術をして臭いがなくなって、誰が嗅いでも臭いがないのに、他人が自分の臭いの事を話していて、学校や職場にも行けないという方がいらっしゃいます。
 そういう方には、自己臭恐怖のことを説明して、北大病院の精神神経科をご紹介しています。
 北大精神神経科は、昔から自己臭恐怖の研究をしておりご専門の先生がいらっしゃいます。最近、認可になったお薬がよく効くそうです。

投稿者 sapporobiyou : 21:21 | コメント (0)

2007年07月22日

選挙

 参議院議員選挙で札幌駅周辺も賑わっています。私は特定の支持政党はありません。選挙には毎回行っていますが、最近は日曜日が仕事なので期日前投票をしています。
 私は政治家になろうと思ったことは一度もなく、政治に興味もありません。
 ただ、現在の厚生行政(医療問題)には大いに疑問と文句があります。
      ■         ■
 医療法の改正で少しはマシになりましたが、厚生労働省はダメな役所です。女性週刊誌や大新聞の一面には『ワキガが30分で治る超音波法』なんて‘広告’が大々的に出ているのに、真面目なクリニックが『わきが手術』と表示を出そうとすると禁止。
 『わきが手術』ではなく『腋臭症手術』にしなさいと指導されます。
 札幌美容形成外科を開業する前に会った友人の一人との会話です。
『本間、お前のところの看板に、‘腋’って書いてあるけど、あれ何て読むのよ?』
『次の‘臭’はくさいダベ』
『‘腋’なんて字は学校で習わないよな』
『‘腋’はエキって読むの?サンズイつけたら‘液’だもんな』
『腋臭症手術(エキシュウショウシュジュツ)なんて書かないで、わかりやすく、ワキガ手術って書けばいいっしょ』
『何?国が決めて書けないの?お役所だもんなぁ』
      ■         ■
 年金問題では国民が怒っています。30年前の領収書出せなんて言われて出せる人が何人いるのですか?
 よくよく調べてみると、社会保険庁がボンクラだったのでしっかり記録していなかった。もし銀行や金融機関が預かったお金の記録をしっかりつけていなかったらどうなりますか?
 大臣が‘女性は産む機械’だなんて、とんでもないことを言ってもクビになりません。
      ■         ■
 エステでレーザー脱毛をするのは医師法違反と言っておいて、エステの脱毛広告は規制なし。
 エステで脱毛してヤケドしたと来院なさる方がたまにいらっしゃいます。
 日本はエステで脱毛OKなら、しっかり法律で決めればよいのに、野放し状態です。
 運の悪いお医者さんだけが、たまに医師法違反で捕まります。50km制限の道路を、みんな70kmで走っていて捕まらないから、70kmや80kmで走っているのが日本のエステ脱毛です。
      ■         ■
 先日いらした女性は、無料体験脱毛で、ある大手のエステに行き、危うく30万円もするコースを契約させられそうになったそうです。
 ある女子学生は、エステの脱毛を契約したが、さっぱり毛が抜けず、お金をドブに捨てたようなものですと…。
 そもそも、違法だと言っているものを野放しにしているのが厚生労働省です。
      ■         ■
 薬害エイズの時も、ないナイと言っていた資料が大臣がかわったとたんに出てきました。
 資料が出てきた時には、時すでに遅し。一番悪いことをした‘大先生’はボケ老人になってしまっていて、結局、誰が悪いのかわからないままです。
 私は‘美しい国’は要りません。豊かで住みやすい安全な国が一番です。心豊かになれば、住民が自然と美しい街をつくり、美しい国ができると思います。

投稿者 sapporobiyou : 22:36 | コメント (0)

2007年07月21日

良いものを安く

 今の社会では‘良いものを安く提供する’のが成功の秘訣だと、チェーンストア論を学んで感じました。
 流通業では、多店舗展開をして、商品の企画・製造・販売をすべて行うことで可能になります。
 これを医業に当てはめるのは、とても難しいことです。美容外科・形成外科で、‘商品’を製造することができるのは、医師だけです。医師は簡単には‘製造’できず、中国やベトナムから輸入することもできません。
      ■         ■
 東南アジアへ‘整形ツアー’に行く人もいます。日本国内ですら、どこの美容外科にかかってよいか選択するのが大変なのに、言葉が通じない外国で手術を受けるのはリスクが伴います。
 また、治療は一回の手術だけで終わるのではなく、アフターケアーという目に見えない‘商品’も大切です。
 美容外科のチェーン店で価格が驚くほど安いクリニックがあります。HPにも書きましたが、一人当たりにかける時間を短くしないと‘安売り’はできません。そのクリニックに行った患者様が、流れ作業で手術を受けているようだったと話されていました。
      ■         ■
 私が開業する時に、できるだけ多くの人に安心して手術を受けていただきたいと考えました。
 美容整形というと、いかにも高くて、高級そうで手が出ないと思いがちです。
 東京では、安売り店と高級店に二分化され、倒産する美容外科も多いと聞いています。数年前に韓国へ行った時も、廃業したり身売りする美容外科が多いと聞きました。
      ■         ■
 私はもともと形成外科医だったので、総合病院の形成外科で長らく診療を担当しました。
 夏休み前になると、ワキガ手術をしていますか?というお問い合わせをたくさんいただきました。
 総合病院の形成外科では、だいたい一週間の入院治療が‘標準’でした。
 朝8:30から外来診療をはじめても、終わるのは早くて午後1:00、遅いと午後3:00まで外来です。それでも、2時間待ちの3分診療なんてよく言われました。そんな混雑している外来で、わきが手術なんて到底できませんでした。
      ■         ■
 私がワキガ、眼瞼下垂、陥没乳頭は保険診療と看板に書いているのは、それだけ需要が多いからです。
 美容整形というと、二重や脂肪吸引が多いと思いがちですが、隠れたベストセラーがワキガです。
 患者様は、30分でできるワキガ手術という広告を信じて受診します。早い、簡単、通院不要という言葉を入れるとお客様が増えます。実際はそんな手術でワキガは治りません。
      ■         ■
 何度も日記に書いているように、ワキガ手術は簡単ではありません。通院不要のクリニックで手術を受けて無残なキズが残っている方がたくさんいます。
 流通業のように、大量生産で安くすることができないのが医療です。私ができることは、現在の保険制度を使って、最大限にキレイに仕上げる手術です。
 保険でも保険外でも使う糸は一緒です。手術をする医師も同じです。現在の医療保険制度がいつまで続くかはわかりませんが、高い保険料を給与から天引きされているのです、それを利用しようではありませんか!

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2007年07月20日

暮らしを豊かにする

 今日で北海学園大学経営学部経営学科のニトリ寄附講座(前期)が終了しました。一回90分の講義が2コマ。4月から今日まで7回あり全部で14コマでした。私は、すべて出席し一番前で聴講していました。
 北海学園大学の若い学生さんには、物好きな変なおじさんに思われていたことでしょう。
      ■         ■
 今年の講義の特徴は、お忙しい似鳥昭雄社長自らが半分以上の講義を担当されたことです。
 今日は、学生さんに256MのUSBメモリーのプレゼントまでありました。
 ニトリは家具・インテリア用品を総合的に扱う専門店(ホームファニシングストア)として毎年成長している優良企業です。株価も上昇を続けています。
      ■         ■
 似鳥社長に‘超お忙しい’社長が自ら講義を担当してくださる理由を伺いました。
 社長の回答です。
  自分が成功するまでには、たくさんの方に助けていただきました。自分を育ててくれた北海道に恩返しをしたいという気持ちから、北海道応援基金を創設しました。夕張市にもサクラとモミジの苗木を植樹して応援しています。
 自分が学んで成功した、渥美俊一先生の‘チェーンストア論’を大学の教育科目として系統だてて教えているところがありません。母校の北海学園大学の学生さんに是非学んで欲しいという、熱い思いから講義をしました。
 社長は常に夢とロマンを持つこと。を繰り返し強調されました。若い学生さんには、通じない人もいたようですが、私には十分すぎるくらい通じました。
      ■         ■
 このチェーンストア論は、異業種の私にもとても参考になりました。まず、起業の動機づけとして、‘人々の生活を豊かにしたいという’大原則があります。
 社長のメッセージです。『ニトリは、今、日本の国民に本当の住まいの豊かさを知ってもらう社会を目指して、チェーンストアづくりと取り組んでいます。あるべき経営方法と技術とを、懸命に学んでいるのはそのためです。それは日本で最初の“住生活提案企業”を築こうと考えたからです』
 常にお客様の立場に立って、商品開発から販売までを一貫して行っています。
 同じ子供用の机なら、他社よりも安く機能的にも満足できるのがニトリの製品です。ソファーも同じです。
      ■         ■
 私も札幌美容形成外科を開業する時に、美容外科・形成外科という‘医療’をリーズナブルな‘価格’で提供する。という大原則を考えました。
 せっかく高い保険料を払っているのだから、健康保険を使えるものは保険で安く手術いたします。というのが私の考えです。
 ‘美しい国’日本の厚生労働省は、国民にわかりやすく医療保険制度を説明していません。一部の‘賢い人’はワキガ手術や眼瞼下垂症手術を保険でできると知っていますが、大部分の国民は知りません。医学部や看護学校で試験に出しても学生は間違います。
      ■         ■
 医療業界も競争が激しく、札幌にも新しい美容外科が次々と‘開店’します。
 どんなに競争が激しくなっても、適正な料金で暮らしを豊かで快適にする技術力があるクリニックは残ります。
 私のロマンとビジョンは、最高水準の安全で快適な医療を適正な価格で提供することです。

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2007年07月19日

「甦れポプラ並木」写真展

 元札幌医科大学中央写真室長、武藤省吾先生の写真展が開かれます。今回のテーマは「甦れポプラ並木」。北大ポプラ並木の四季を30年間にわたり観察し、写真撮影を続けてきた武藤先生の写真展です。
 私が学生だった30年前から現在まで、北大ポプラ並木を撮りつづけた写真のプロです。
      ■         ■
 大学病院の写真室は、主として患者様の患部の写真撮影、手術のビデオ撮影、学会用写真やポスターの作製、学生教育用ビデオ製作などを担当してくださいます。
 札幌医大の写真室はスタッフが優秀で、医学写真学会でも高い評価を得ていました。武藤先生には論文用写真やビデオ撮影でお世話になった他、奥様が形成外科外来の看護師さんでしたので、ご夫婦ともにお世話になりました。
 武藤先生は温厚で物静かな先生。奥様は笑顔の優しい看護師さんでした。
      ■         ■
《札幌会場》
開催日 :2007年7月27日(金)~8月1日(水)
開催時間:午前10時~午後6時30分
開催場所:富士フイルムフォトサロン/札幌
札幌市中央区北2条西4丁目2 札幌三井ビル別館1階
TEL:011-241-7366
      ■         ■
《東京会場》
開催日 :2007年7月6日(金)~7月12日(水)
開催時間:午前11時~午後8時(最終日午後2時)
開催場所:富士フイルムフォトサロン/東京
東京都港区赤坂9-7-3 フジフィルムスクエア2階
TEL:03-6271-3351
      ■         ■
 札幌会場は札幌美容形成外科のすぐ近くです。日本航空札幌支店から、道庁方向へ歩くと、同じビルの一階にあります。
 北大ポプラ並木は、2003年8月に札幌美容形成外科が開院した月の大風で無残に倒れてしまいました。
 下の写真はおそらく倒れる前の写真です。お時間がある方は是非お立ち寄りください。入場は無料です。

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「甦れポプラ並木」武藤省吾写真展

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2007年07月18日

病院の赤字

 私は美容外科医になる前に総合病院の形成外科医をしていました。
 私が勤務した病院で黒字だったのは、釧路労災病院と帯広厚生病院でした。釧路労災病院は当時、新田一雄院長とおっしゃる、伝説の素晴らしい院長がいらっしゃいました。
 全国の労災病院でもトップクラスの黒字病院でした。設備は一流で、大学病院にない医療機器もたくさんありました。
      ■         ■
 帯広厚生病院は北海道厚生農業協同組合連合会(JA北海道厚生連)が経営する総合病院です。
 JA北海道厚生連は農協法により昭和23年8月に「農民の健康保持と生活文化の向上」を目的として設立されました。 農業団体が経営する、農民のための病院です。一番偉いのは農協の組合長さんで、医師はその下で雇われています。
 帯広厚生病院はJA北海道厚生連の中でも、トップクラスの黒字病院でした。設備も施設も一流でした。
      ■         ■
 逆に、札幌医科大学附属病院、北海道大学病院、市立札幌病院は赤字でした。
 これら3病院は今でも赤字だと思います。
 救命救急センターがあったのは、市立札幌病院と札幌医科大学附属病院。私が辞めた後で帯広厚生病院にもできました。北海道大学病院にも救急医学講座ができました。
      ■         ■
 札幌市には消防ヘリがあり、消防局の救急隊も優秀です。
 消防ヘリの維持管理には莫大な費用がかかり、消防・救急にもお金がかかります。
 現在の日本では、119番で救急車を頼んでもお金はかかりません。タクシー代わりに利用する人がいて困っているくらいです。
      ■         ■
 私は一人の札幌市民として、消防・救急、救命救急センターにお金をかけるのはよいことだと思います。
 病院が赤字で必要な医療器械も買えないのでは困ります。ある程度のお金は行政から支出しても仕方がないと思います。
 問題なのは、仕事をしないで、給料ばかり高い職員がいるために赤字になっている病院です。
 どこの病院とは申しませんが、そういう病院がありました。
      ■         ■
 私は札幌市民が安心して暮らせるために、ある程度の税金が使われることは必要だと思います。
 札幌は同規模の日本の他都市より凶悪犯罪が少ないそうです。統計的なデーターがあるかどうかは知りませんが、確かに凶悪犯は少ない気がします。これにも札幌市の医療が役立っているそうです。
      ■         ■
 事務所経費や、議員さんのわからない調査費に税金を使うのは反対です。
 安心して暮らせる街づくりのために税金を使うのは悪いことではないと思います。株式会社が病院を経営できるようになっても、救命救急センターは無理だと思います。
 お金持ちだけが、高度救命救急センターを利用し命拾いできるなんてまっぴらです。

投稿者 sapporobiyou : 23:57 | コメント (0)

2007年07月17日

災害時の医療

 新潟県柏崎市を中心として大規模な地震がありました。被災地の皆様には、心からお見舞い申し上げます。
 地震のような大規模災害では、当然、医療機関も被災します。最近建築された病院は、免震構造で災害にも強くできていますが、100%大丈夫ではありません。
 私の経験では、札幌を中心として大規模な地震が発生し、ビルが何棟も倒壊したら、まず病院も救命救急センターも機能しません。
      ■         ■
 有珠山が噴火した時に、北海道で噴火による大規模な災害対策を検討しました。
 札幌医科大学高度救命救急センターの浅井教授を中心として、火砕流による熱傷が発生した場合にどう対応するか?などを検討しました。
 それより以前に、市立札幌病院救命救急センターの牧瀬部長も研究をしていらっしゃいました。北海道で重症熱傷の患者様が発生した場合、どの病院でどの位治療できるかについてです。
      ■         ■
 軽いヤケドなら通院でも治せますが、重傷熱傷は生命の危険を伴います。何回も手術が必要です。
 雲仙普賢岳が噴火した時には、長崎大学形成外科のスタッフが活躍しました。
 被災地にたどり着くのもやっとだったと伺った記憶があります。
      ■         ■
 札幌の災害についての話に戻ります。病院は倒壊を免れても、病院の中も地震で被害を受けています。
 救命救急センターといえど、地震に備えてすべての医療器械や薬品をしっかり固定しているわけではありません。
 札幌でマグニチュード7以上、震度7なんて地震がおきたら、市立札幌病院も札幌医科大学附属病院も北海道大学病院も患者受け入れは不可能だと思います。おそらく救命救急センターの中はてんやわんやで、現在入院中の患者様の手当だけで精一杯です。
      ■         ■
 それじゃどこで治療してくれるの?という疑問が出ます。
 高度の治療が必要な患者様は、まず北海道内の救命救急センターが考えられます。
 札幌から近いのは、旭川赤十字病院、旭川医科大学、日鋼記念病院(室蘭)、帯広厚生病院、函館市立病院などです。
 私が勤務していた帯広厚生病院でしたら、一度にお引き受けできる重症熱傷は多くても数名でした。これでも、他のすべての外来診療を中止しなければできないかもしれません。
      ■         ■
 北海道内がダメでしたら、航空機で東京へ搬送です。
 私が思い浮かべるのは、杏林大学高度救命救急センター。ここはスキンバンクもあり、重症熱傷でもかなりの数に対応できると思います。それでも二桁は無理だと思います。
 あとは東京女子医科大学形成外科。女子医大形成外科には熱傷治療のスペシャリストが揃っています。国立災害医療センター、ここにも女子医大形成外科のスタッフが行っています。病院長の辺見先生は熱傷治療の専門家です。
      ■         ■
 来年のサミットの時に、もし有珠山が噴火して、諸外国の首脳が大勢重症熱傷を負ったらどうする?なんて、安倍首相は考えていらっしゃるのでしょうか?
 今は選挙で年金問題で頭がいっぱいだと思います。来年有珠山が爆発しないように祈っています。

投稿者 sapporobiyou : 23:59 | コメント (0)

2007年07月16日

救急当直

 昨日の日記に市立札幌病院救命救急センターが素晴らしいと書きました。
 私が市立札幌病院に勤務したのは平成元年から平成6年まででした。34歳の若い医師でした。当時の写真を見ると、自分でも若いなぁ~と思います。
 私は皮膚科の所属でしたから、救急の当直はしませんでした。もっぱら救急の先生から呼ばれる役でした。
 最初は、形成外科専門医は私一人。救急部に北大形成外科の後輩にあたる先生が一人いました。
      ■         ■
 救急部の当直医は3人でした。ファースト、セカンド、サードと呼ばれていました。研修医でも、ある程度できようになるとファースト当直に当たるようになります。
 当直は私の記憶では24時間勤務でした。朝から次の日の朝まで、救急部に搬送される重症患者さんの主治医になります。
 ‘運がいい’先生は、あまり患者さんが来ず、平穏無事に過ごすこともありましたが、極めてマレでした。
      ■         ■
 消防指令や他病院から連絡があり受け入れを決めます。救急車の到着5分前になると救急ホールの電話が鳴りました。医師も看護師も緊張の瞬間です。薬剤を注射器につめて、処置器械を準備して待っています。ピーポーピーポーが聞こえてきて、病院近くになると音を止めます。救急車が到着し電動シャッターが開きます。
 搬送されて来た患者様は心肺停止状態。すぐに気管内挿管をして、中心静脈へカテーテルを入れます。
 心臓が原因、脳が原因、多発外傷、自傷、中毒、重症感染症などなど。とにかくさまざまな患者様がいらっしゃいました。
      ■         ■
 ファーストの先生が形成外科医が必要と判断されると、研修医や私が呼ばれました。
 私は34歳でちょうど医師になって10年目でした。それまでの10年で数例しか経験しなかったような重症外傷を、何例も立て続けに経験しました。
 その当時は、札幌市の3次救急は、市立札幌病院と札幌医科大学で分担していました。市立札幌病院には‘一流’の重症患者が次々と搬送されていました。
      ■         ■
 ファーストの救急医は、自ら処置をして、他科の応援が必要であれば要請します。検査技師への依頼。手術室の手配。家族への説明。クタクタになるまで働いていました。
 手術が終わっても容体は安定しません。翌日も引き続き処置や検査です。形成外科の研修医も、救急のファースト当直に当たると、中毒や腹部外傷なども担当していました。
 自分の専門外は専門の先生に相談して決めます。もちろん救急のカンファレンスもあります。救急のスタッフも充実していました。
 現在、北海道大学医学部で救急医学講座を担当していらっしゃる、丸藤(ガンドウ)教授も当時は市立札幌病院にいらっしゃいました。
      ■         ■
 私が担当させていただいたのは、顔面外傷、四肢の軟部組織損傷、熱傷などです。
 救急医の中には、過労で病気になってしまった人もいました。一度、ファースト当直で重症患者さんを引き受けると、一週間も家に帰らない(帰れない)先生もいました。
 救急の先生は信じられないくらい働いていたと思います。
      ■         ■
 救急医療にはお金もかかり、人もたくさん必要です。
 もし自分の大切な人が、急に倒れてしまったら何としても助かって欲しいと願います。救急の現場で働く医師が、自分が働いてよかったと思えるシステムを作るのは、実は大変なことです。
 札幌を日本一安心で住みやすい街にするために、救急の先生も院長(事業管理者)も頑張ってくれています。

投稿者 sapporobiyou : 19:15 | コメント (0)

2007年07月15日

札幌の救急医療

 メディカルトリビューンという医師向けの新聞に札幌市の救命救急について載っていました。
 札幌市の心肺停止症例の蘇生率が日本一で、極めて高いことが掲載されていました。
 簡単に言うと、札幌で突然心臓が止まって、救急車で運ばれたら、日本で一番助かる率が高いということです。
 これは実に素晴らしいことです。‘美しい国’よりも‘安心して暮らせる街’が大切です。サミットで諸外国の首脳がいらして突然死しそうになっても、東京より札幌の方が助かる率が高いのです。
      ■         ■
 AEDという止まった心臓を動かす器械が、駅や空港、航空機に備えられていることはご存知だと思います。
 AED(自動体外式除細動器)とは、心臓がけいれんし血液を流すポンプ機能を失った状態(心室細動)になった心臓に、電気ショックを与え、正常なリズムに戻すための医療機器です。
 心室細動とは、心臓の筋肉がけいれん状態になり、全身に血液を送るポンプ機能を失った状態になる致死性不整脈の一つです。 心室細動の唯一の治療方法が、除細動器(AED)で電気ショックを与えることです。
 2004年7月より医療従事者ではない一般市民でもAEDを使用できるようになり、空港、駅、スポーツクラブ、学校、公共施設、企業等人が多く集まるところを中心に設置されています。
 確かにAEDでも動く心臓はあります。ただ、すべての心肺停止がAEDで動くのではありません。
 札幌だけAEDが多いので助かる率が高いのではありません。
      ■         ■
 札幌の蘇生率が高く、元気で社会復帰できる率が高いのは、市立札幌病院救命救急センターと札幌市消防局の救急隊の協力のおかげです。
 平成7年に市立札幌病院が現在地の桑園に移転する際に、隣接して消防局の救急隊も移転しました。当時の桂信雄市長の英断です。
 札幌市の全救急隊員のうち、約7割を救急救命士が占めています。その結果、救急現場で気道確保ができる率が90%以上、静脈路確保率が43%と他都市に比べて優れています。病院と救急隊が力を合わせているからです。
      ■         ■
 消防本部から要請があると、市立札幌病院救命救急センターから医師が同乗して、ドクターカーが出動します。
 ドクターカーには救急の医師が同乗しているため、現場に着いたその瞬間から治療が始まります。
 直近の救急隊から救急救命士が現場へ駆けつけるまで平均6分。救命士が蘇生処置を行っている現場へドクターカーが着くまで平均20分です。
 2台の救急車が出動して、現場で救命処置が始まります。救急医は市立札幌病院と連絡を取り、救命救急センターで行う処置の準備を指示します。
      ■         ■
 ここからが札幌方式のすごいところです。
 一般に心臓と呼吸が止まった人には、気管内挿管といって口から管を入れて人工呼吸を始めます。これで酸素が入り肺が膨らみます。
 心臓は動かないので、胸をグイグイと押して心臓マッサージをします。TVなんかでやっている、胸の上に乗っかって手で押しているヤツです。とても疲れます。疲れる割に心臓のポンプ作用は弱く、脳に血液は行きません。心臓マッサージでは脳血流の10~20%しか保障されず、脳はどんどん死んでしまいます。心臓だけ動いて体は温かくなっても脳死になってしまいます。
 いくら頑張っても、脳死の患者さんを作るだけというのが真面目な救急医のジレンマでした。
      ■         ■
 2000年4月から、市立札幌病院ではドクターカーから、人工心肺という心臓の代わりに血液を送る装置を指示するシステムを始めました。
 正式には経皮的心肺補助(PCPS)と言います。心臓が止まっている人の血管に管を刺して、心臓の代わりに脳に血液を送るシステムです。一式約50万円と高価ですが、これで一人の人の命を救えるなら安いものです。
 この装置は準備に時間がかかるため、ドクターカーから『PCPSを準備してください』と指令を出すと、病院でスタッフが準備して救急車の到着を待ちます。
 こうして、脳が死んでしまうのを防ぐことができるため、突然死しそうになっても助かって社会復帰できる率が上がったのです。
      ■         ■
 市立札幌病院救命救急センターの部長は牧瀬博(マキセヒロシ)先生です。私が昭和55年に北大病院で研修を始めた時には麻酔科医でした。
 もの静かで真面目な先生です。私の恩師である、吉田哲憲先生が院長で、牧瀬先生が率いる(ヒキイル)救命救急センターが日本一になってとても嬉しいです。札幌市民でよかったと思います。札幌は日本一安心できる街です。

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2007年07月14日

電話再診料

 保険診療の規定で、通院中の方からの電話による医学的なお問い合わせには電話再診料がかかります。医師が答え、医師がその相談に対して治療上の指示等を行った場合です。通院日の予約などはかかりません。
 国が決めた健康保険の決まりです。札幌美容形成外科で保険診療で通院中の方から、お電話をいただき、医師である私がお答えすると料金がかかります。
 自由診療の二重まぶた手術などは、保険外診療ですから電話再診料はいただいておりません。
      ■         ■
 手術後に何か不具合が発生することも考えられます。札幌美容形成外科では、手術の難易度によって、術後に数時間院内で様子をみてから帰宅していただいています。
 例えば、ワキガ手術の場合などは、手術後最低2時間以上は院内で休んでいただき、出血がないことを確認してから帰宅していただいています。
 豊胸術を全身麻酔で行った場合は、必要に応じて職員が付き添い、ご自宅やホテルまで車でお送りしています。
 開院以来約3年になりますが、これでトラブルはゼロです。
      ■         ■
 電話再診は保険診療で再診のみの規定です。初診の前に電話でご相談をいただき、私がお答えした場合は、医学的な説明をしてもかかりません。これも保険の規定です。
 市立病院でも、国立病院でも、大学病院でも同じです。ただ大きな病院では‘先生’が直接電話で話してくれることはマレです。
 病院には当直医がいるため、手術後に何かあった場合は、まず病院へいらしてくださいとお伝えします。当直医が診察して主治医を呼ぶべきだと判断した場合に主治医に連絡します。これが私が勤務した総合病院のシステムでした。
      ■         ■
 札幌美容形成外科で行っている手術は、術後に大きなトラブルになる可能性はまずございません。
 入院が必要な手術や入院が必要と考えられる方には大きな病院をご紹介しています。
 札幌美容形成外科では、安全に手術をするために、手術前に血液検査もしますし、手術後のケアーについても詳しい説明書を差し上げています。
 説明書がない手術については、その都度、医師・看護師からご説明しています。
      ■         ■
 電話再診料の料金は、時間帯や自己負担割合によって異なります。
 電話を受ける時にカルテが手もとにない場合もあります。私が話す前に、念のために電話再診料がかかることをご説明すると、『お金がかかるならいらない』と言われることもあります。そう言われると、こちらからはご説明できません。
 成人の電話再診料金は、3割負担の方で自己負担が一回210円(診療時間内)です。『なぁ~んだ、210円なら聞いとけばよかった』と言われました。夜間・深夜(22:00~6:00) は高く一回1,470円です。休日は高くなりますし、6歳未満の乳幼児も高くなります。診療所へいらしていただき、処置をした場合は処置料・薬剤料が加算されます。
      ■         ■
 保険の有効期限が切れてしまった場合や保険証がない場合は全額自己負担になり消費税もかかります。
 自費の料金は750円(診療時間内)。夜間・深夜(22:00~6:00)は5,160円です。
 術後に何かあっても、これ位の料金でお医者さんから直接説明を聞ける方が安心だと私は考えます。

投稿者 sapporobiyou : 20:23 | コメント (0)

2007年07月13日

旭岳登山

 中富良野からの帰りに旭岳へ行ってきました。旭岳は北海道の最高峰で2,290mあります。北海道は緯度が高いため、2,000mでも日本アルプスの3000m級に匹敵する高山環境を持ち、多彩な高山植物群落が見られます。
 旭岳へは、東川町の旭岳温泉(標高1,100m)からロープーウェーで姿見駅(標高1,600m)まで上がることができます。そこまでは昨年秋に行ってきました。
 姿見の池に写った旭岳がとてもキレイだったので、今年は是非山頂までと考えていました。
      ■         ■
 私は登山の趣味はありませんが、自然を観察するのが好きで、学生時代には利尻岳に登ったこともあります。
 ここ30年くらいは登山はしていませんでした。旭岳は正直なところキツかったです。私たちのように軽装で上がるべき山ではないと、帰ってきて改めて思いました。
 事前にネットで調べて、頂上付近は夏でも気温が0℃近くになることは知っていました。
      ■         ■
 姿見の池までは、スニーカーでも、ちょっと歩きやすい靴でも行くことができます。息子が高校時代に学校で旭岳に登っていたので、安易に考えていたと思います。
 ロープーウェーで姿見の池に上がると、高山植物の美しさに目を奪われます。7月上旬はちょうど良い時期でした。
 自然保護監視員の方から説明を受けて、楽しく散策ができます。山に登る人が多いし、昨秋はすぐそこに旭岳が見えたので‘簡単に’上がれるだろうと思ったのが間違いでした。
      ■         ■
 私がいつもワキガ手術は‘簡単’ではありません。と申し上げているのを逆に教えていただいた気がしました。
 ウインドブレーカーにスニーカーで家内と登りましたが、下りがきつかったです。途中まで登ったところで、家内がもうダメと音をあげました。
 たまたま私たちの前に東京からのツアー客22人が団体で上がっていらっしゃいました。
 そのツアーのしんがりにくっついて上がりました。男性のガイドさんが案内をなさっていて、それをしっかりタダで盗み聞きしながら上がりました。
 頂上の手前、9.5合目のところで『ここが有名なSOS事件があった、ニセ金庫岩です』と説明を受けた時もなんのことかさっぱり『???』でした。
      ■         ■
 1989年に道に迷った、愛知県の青年が木で‘SOS’と印を残し、捜索隊に発見された時は、白骨死体だったという恐ろしい話しです。
 昨秋に来た時も、その日の朝に東京からいらした有名な先生が死体で発見されたとニュースで報道していました。
 帰ってきてから、ネットでSOS事件を調べて、改めて恐ろしさを知りました。
      ■         ■
 山頂からの大パノラマは素晴らしく、高山植物の美しさとは別の自然の素晴らしさを味わいました。
 今度はちゃんと登山靴を買って、装備も万全にして、もう一度チャレンジしてみようと思っています。
 旭岳へ行かれる方は、決して私たちのマネをしないでください。山を甘くみてはいけないという教訓を得ました。

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旭岳山頂にて

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2007年07月12日

ファーム富田

 休診日を利用して中富良野のファーム富田へ行ってきました。ちょうど10日前の7月2日の日記で札幌のラベンダーが開花したことをお知らせしました。
 例年、7月中旬には中富良野のラベンダーが開花します。札幌より富良野地方は開花が遅れます。
 今年は例年より、お花全体の開花が遅く、ちょうど濃紫早咲が咲きはじめたところでした。残念なことにオカムラサキはまだ蕾(ツボミ)でした。開花まであと1週間はかかりそうです。札幌より20日も遅れることは珍しいと思います。
      ■         ■
 本州では梅雨前線の影響で大雨と聞きますが、今年の北海道は少雨です。6月の降水量が少なく農作物の生育に影響が出ているようです。
 そのためかどうか?わかりませんが、ファーム富田のお花も例年より背丈が小さく感じられました。
      ■         ■
 私は毎年ファーム富田に何回か伺います。ラベンダーの時期の他に秋にも行くことがあります。
 札幌美容形成外科に飾るカレンダーを購入したり、院内で使うラベンダーオイルを購入に行きます。
 ファームで働いているのは花好きな方で、皆さんとても親切で丁寧です。若い方が多いのも特徴です。
      ■         ■
 今のシーズンは一年中で最も混んでいる時期です。日本人以外に台湾、韓国、中国からもたくさんのお客様がいらしています。
 顔だけ見ても日本人と区別がつきませんが、言葉を聴くと韓国語や中国語なのでわかります。若いカップルも海の向うからいらしています。韓国の知人に聞いたところ、韓国にはファーム富田のように花を育てている農場はないようです。
      ■         ■
 ファーム富田のよいところは、ラベンダーから作られたさまざまなGoodsを販売しているところです。
 あれだけの花畑なのに入園料はゼロ円。おそらく販売料収入で維持管理なさっていらっしゃるのだと思います。
 毎年、確実に成長しているラベンダーとお花の楽園です。オーナーのラベンダーにかける強いお気持ちが伝わってきます。
      ■         ■
 ラベンダーの他に、赤のポピーがキレイに咲いていました。
 この美しいラベンダーの楽園をいつまでも維持していただきたいと願っています。
 札幌美容形成外科に飾ってあるカレンダーでファーム富田の四季がご覧いただけます。

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ファーム富田にて

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2007年07月11日

手術室の掟2(オキテ2)

 手術を安全に遂行するために、手術室にはさまざまな掟があります。昨日は挨拶について書きました。
 手術をするには、麻酔をかける必要があります。麻酔薬は手術の苦痛を取り除いてくれる有用な薬ですが、使い方を誤ると生命の危険を伴うことがあります。
 私が麻酔科研修で習ったことは、薬の誤認を防ぐことです。注射器に詰めてしまえば、みな同じ無色透明の液体が大部分です。
      ■         ■
 麻酔科や手術室では、注射器に詰めたら必ずシールを貼って間違いを防ぎます。薬によっては最初からシールがついている製品もあります。
 麻酔に使う薬は、希釈して使う場合も多いので、希釈した場合は希釈した濃度も書きます。
      ■         ■
 麻酔科医や術者の指示で、薬剤を注入する時は必ず復唱します。
 麻酔科医:『それでは看護婦さん、プロボフォールを10cc入れてください』
 看護師:『はい、プロボフォール10cc入ります』
 麻酔科医(患者様へ):『点滴から麻酔のお薬が入りますので眠たくなります』
 ミルクのような白い液体が点滴から入ると、患者様はあっという間に眠ってしまいます。豊胸術では気が付いたら、胸が大きくなっていて、まったくわからない間に手術は終わります。
      ■         ■
 手術中も常に声を出して確認するのが掟(オキテ)です。
 外科医:『15番お願いします』
 看護師:『はい、15番です』
 外科医:『電メス(電気メスの略)のパワーを5に上げてください』
 看護師:『はい、5に上げました』
 局所麻酔で手術をする時には、あまり声を出さないようにすることもありますが、『はい』は常に声に出して言うようにします。
 ミスや事故を防ぐために、昔から手術室の掟(オキテ)として伝えられた決まりです。
      ■         ■
 手術中にもさまざまな掟があります。術者と器械出しの直接介助者は‘清潔’なので、手は胸より下に下げてはいけません。
 鼻の頭が痒くても、眼鏡がずれても、マスクがずれても自分では直せません。すべて、外回りと呼ばれる間接介助者にしてもらいます。
 手術中はトイレにも行けませんし鼻もかめません。風邪を引いて鼻水がズルズルの時は大変です。
      ■         ■
 このような手術室の掟は、医学部でも、看護学部でも、看護学校でもあまり教えなくなりました。国家試験にもあまり出題されません。
 私が北大病院の手術室へはじめて入った時、ベテランの看護師さんから、『先生、手洗いしていたら失敗しても頭をかいたらダメょ』と優しく教えていただきました。

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2007年07月10日

手術室の掟(オキテ)

 手術室は外科医が技を披露する劇場だと書きました。私たち外科医にとって大切な仕事場が手術室です。総合病院では中央手術部という部門があって、専任の看護師が数十名も勤務している病院もあります。私が麻酔科研修をした昭和57年は、札幌医科大学附属病院の中央手術室には麻酔科専任の看護師さんもいらっしゃいました。
 医師免許を取得して、大学病院に勤務しても何もできません。手術器械の名前すらわかりません。
 通常の手術では、‘器械出し’または‘直接(介助)’と呼ばれる看護師さんが手術につきます。新米の医師は足元にも及ばないほど何でもよく知っていて優秀です。
      ■         ■
 私が医師になって、はじめて手術室に入った北大病院では、看護師さんはグリーンの帽子とマスクをしていました。目元しか見えませんでしが、美人でかっこよかったです。
 私たち研修医は、何もできず、ただ毎日叱られてばかりいるのに、看護師さんはキリっとして実にてきぱきと器械を渡します。術者が何も言わなくても、手術の流れがわかっていて、手を出すと間髪入れずに器械が出てきます。
      ■         ■
 手術室には掟(オキテ)があります。まず、挨拶をすること。しっかり声に出して挨拶をします。
 朝、入る時は『おはようございます』。これはどこでも当たり前ですが、特に手術室では挨拶を重要視します。
 手術を始める時は、『おねがいします』と術者が言って、他の全員が『おねがいします』と復唱して始まります。これから手術を始めるので、麻酔科の先生、看護師さん、助手の先生、みなさんよろしくお願いします。という意味だと思います。
 テレビドラマなどでは、イケメンの先生役が『メス!』なんて言いますが、私は言ったことも聞いたこともありません。
      ■         ■
 メスにもいろいろな刃の形があるので、形成外科では『15番(ジュウゴバン)』とか『15番お願いします』と言って始めます。15番というのは形成外科で好まれる小型のメスの刃です。メスの刃は替刃式になっています。
 メスを入れる前に、消毒をして、被布(オイフ)という清潔な布をかけて、局所麻酔の注射をします。
      ■         ■
 手術が始まってからは、術者は原則として術野しか見ません(術野に集中しています)。術者が手を出すと、器械を術者の手にポンと渡してくれます。このポンが上手にできる人は優秀です。慣れない間はぎこちなくなります。
 手術が終了すると『ありがとうございました』と術者が言って、最初と同じように全員が『ありがとうございました』と復唱しておしまいです。
      ■         ■
 病院の他の部署と異なるのは、手術という一つの仕事をチームプレーで手際よく行うことです。そのため挨拶とか、作法が重んじられるのだと思います。
 美容外科診療所(クリニック)は総合病院の手術室とは雰囲気が異なるところもありますが、私はしっかり挨拶をして、礼儀を重んじる手術室の掟が好きです。

投稿者 sapporobiyou : 15:37 | コメント (0)

2007年07月09日

手術室へのこだわり

 札幌美容形成外科の設計で私がこだわったのが手術室です。形成外科医として、四半世紀を手術室で過ごしてきました。手術室には窓がなく、朝、手術室に入ると外が晴天だろうが猛吹雪であろうが一切わかりません。
 空調完備で夏でも冬でも一年中半袖の術衣を着ています。市立札幌病院で生後間もない未熟児の手術をした時は、患児の体温低下を防ぐため、手術室の室温を36℃にまで上げて手術をしました。
 一度だけの体験で手術時間も2時間程度でしたが、全身汗だらけ、麻酔科医も看護師も全員汗だくで手術をしました。患者様に快適に手術を受けていただくのが手術室です。
      ■         ■
 医療法で手術室の設備基準が詳しく決められています。3年前は手術用手洗い装置などが義務付けられていました。
 変な話しですが、‘手術’は手術室でなくてもできるのです。一般の方には『???』、何の話しか見当がつかないと思います。病室で手術をする病院はないと思いますが、大部分の美容外科クリニックで手術をしているのは、実は処置室です。処置室で手術をしても違法ではありません。
      ■         ■
 処置室は手術室と比べると、設備基準がゆるく保健所の検査でも特別な問題がなければ許可されます。
 手術室を備えるには、それなりの設備が必要でお金もかかります。ビル内の診療所では前に書いた、給排水の問題があるため、手術室はおかずに処置室で手術をするところが大部分です。処置室で手術をしても、ちゃんとした先生がすれば‘手術’自体に問題はありません。
 HPで‘宣伝’している手術室は、私がいままでに勤務していた総合病院の手術室をできる限り再現しました。
 手術室は外科医の間では、術場(ジュツバ)とも呼ばれます。英語ではoperating theaterと言います。まさに外科医にとっては自分の技(ワザ)を披露する‘劇場’です。
      ■         ■
 札幌美容形成外科は、たくさんの医療関係者にご利用していただいています。
 どんなベテランの先生に、ベテランの師長さんに見ていただいても恥ずかしくない手術室です。私の自慢です。
 ビルの改築でこの立派な手術室を壊すのはとてもとても残念です。でも、この次はもっと立派で快適な手術室を作ります。

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自慢の手術室です

投稿者 sapporobiyou : 23:15 | コメント (0)

2007年07月08日

イメージは自然

 3年前に札幌美容形成外科を開業する時に困ったのが‘広告’でした。前の勤務先では、本部と広告代理店が全国の広告から地方の広告まで、細かく分けて出してくれていました。広告宣伝費もかなりかけていました。
 個人経営のクリニックはどう頑張っても、広告で大手チェーン店にかないません。
 有名女性誌に広告を出すだけで、私の給料が吹き飛んでしまいます。北海道の小さなクリニックが全国誌に出したところで、効果はありません。
      ■         ■
 医療法で診療所や病院の広告は厳しく規制されています。有名女性誌に出ている‘広告’は、診療所(クリニック)の‘広告’ではなく、本やビデオの‘広告’として出されています。
 クリニックの広告として出せるのは、NTTタウンページに出ている内容程度しか出せません。
      ■         ■
 私はHPなどで使う、広告のキャッチコピーを考えていました。
 広告のデザインはデザイナーにお願いしましたが、内容は私が考えました。
 このHPに出ている‘イメージは自然。自然な仕上がりを大切にします’は私が考えました。
 毎日、いろいろな案を考えていました。ボ~っとしながら大通り公園を歩いていた時に、突然ひらめいたのが‘イメージは自然’でした。
 受験生の時に、ずっと解けなかった数学の問題が、ある時突然ひらめいて解けた感覚に似ていました。
 さっそくデザイン事務所にメールして、最初の広告ができました。
      ■         ■
 下の広告が最初にできた札幌美容形成外科の広告です。地味な広告ですが、私なりに満足していました。
 ラベンダーの形が札幌のSの形をデザインしています。ちょうどラベンダーが咲く頃にこの広告を出しました。
 それから、あっという間に3年が経ちました。おかげさまで病気もせず元気に診療を続けています。
 私は、いかにも整形しましたという目や鼻は嫌いです。開院の時からずっと自然な仕上がりを大切にしています。

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2004年最初の広告です

投稿者 sapporobiyou : 23:18 | コメント (0)

2007年07月07日

北海道臨床創傷治癒研究会

 昨夜、札幌パークホテルで第4回北海道臨床創傷治癒研究会がありました。私の恩師である、市立札幌病院吉田哲憲院長が代表幹事をなさっていらっしゃる研究会です。
 形成外科医は以前にも書いたように、キズを治すプロです。糖尿病や閉塞性(ヘイソクセイ)動脈硬化症で下肢(特に足指)が黒く壊死になってしまう病気があります。
 重症の方は、膝から下を切断という、最悪の事態になることがあります。私は市立札幌病院や札幌医大に在籍していた時に、よく内科の先生とご一緒に足の難治性潰瘍(ナンチセイカイヨウ)の治療をしました。
      ■         ■
 一番厄介なのが、糖尿病から腎不全になり、人工透析を受けていらっしゃる方です。動脈硬化症を合併していることが多く、血管も石灰化しているため、とにかくキズが治りません。
 さすがの私も諦めて、足指や下腿で切断したことがありました。血流が悪いとどんなに軟膏を塗ったり、足を洗ったりしてもキズが治らないのです。
 何とか、足を切断して欲しくないと願う患者様に「切断しなければ治りません」と言うのはとても辛いことでした。
      ■         ■
 昨日は、時計台記念病院、循環器センター長の浦澤一史先生の特別講演がありました。
 浦澤先生は、北海道大学をご卒業後、循環器内科を専攻、北海道大学講師を歴任され、平成18年4月から、時計台記念病院の循環器センター長にご就任されました。
 浦澤先生は血管に細いカテーテルという管を刺して、詰まった血管をあの手この手で開通させるという得意技をもっていらっしゃいます。
 血管が詰まって、枯れそうになっていた足が見事に生き返っていました。
      ■         ■
 時計台記念病院では、キズを治すプロである形成外科医と、詰まった血管を再開通させる循環器内科医がチームを組んで、従来は切断を免れないような、枯れかけた足を見事に治していました。
 私の81歳になる父も、足の血管が詰まってうまく歩けなくなりました。従来でしたら、治療は難しかったので、だましだまし使うしかないと思っていました。
 昨日の特別講演をお聞きして、さっそく父にも治療を受けさせようと思いました。
 医学の進歩はすごいものです。従来は治らないと思っていた病気でも、いつかは必ず治ることを信じて治療を受けるべきだと思いました。なにごとにも決して諦めないことが大切です。

投稿者 sapporobiyou : 23:50 | コメント (0)

2007年07月06日

医療と観察・分析・判断

 私は昭和57年に札幌医科大学麻酔学教室で麻酔科研修をさせていただきました。北大から札幌医大へ研修へ行くのは珍しいことでした。恩師である大浦武彦教授と札幌医大の高橋長雄教授のトップ会談で‘特例’として認められました。
 私が札幌医大の卒業生だったことも幸いしたようです。当時、私を指導してくださった先生は、現在も日本麻酔学会の要職に就かれ、現役の麻酔学教授もたくさんいらっしゃいます。
 私の医師としての四半世紀にわたる人生の中で、札幌医大麻酔科で研修を受けたことはとても意義深く、私の貴重な財産となっています。
      ■         ■
 昨日の日記で、医療でも観察・分析・判断が必要と書きました。麻酔学は手術の麻酔をかけて、手術を安全・快適に受けていただくための学問です。
 私は麻酔科研修で、この観察・分析・判断の重要性をしっかり叩き込まれました。
 麻酔をかけた後も、常に患者さんの状態を観察し、モニターの音、血圧、脈拍数、酸素飽和度などをしっかり観察します。何か異常があれば、即座に分析し、麻酔濃度の調節などの判断をします。
      ■         ■
 医療のどの分野でも、この観察・分析・判断をしっかり行わないと医療事故が起こります。
 全身麻酔で豊胸手術を受けた後に植物状態になった医療事故の例を書きました。これは典型的に観察・分析・判断が悪かった例です。
 美容外科では医療事故なんて起こらないとお考えかもしれません。確かに産科などよりリスクは少ないと思います。でも実際にこのような事故が起こっています。
      ■         ■
 観察するには、観察できる目が必要です。医師免許をとって日が浅い先生では、観察力が不足していることも考えられます。
 厚生労働省の決めた2年間の臨床研修だけでは、的確に観察できる目はできません。
 流通業でも、店長クラスになるには本人の努力と10年近い経験が必要と伺いました。もちろん教育も大切です。
 医療は航空業界と同じで、安全・快適に‘飛行’することが何よりも大切です。免許取立てのパイロットには大型旅客機は操縦できません。ところが医療では卒後数年の先生がジャンボジェットを操縦しているようなこともあります。
 観察・分析・判断が的確にできる‘先生’を選ぶことが、安全に手術を受ける上でとても大切なのです。

投稿者 sapporobiyou : 23:52 | コメント (0)

2007年07月05日

観察→分析→判断

 今日は北海学園大学のニトリ寄附講座に行ってきました。講師は安孫子尋美先生です。5月末から6月末まで、約1ヵ月間、米国ロサンゼルス地区で調査・セミナーをなさって、帰国されたばかりでした。お忙しいのに、札幌までいらしていただきありがとうございました。
 米国では、成人女性の86%近くが就業しており、夫婦ともに働いている家庭が多くなっています。必然的に、買い物にかける時間が短くなり、short time shoppingという、短時間で楽しく買い物ができるショッピングセンターが増えています。
 従来のショッピングセンターと比較して、駐車場が整備されています。自分の行きたい店の前に車をとめて、すぐにお店に入れる環境作りがされています。
      ■         ■
 今日のテーマは観察→分析→判断の手法です。流通業では、効率的に業務を遂行し、それを数字として業績に反映させることが大切です。
 毎日、同じような仕事をしていても、その中から問題点を発見し、改善することで、業績も収益も改善します。
      ■         ■
 常にメモとボールペンを持ち歩き、気付いたことをメモすることで観察ができます。
 毎日、A4の日報に観察(問題点、不明な点)をできるだけ具体的に記入します。
 さらに、問題点について原因と思われることを‘分析’し、箇条書きに記入します。
 最後に、改善・改革のための提案として‘判断’を記載します。そしてその期限を具体的に記載します。この日報を毎日記入します。慣れてくると5分以内で記入できるそうです。
      ■         ■
 例として寝坊をして遅刻した例が紹介されました。
 ×悪い例
 観察:遅刻をした。
 分析:寝坊をしたからだ。
 判断:今後、絶対に寝坊はしません。
 この例では具体的な改善策がないため、また寝坊をして遅刻する可能性が大です。
      ■         ■
 ◎良い例
 観察:寝坊をして30分遅刻をした。
 分析:目覚ましが壊れていた。それに気がつかなかった。
 判断:新しい目覚ましを今日中に買う(期限がついている)。
 具体的な対策が期限付きで出来ているので、もう、寝坊をして遅刻する可能性は少ない。
      ■         ■
 この観察→分析→判断は流通業に限らず、日常診療や受験生にも応用できそうです。
 毎日の生活を見直して、問題点を発見し、それを分析して、応急措置と制度変更計画を立てる。
 似鳥社長のように夢とロマンを実現するため、自分たちの生活を改善するために、私も今日から観察→分析→判断にチャレンジしてみます。

投稿者 sapporobiyou : 22:57 | コメント (0)

2007年07月04日

ラベンダー刈取り

 今日は休診日だったので、ラベンダーの刈取りを行いました。私と81歳になる私の父でしました。昨日は家内と家内の母がしてくれました。家族で分業です。
 ラベンダーの刈取りというと、優雅な仕事のように思えますが、5分か10分で刈取れる量ではないので、結構な重労働です。
 中腰でかがみながらするため、腰が痛くなります。鋏でチョキチョキちょきちょきと切るため、手も疲れます。
 ラベンダーを刈る鋏は、園芸用の少し大きめの鋏を使います。6年前に植えた時は小さな株でしたが、毎年どんどん大きくなり、今では植えた時の何十倍にもなっています。
      ■         ■
 本数は数えていませんが、約2時間程度刈取りました。刈取った後にまた作業があります。
 刈取った後の作業は、家内と家内の母、私の両親がそれぞれ分業でしてくれています。
 ラベンダーの茎についている葉を手で落とします。ちょうど焼き鳥の串に花がついたようになります。それを親指の太さ程度に集めて束ね、輪ゴムをかけます。束ねたラベンダーを逆さに吊るして乾燥させます。
      ■         ■
 家の中に吊るすので、ラベンダーの香りが部屋の中に充満します。
 一週間くらいでカラカラに乾燥します。乾燥したら透明な袋に入れてリボンをつけて完成です。
 札幌美容形成外科に飾ってあるラベンダーはこうして身内で作ったものです。
      ■         ■
 私の仕事は、ラベンダーに肥料をやったり、毎年少しずつ植え替えたり、土をかけたりする栽培の方です。
 肥料をやって、木が大きくなって、キレイな花を咲かせてくれて、よい香りをくれるラベンダーが好きです。
      ■         ■
 美容外科医を辞めたら、ラベンダーや花を育てて優雅に暮らしてみたいと思っています。外国の花を見に行ってみたいとも思っています。
 今年、私が手術を担当させていただいたご婦人は、今頃スイスを優雅に旅行されていらっしゃいます。
 その方は、結構なお年なのですが、とてもお若く見え毎年スイスに滞在なさるのだそうです。
 『スイスはね、とってもお花がキレイでね、とってもいいところよ。先生も行ってごらんなさい。日本からの飛行機はいつも満席なのよ。』
 そのお話を伺って、いつか私も行ってみたいと思うようになりました。
      ■         ■
 美容外科と園芸はまったく異なりますが、私にとっては、失礼ながら、どちらも自分の手でキレイな‘作品’を作っているつもりです。
 手術をできる年齢には限界がありますが、花つくりは元気であれば続けられそうです。
 キレイな花を作って鑑賞して、楽しみながら暮らすのが私の老後の夢です。

投稿者 sapporobiyou : 23:56 | コメント (0)

2007年07月03日

デザインとイメージ

 札幌美容形成外科を開業する時は、たくさんの人に助けていただきました。特に高校や中学の同級生は、さまざまな分野で活躍している人がいて助けられました。そのうちの一人がデザイナーでした。
 『本間、病院のマークとかイメージとか決まってんの?』
 私『???』
 『名刺でも、広告でも、病院をイメージするデザインって大事だょ』
 私『フ~ん、でも病院のマークなんてあったかな?』
      ■         ■
 私が勤務したのは、市立札幌病院、帯広厚生病院、函館中央病院などの総合病院が長く、その地域でその病院を知らない人はいない位有名でした。
 タクシーに乗って「市立病院までお願いします」と言えば住所を言わなくても乗せてもらえます。
 病院のマークについては、市立札幌病院には独自のマークがあった筈ですが、私の名刺には札幌市のマークを入れていました。帯広厚生病院ではJAのマークでした。
      ■         ■
 開業前に勤務していた中央クリニックにマークやロゴがあったか?定かではありませんが、確かに看板は黄色で目立つ色でした。
 有名なリッツ美容外科や聖心美容外科には素敵なデザインのロゴやイメージカラーがあります。
      ■         ■
 友人のデザイナーの事務所へ行き、彼がデザインしたさまざまな作品を見せてもらいました。
 『この中で、本間が気に入ったデザインがあれば、それを応用することもできるょ』と言われました。私が気に入ったデザインは札幌交響楽団コンサートのパンフレットでした。
      ■         ■
 私のHPの両サイドにある、緑の葉っぱの帯がついたデザインの札幌交響楽団(札響)の定期演奏会のポスターがありました。
 友人『本間は植物が好きだったんだ』
 私『そう、オレ趣味は園芸だし』
 その友人が何種類かデザインしてくれた名刺の中から、私が選んだのが、葉っぱのマークが入った名刺でした。
      ■         ■
 下の名刺が私が開業以来使用している名刺です(正確には開業前の方が名刺を多く使います)。
 外国の先生には、裏に英語表記をした名刺を差し上げています。
 葉っぱのマークがついた名刺は珍しいので、一度名刺を差し上げた方からは、『あぁ、あの葉っぱの名刺いただきました』とよく覚えていただけます。
      ■         ■
 開業前には、医業とは別のさまざまなことを経験し、少しずつクリニックができました。
 医学部や研修医時代に先輩から教わることはありません。これから開業なさる先生は、自分が知らないことは謙虚に教えていただき、信頼できる専門家に助けていただくのがよいと思います。

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私の名刺です

投稿者 sapporobiyou : 22:55 | コメント (0)

2007年07月02日

ラベンダー開花

 札幌では7月の声を聞いてラベンダーが開花しました。私が育てているのは、オカムラサキと濃紫早咲の2品種です。中富良野のファーム富田で購入した苗と知人から分けていただいた苗を育てました。
 最初に咲くのは、名前の通り濃紫早咲なのですが、日当たりや場所によって微妙に開花時期が違います。
 札幌美容形成外科に飾ってあるラベンダーのドライフラワーは、私が育てて、家内と家内の母、私の両親が乾燥させて作ったものです。
 ドライフラワーにするには、まだ開花しきらない時期に刈り取って乾燥させます。完全に開花してからでは、乾燥すると花がポロポロと落ちてしまいます。
      ■         ■
 昨日、仕事を終わってから、ラベンダーを刈り取りました。今日クリニックに飾ってある花は、今年咲いた生花です。
 ラベンダーは花だけではなく、茎も葉もよい香りがします。ですから刈り取る時も香りに包まれて、とてもよい気分です。ラベンダーを手入れしていると、春でも秋でも手にラベンダーの香りがつきます。
      ■         ■
 ラベンダーは草のように見えますが、かなり太くなる木です。太い幹は私の親指より太くなります。たまに枯れる枝もあるので、枯れた枝は切ってやります。
 花を楽しんだ後は、必ず枝を切ってやります。よく公園などに植えられらラベンダーが、花の後もそのままになっているのを見るととてもかわいそうに思います。
      ■         ■
 病害虫もあまりつかず、開花時期だけハチがたくさんやって来るのが難点といえば難点です。
 日が昇ってからはハチがたくさん来るので、家内は朝や夕方によく刈り取っています。
      ■         ■
 私がラベンダーを知ったのは高校生の時に偶然聴いたNHKラジオの放送でした。昭和47年頃だったと思います。
 内容は忘れてしまいましたが、合成香料の普及と輸入自由化でラベンダー栽培が苦境に立たされている。北海道が主産地だというような内容だった気がします。その頃から、いつかラベンダーを育ててみたいと思っていました。
 結婚した頃(昭和56年)から、毎年家内と中富良野の富田ファームへラベンダーを見に行ってました。
      ■         ■
 札幌美容形成外科を開業した時に、クリニックのイメージとしてラベンダーを選びました。
 紫のキレイな色と香りが好きだったので選びました。ちょうど、自宅のラベンダーがたくさん咲いて、家内と両親がドライフラワーを作ってくれたので院内に飾りました。HPのデザインもラベンダーにしました。
 院内に入るとラベンダーの香りが年中いたします。今の季節だけ本物の花がご覧いただけます。

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開花したラベンダー

投稿者 sapporobiyou : 23:59 | コメント (0)

2007年07月01日

光る看板

 札幌美容形成外科を開業する前に、悩んだのが看板でした。看板を掲示できるスペースが限られていたため、おしゃれでキレイな看板がないか探しました。
      ■         ■
 3年前に一番にぎやかだったのが、札幌駅前のステラプレイスと大丸周辺でした。札幌駅周辺のビルを何度も見た帰りに、ステラやアピアあたりの看板を見て歩きました。上ばかり見る変なおじさんにみられたと思います。
 私の目にとまったのが光る看板でした。ネオンサインのようにキラキラした看板ではないのに、上品できれいな看板が印象的でした。
      ■         ■
 残念なことに看板を何度見ても製作会社の名前は書いていませんでした。また看板は高い位置に取り付けられているので、たとえ書いてあっても読めません。
 建築業者や看板屋さんに聞いていましたがわかりませんでした。アピアの防災センターでも聞いてみましたが、わかりませんでした。そこで、ネットで検索してみました。
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 ネットで検索してもなかなか見つかりませんでした。苦労してくろうして見つけたのがノグチ工芸さんでした。
 JR札幌駅の時計。大丸。ビックカメラ。私が探していた光る看板はノグチ工芸さんの‘作品’でした。
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 早速、札幌市東区にあるノグチ工芸さんの本社・工場に伺いました。建物は工場で、その横に階段がありました。階段を上がって‘本社’のある3階へ行きました。
 階段には、ノグチ工芸の‘作品’である光るサインがたくさん展示されていました。
 社長さんにお会いしました。実に実直そうな、看板一筋という感じの社長さんでした。
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 ノグチ工芸の看板はLEDという最先端の技術を使った光る看板でした。LEDは日本が生んだ世界の技術、中村修二先生(米国カリフォルニア大学(UCSB)教授)の発光青色ダイオードを使った技術です。5月20日の日記に書いた、中村先生が発明した技術でできた明かりです。
 野口社長は苦労して、LED技術を使った看板を開発し、日本全国に販売していると教えてくださいました。
 私が札幌駅で見つけた、光る看板はノグチ工芸さんの技術でした。
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 札幌美容形成外科HPのビデオで、最初に写るマルチカラーの光る看板はこうしてできました。
 看板の設置では、スノー会舘ビルのオーナー様に多大なご協力をいただきました。
 こうして、たくさんの方のご協力で札幌美容形成外科が開院できたのが3年前でした。

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LEDを使ったサイン ノグチ工芸HPから引用

投稿者 sapporobiyou : 22:46 | コメント (0)