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2008年02月29日

500㌘の赤ちゃん㊥

 平成20年2月26日、北海道新聞朝刊の記事です。
 500グラムの命みつめて
 高度新生児医療の現場から㊥
 『横綱』
 呼吸維持に細心の配慮
 慢性肺疾患の進行抑制
      ■         ■
 市立札幌病院9階の、
 総合周産期母子医療センターの新生児集中治療室(NICU)。
 妊娠24週で生まれた女の子の体重「522㌘」は、
 その時入院していた赤ちゃん20人の中で一番小さかった。
 身長26㎝の体はコードに覆われ、
 顔の表情も人工呼吸器用チューブを固定する装具のため、
 よく見えない。
 人工呼吸器が規則的に酸素を送る音や、
 監視モニターのアラームが鳴り響く室内で、
 泣き声も上げずに静かに横たわる。
      ■         ■
 「横綱だね」。
 服部司(ハットリ サトシ)・同センター新生児科部長(59)は、
 慈しみ(イツクシミ)を込めてそう思った。
 最も手がかかるという意味。
 20台の保育器のうち、最もナースステーションに近い場所に寝かされた。
      ■         ■
 息を吸う時、肋骨が引き込まれる陥没呼吸が続く。
 乱れる呼吸は体力を奪う。
 体重は一日10㌘ずつ増えたかと思うと、反対に減る日もあった。
 超低出生体重児の赤ちゃんは、
 体温の喪失を防ぐため温度36度、
 湿度100%近い保育器で管理する。
      ■         ■
 さらに呼吸管理が課題だ。
 500㌘台の赤ちゃんは肺が成熟しておらず、
 人工呼吸器での管理が長くなるためだ。
 唇から身長の3分の1、
 7㎝も挿入したチューブは、
 赤ちゃんが動くと気管を傷つける恐れがある。
 痰(タン)も除去しなければならない。
 「口からの気管挿管が痛々しくて」。
 両親は、直視できなかった。
      ■         ■
 この赤ちゃんも超低出生体重児に多い
 「慢性肺疾患」を発症した。
 人工呼吸器で、
 肺に高濃度酸素が直接、
 しかも強く吹き付けられることで肺組織を傷つけ、
 線維化を進め肺の機能を損なってしまう。
      ■         ■
 この治療のため、
 主治医は特効薬「ステロイド」(副腎皮質ホルモン)を3回、投与した。
 ステロイドは線維化を抑制する劇的な効果があるが、
 成長を抑制、免疫力を落とすなど副作用も強い。
 両親には
 「もろ刃の剣。本当は使いたくない」
 と隠さず説明。
 そのつど承諾を得た。
      ■         ■
 自発呼吸できるようになった53日目、
 人工呼吸器が外された。
 体重は854㌘に。
 鼻から空気圧を送り呼吸を楽にする
 CPAP(シー・パップ)(持続気道陽圧呼吸)装置が付いた。
 のどに管を入れる人工呼吸器に比べ肺への負担が軽く、
 なにより慢性肺疾患の進行を抑えた。
      ■         ■
 生後3ヵ月、
 体重が1500㌘を超えたころを最後に、
 ステロイド投与の必要がなくなった。
 「これでヤマを越えた」。
 NICUにホッとした空気が流れた。
      ■         ■
 〈メモ〉
 市立札幌病院のNICUには、
 早産や出産後になんらかの異常が認められた赤ちゃんを含め、
 年間約300人が入院する。
 その中で、
 リスクの高い1000㌘未満の超低出生体重児は
 年間30人前後で、
 2007年は過去最高の37人。
 その「生存退院率」は
 2001年以降の平均で94.6%。
 全国で200ヵ所を超えるNICUでも、
 高い数字となっている。

nicu.jpg
 保育器、人工呼吸器や各種医療モニター装置が
ぎっしりと並ぶ市立札幌病院のNICU
(伊丹恒撮影)
 (以上、北海道新聞より引用)
      ■         ■

 私が、市立札幌病院に在職していた時に、
 担当させていただいたのは、
 主に体表面に何らかの異常がある新生児。
 最初は、
 正直なところ…、
 触るのも…、
 おっかなびっくりでした。
      ■         ■
 新生児室に入る前には、手術前のように入念に手洗い。
 予防衣を着用して、
 帽子を被りマスクをして入りました。
 保育器(確かコットと呼んでいました)の中に手を入れると…
 温かく、湿度もあって、ちょっと別世界でした。
      ■         ■
 ある日、生後間もない赤ちゃんを手術することになりました。
 生まれつきの病気で、すぐに手術をする必要がありました。
 保育器の中で手術はできないので、
 手術室一部屋を保育器と同じ環境にしました。
      ■         ■
 室温36℃。
 医師も看護師も全員汗だく。
 サウナの中の手術のようでした。
 昨日の日記に、
 産婦人科の先生が手術をしている写真がありました。
 右端の先生が、鉢巻をしています。
 ‘市OR’と書いてあります。
 市立札幌病院、Operating Roomの略です。
 鉢巻は、汗が額から落ちるのを防ぐためにします。
 とても懐かしく、見ていました。
      ■         ■
 産婦人科、新生児科、中央手術室、NICUと
 多くの設備、人的資源を必要とします。
 特に、NICUのナースは…
 内径2㎜の気管内チューブから、
 痰を吸引するというとても繊細な仕事を要求されます。
 汗まみれになって、手術を担当する先生。
 夜も寝ないで、手当をするNICU担当の先生、ナース。
 私は、母体や赤ちゃんに異常があれば、
 一番に市立札幌病院をおすすめします。

投稿者 sapporobiyou : 23:13 | コメント (1)

2008年02月28日

500㌘の赤ちゃん㊤

 平成20年2月25日(月)から、3日間にわたり、
 北海道新聞生活欄に
 「500㌘の命みつめて」という記事が連載されました。
 山本哲朗さんの署名記事です。
 私がかつて勤務した、市立札幌病院で取材されています。
 NICU(エヌ・アイシーユー)という、新生児の集中治療室のお話しです。
 私が20年前に実際に、新生児医療の現場を見た経験から、
 とても興味深く読ませていただきました。
 今日から、3日間にわたり、記事を引用して、日記に掲載します。
      ■         ■
 平成20年2月25日(月)北海道新聞朝刊の記事です。
 500グラムの命みつめて
 高度新生児医療の現場から㊤
 24時間懸命のリレー
 医師が連携 処置手早く
      ■         ■
 母、36歳、妊娠24週目。
 札幌市内の病院から
 市立札幌病院「総合周産期母子医療センター」に救急搬送された。
 重度の妊娠高血圧症候群と、
 胎盤が子宮口をふさぎ出血の恐れがある前置胎盤で、
 母子ともに生命が危ぶまれた。
 「帝王切開が、母子の命を救う唯一の道だ」。
      ■         ■
 診察した医師の決断は速かった。
 赤ちゃんは、体重が522㌘、
 身長は26㌢。
 執刀した産科医の片方の手のひらに載る女の子。
 だが、産声は響かなかった。
 ぐったりして、自発呼吸がない。
 早産の赤ちゃん特有の、
 鮮紅色で体内が薄く透けて見えるような皮膚が、
 酸素不足から暗紫色のチアノーゼ状態になり始めていた。
      ■         ■
 通常の出産は妊娠40週。
 24週の胎児は、仮に生まれても、育つことはできないといわれる。
 体の機能が不十分で細菌への抵抗力もない。
 最も問題なのは、肺が未成熟で自ら呼吸ができないことだった。
      ■         ■
 産科医は、へその緒を切った赤ちゃんを、
 待機していた新生児集中治療室(NICU)の新生児科医に託し、
 母体の治療を進めた。
 総合周産期母子医療センターは、
 産科の母体・胎児集中治療室(MFICU)と新生児科のNICUからなる。
 国の基準を満たす施設がセンターに指定され、
 危険なお産や赤ちゃんに問題が想定される妊婦を受け入れる。
      ■         ■
 道内では、市立札幌病院と釧路赤十字病院の二施設で、
 さらにもうーヵ所が指定の申請中だ。
 市立札幌病院の本来の受け入れ範囲は道央圏だが、
 稚内や帯広など各地から患者が集中し、
 6床あるMFICU、9床のNICUとも満床状態が続く。
      ■         ■
 産婦人科部長の晴山仁志理事(58)は言う。
 「危険度の高い妊娠や出産の処置は、
 産科医と新生児科医が24時間連携し、
 母体と胎児の管理、緊急帝王切開と新生児救命にあたることができる、
 当院のような施設でないと無理。
 MFICUとNICUの空きがある限り、
 受け入れるのが私たちの使命です」
      ■         ■
 産科医から赤ちゃんを託された新生児科医は、
 すぐに蘇生処置に取りかかった。
 鼻と目にマスクを当て、
 伸縮製のパッグを握って濃度100%の酸素を肺に送り込み、
 しぼんでいる肺を広げようとした。
      ■         ■
 30秒ほど酸素を送ると、
 人工呼吸器用チューブを気管に入れる。
 内径2㎜のチューブを、
 赤ちゃんの薄く小さな口から正確に7㌢、
 声門と気管分岐点との中間まで挿管する。
 「よし届いた」。
 新生児科医は安堵(アンド)のつぶやきを漏らす。
      ■         ■
 一連の処置はわずか5分。
 赤ちゃんは手術室に持ち込まれた移動式保育器に横たえられた。
 保育器は手術室のある4階から9階のNICUに向かった。
 体重500㌘未満の赤ちゃんはかつて、
 医学的に生存不能とされていた。
 新生児医療の現場では今、
 その生存不能の領域で、「命のリレー」を懸命に続けている。(山本哲朗が担当します)
      ■         ■
 〈メモ〉
 出生体重により、
 2500㌘未満を「低出生体重児」、
 1500㌘未満を「極低出生体重児」、
 医学的に最も危険な1000㌘未満を「超低出生体重児」と分ける。
 日本小児科学会が
 主要医療施設で調査した500㌘以上の超低出生体重児の死亡率は
 1980年の55.3%が、
 2000年には15.2%まで減少した。
      ■         ■
 医師不足、診療休止―。
 過疎化する医療現場の一方に、
 数百㌘の赤ちゃんの命を見守る先端の医療がある。
 道内に2ヵ所ある総合周産期母子医療センターの一つ市立札幌病院から、
 「500㌘」の命の誕生を報告する。
      ■         ■

gyne.jpg
 市立札幌病院の総合周産期母子医療センターで行われた帝王切開手術
 母体搬送などハイリスク妊婦の出産は、帝王切開となるケースが多い
 (伊丹恒撮影)
 (以上、北海道新聞より引用)
      ■         ■

 私の友人や、同僚の奥さんも、
 市立札幌病院で極低出生体重児を出産しました。
 子供たちは、全員大きく立派に育っています。
 ほんとうに、1000㌘もなかった赤ちゃんが、立派に育っています。
 もう成人式を迎えた子供もたくさんいます。
      ■         ■
 私が、市立札幌病院に勤務したのは、もう20年前です。
 その当時は、1000㌘未満の子供が助かると‘すごい’と言われていました。
 当時は新生児科という‘科’はなく、小児科の未熟児センターと呼ばれていました。
 5階の小児科病棟の一角にありました。
 私は、服部先生や中島先生に呼んでいただき。
 よく往診に出かけていました。
      ■         ■
 市立札幌病院の新生児科は、すごいところです。
 先生とスタッフの‘神業’ともいえる、
 まさに神の手で、
 助かりそうもない赤ちゃんを助けてくれます。
 私は、公立病院はこういうところにお金をかけるべきだと思います。
 あと2回、新生児科のNICUについてご紹介します。

投稿者 sapporobiyou : 23:44 | コメント (0)

2008年02月27日

今日のわんこ

 私はあまりTVを見ません。
 TVを見る時間がなかったですし、
 今もゆっくりTVを見る時間はありません。
 楽しみにしている番組が、
 朝の‘めざましテレビ’に出てくる今日のわんこです。
 フジテレビ系列(北海道ではUHB)で、
 朝7:54頃から、 毎週月曜日~木曜日に放送されます。
      ■         ■
 日記に書こうと思って、Googleで検索して、
 昨日の放送分までのわんこがHPに載っているがわかりました。
 今日(2月27日)に放送されたのは、
 華子と大助という、2匹のコーギーで、
 みかん農家で飼われている、わんこでした。
 みかんの皮を上手にむいて食べていました。
 毎日、かわいいわんこを見て、癒されています。
      ■         ■
 愛犬のチェリーが天国へ旅立ったのが、
 昨年の6月18日でした。
 かわいい雌のシェルティでした。
 晩年は、あまり世話も散歩もさせてやらず、
 家内と私の父が、もっぱら面倒をみてくれていました。
      ■         ■
 15歳3ヵ月という、イヌとしては大往生の年齢でした。
 悪性リンパ腫ができましたが、
 苦しむこともなく、安らかに天国へ旅立ちました。
 今は、西区琴似の雪の下で眠っています。
      ■         ■
 幸い、家内も私もペットロスにもならず…
 次のイヌを飼うこともなく生活をしています。
 最近、たまにペットショップを覗いています。
 やはり、気になるのがシェルティです。
      ■         ■
 チェリーが小さい時に似ている…
 チェリーの眼に似ている…
 などなど、
 チェリーのことをよく想い出します。
 ペットショップでシェルティを見かけることは、
 あまり多くありません。
      ■         ■
 今のところ、次のイヌを飼う予定もないので、
 しばらくは、
 今日のわんこや
 よそのわんこ
 を見て、癒されようと思っています。

wanko
今日のわんこ
フジテレビより引用

投稿者 sapporobiyou : 23:48 | コメント (1)

2008年02月26日

口臭

 平成20年2月24日、朝日新聞日曜版beの記事です。
 元気のひけつ
 口臭
 舌のブラッシングで清潔に
 ある時、鏡の前で思い切り舌を出してみると、
 舌の中ほどから奥にかけて白っぽくなっていることに気づきました。
 普段から口臭がするのでは、
 と気になっているので鏡に口の中をよく映して見ます。
 白っぽいのは何?
 ひょっとしたらこれがー。
      ■         ■
 日本歯科大の八重垣健教授は
 「虫歯や歯周病のない健康な人で
 口がにおうのは、
 舌苔と呼ばれるものが大きな原因と考えられます」
 と言う。
      ■         ■
 舌苔は、
 はがれ落ちた口腔の粘膜の細胞や細菌が
 舌に付いてできる。
 鏡で見つけた白っぽいものがそうだという。
 読んで宇のごとく、
 舌の表面に苔のように張り付く。
      ■         ■
 舌は、
 糸状乳頭という、
 凹凸のある組織で覆われているので、
 細菌が引っかかりやすい。
 この舌苔が分解されると、
 硫黄化合物になる。
      ■         ■
 やっかいなのは、
 揮発性で、
 息と一緒に口から出て不快なにおいが
 人の鼻に届く。
 例えると、
 「夏場、生ゴミを腐らせちゃったにおい」
 と八重垣さん。
      ■         ■
 口臭は大なり小なり誰にでもある。
 人は普段からかいでいるにおいには慣れてしまうから、
 自身の口臭には気づきにくい。
 でも、自分の口からそんなにおいが出ていると思うと、
 ぞっとする。
      ■         ■
 ますます不安を募らせて、
 新潟大医歯学総合病院の口臭測定器で口臭を測ってもらった。
 ストローのようなものを口でくわえて約1分。
 硫化水素とメチルメルカプタンが検出された。
 ともに、
 においの原因となるが、
 「他人がにおいを感じるほどの量ではない」
 と言われてほっとした。
      ■         ■
 もっとも体調の変化でにおいの強さは変わる。
 朝起きた時に自分で口臭に気づくのは、
 睡眠中は唾液の量が減ってつばをのみ込む回数も減り、
 細菌が増えやすいから。
      ■         ■
 においの元になる舌苔を除去するにはどうしたらいいのだろうか。
 日本歯科大新潟病院の大森みさき准教授に聞いてみた。
 「舌専用ブラシを使ってブラッシングすることです」。
 舌専用ブラシは、
 最近ではドラッグストアなどでも手に入る。
      ■         ■
 「歯ブラシは毛が硬くて舌が傷つきやすい。
 また、毛の長さがあって舌の奥の方まで入れにくいので、
 やはり、舌専用ブラシがいいですね」
 鏡を見ながら舌を出し、
 舌苔が付着している部分にブラシを入れて、
 奥から手前へ引いてかき出す。
 これを数回繰り返すが、
 力を加え過ぎて舌の表面を傷つけないように注意する。
 こすりすぎて
 乳頭を傷つけることのないようにしなければいけない。
      ■         ■
 実は、よくかんで食べることも、
 口臭を予防することになる。
 食べ物が舌の上を通る時、
 舌苔を削り取るからだ。
      ■         ■
 新潟大学大学院医歯学総合研究科の宮崎秀夫教授は、
 介護を受ける高齢者の口の健康管理の必要性を説く。
 抵抗力が下がると、
 口で繁殖しだ菌が体内に入って肺炎などを引き起こす危険性があるからだ。
 「寝たきりの人にとって、
 おいしく食べて、
 周囲の人と会話することこそ大事なリハビリ。
 口臭が原因で会話が滞らないようにするには、
 介護者の協力が不可欠です」と強調する。(宮島祐美)
      ■  プラスα  ■
 「口臭外来」を受診する患者の中には、
 測定器で測っだ結果、
 におわないと判定されてもなお口臭に過敏になって
 「自分は口臭がある」
 と訴える人がいるという。
      ■         ■
 においをなくすのではなく、
 弱める意識で舌のブラッシングをすることが大切だ。
 においにまず気づくのは、
 日頃、最も近い距離にいる家族だ。
 「『お父さんの口、におうよ』
 と言える家庭環境こそ、口臭予防の第一歩です」
 と宮崎さん。
      ■         ■

tongue1.jpg
 舌ブラッシングの注意点
 ①鏡を見ながら、前方に舌を出す
 ②吐き気を起こさないよう、ブラッシング時は息を止める
 ③舌を出した際、頂上の位置から ブラシを当てる
 ④ブラシを舌の奥に入れ、手前に 引いて舌苔をかき出す
 ⑤数回磨いたら、ブラシについた舌苔を洗い流す

      ■         ■
・硫化水素…温泉卵のようなにおい
・メチルメルカプタン…生ゴミのようなにおい
・ジメチルサルファイド…野菜の腐ったにおい

頂上部分からブラシをあてて手前にかき出す

tongue.jpg
(日本歯科大学新潟病院大森みさき准教授らの話に基づき作製)
 (以上、朝日新聞より引用)
      ■         ■

 口臭で悩んでいる方は、ワキガ以上に多いのではないでしょうか?
 口臭と入力して検索すると、さまざまなページが出てきます。
 サプリメントや怪しげな薬まであります。
 口臭に一番関係があるのが、歯科です。
 歯周病や口腔内の疾患でも口臭の原因になります。
      ■         ■
 医科で関係が深いのが、耳鼻咽喉科。
 舌の病気や
 扁桃腺、
 中咽頭(チュウイントウ)という喉(ノド)の奥。
 ここにガンができることもあります。
 私は耳鼻咽喉科の先生と
 たくさんのガン患者さんの手術をしました。
 舌の奥に、
 見慣れないできものができて…
 痛くないので放置していたら、
 ガンだった…という方もたくさん診察しました。
      ■         ■
 唾液分泌が少なくなる病気もあります。
 シェーグレン症候群といいます。
 こうの内科の河野通史先生がご専門です。
 [札幌市中央区大通西24丁目1-10円山公園メディカルビル3F]
 [電話:011-631-1181]
 [元市立札幌病院リウマチ血液内科部長]
 唾液分泌が少なくなると…
 口腔内がカラカラになり、
 細菌が繁殖して臭います。
 交感神経の過緊張でも、
 唾液分泌が少なくなります。
 緊張していると臭いがする人は、これが原因と考えられます。
      ■         ■
 顔にガンができて
 放射線治療を受けると、唾液が出なくなります。
 とても辛い症状です。
 小さなペットボトルに水を入れて携帯し、
 常に、口を潤(ウルオ)していると症状がよくなります。
 ポカリスエットの200mlボトルがおすすめです。
 中味は水がよいと思います。
 口臭で悩んでいる方は、
 かかりつけの歯科、耳鼻咽喉科などでご相談なさってください。

pocali_200ml
ポカリスエット200mlボトル
小さいので携帯に便利です
大塚製薬HPより引用

投稿者 sapporobiyou : 23:52 | コメント (1)

2008年02月25日

HIV検査

 平成20年2月24日朝日新聞日曜版beからの引用です。
 HIV
 増える検査法、不安なら相談を
 昨年、国内のH工V(エイズウイルス)の感染者とエイズ患者が
 計1,448人と過去最高を記録した。
 1千人を超えたのは4年連続だ。
 感染者だけでも初めて1千人を突破し、
 献血で感染がわかった人も初めて3けたになった。
      ■         ■
 厚生労働省のエイズ動向委員会委員長の
 岩本愛吉東大医科学研究所教授は
 「新たな感染者は20~40代に広がり、
 なかでも40代は大幅に増えた。
 社会全体に拡大しないか監視が必要だ」
 と警告する。
      ■         ■
 保健所などで無料検査を受ける人は2007年に15万4千人と、
 5年前の2.5倍。
 土日や夜間に検査してもらえるようになったほか、
 採血から30分以内に結果が出る
 即日検査が受けられる保健所が増えたためだ。
      ■         ■
 2003年には全国で一ヵ所だった即日検査が、
 昨年は保健所全体のほぼ半数にあたる約220ヵ所が導入した。
 ほかにも、米国で認可された自己診断キットをネットで購入し、
 感染しているかどうかを自分で調べる人も増えている。
 ただ、厚労省研究班の調べでは、
 こうしたキットの約半数に、
 偽造品や有効期限切れなど何らかの問題があったという。
 注意が必要だ。
      ■         ■
 一方、どのような検査でも、
 本当は陰性なのに「陽性」という結果が出ることがある。
 偽陽性といい、
 1週間後に結果が出る一般的な検査では受検者の0.3%、
 即日検査では1%前後が
 陰性なのに誤って「陽性」と出てしまう。
 確定には、確認検査が必要になる。
      ■         ■
 妊婦の9割以上が受けているHIV検査でも、
 年間に数千人が最初の検査で「陽性」と出ている。
 このうち、本当に陽性なのは1割以下だ。
 偽陽性と判定された妊婦の不安は大きく、
 赤ちゃんに悪影響がないか気になる。
 厚労省も昨年、妊婦検診で、
 HIV検査への十分な説明と相談を行うよう都道府県などに通知した。
      ■         ■
 エイズは、早期に発見して適切な治療をすれば発症を抑えることができる。
 厚労省研究班班長で神奈川県衛生研究所の今井光信所長は
 「検査法の選択肢が広がり、
 自分にあった検査も選べる時代になった。
 少しでも不安があれば、積極的に検査をして」
 と呼びかけている。(石田勲)
      ■         ■
 HIV検査は、
 感染の危険がある行為の直後だと正しい結果が出ないことがある。
 感染していることを示す目印となる抗体が体内で十分にできるまで、
 1~3ヵ月ほどかかるからだ。
 この期間に検査しても、
 感染しているのに「陰性」となる可能性がある
 不安な行為があれば、3ヵ月以上たってから検査を受ける必要がある。
 どこで、どんな検査が受けられるのか、厚労省研究班のサイト(www.hivkensa.com)が便利だ。
 有料で夜間、即日検査ができる民間クリニックも多数、紹介されている。

hiv.jpg
 (以上、朝日新聞より引用)

      ■         ■
 札幌美容形成外科では、
 二重埋没法やレーザー脱毛など以外の
 メスを使う手術では、全員にHIV検査をお願いしています。
 これは、私が勤務した、
 市立札幌病院、
 帯広厚生病院、
 札幌医大病院のすべてがエイズ拠点病院であり、
 そこで、院内感染対策委員を経験したからです。
      ■         ■
 私が今までに実施した、
 おそらく一万人近くの方は全員陰性でした。
 偽陽性もありませんでした。
 札幌美容形成外科では、
 BMLという一流の検査会社に検査をお願いしています。
      ■         ■
 HIV感染は急速に拡大しています。
 HIV感染リスクの高いことをしない。
 HIV感染リスクの高い人と仲良しにならない。
 もし、HIVに感染すると、
 自分自身だけではなく、自分の家族にも迷惑がかかります。
 僕が(私が)HIVになったのは、お母さんのせいだ!
 なんて子供に言われないように、
 くれぐれも、お気をつけ下さい。

投稿者 sapporobiyou : 23:59 | コメント (2)

2008年02月24日

国公立大学前期試験

 低気圧による悪天候のため、
 2月25日に予定されていた、国公立大学の前期試験が変更になりました。
 北大が25日の試験を26日に延期。
 札幌医大医学部は、開始時刻を午後1時からに変更しました。
      ■         ■
 一年間、準備してきた受験生の皆さんには、
 とんだ災難だったと思います。
 災い転じて福となすという言葉があります。
 午前中からの試験が午後からになった、
 札幌医大の受験生の方、
 まる一日延びた、北大の受験生の方は、
 もう一度、参考書を見なおす時間ができたと思ってください。
      ■         ■
 私が受験した、30年以上前は、
 3月3日のひな祭りの頃が、入学試験でした。
 2月・3月は悪天候で、交通機関が乱れます。
 私は大学受験(一浪したので2年間)では、
 天候が乱れた記憶がありませんが、
 函館ラサール高校を受験した時(昭和45年)には、
 悪天候だった記憶があります。
      ■         ■
 私の人生ではじめての受験は、札幌の北海道新聞社でありました。
 受験番号は1129番。
 合格電報が、合格の第一報でした。
 『ハエアルゴウカクヲシュクシ、マスマスベンガクヲイノル、ラサール』全文カタカナです。
 『栄えある合格を祝し、ますます勉学を祈る、ラサール』でした。
 当時は、大夕張という、夕張市のさらに山奥に住んでいました。
 札幌までは、路線バスで約2時間15分程度でした。
 前日に夕張を出て、札幌近郊に住んでいた、
 叔父の家に泊めてもらいました。
      ■         ■
 札幌へは、何回か模擬試験を受けに来ていました。
 それでも、試験当日は緊張したものでした。
 思えば、それから何回も試験を受けました。
 何回受けてもイヤなのが試験です。
      ■         ■
 一浪で受験した、札幌医大の試験日は緊張しました。
 現役で受けた受験生が制服で、
 浪人生は私服だったので、容易に区別できた時代でした。
 今は、制服がない高校が増えたので、
 こんなこともないと思います。
      ■         ■
 一年間、頑張ったのだから大丈夫と、
 自分に言い聞かせていました。
 それでも、数学の問題でとんでもない勘違いをしていて、
 最後に見直して、気づきました。
 もし、その問題を訂正していなければ、
 私は不合格でした。
 最後の最後まで油断しないでください。
      ■         ■
 受験技術が医療に役立つことはありません。
 数学も役に立ちません。
 ただ、何度も確認して慎重に対処するという‘技術’は、
 必ず、医療現場で役立ちます。
 医療はちょっとしたミスで重大事故になります。
 受験もちょっとしたミスで、一年間の努力が水の泡になります。
      ■         ■
 私が受験した時は、桑園予備校でした。
 その後は、札幌予備学院。
 昨年までは、河合塾札幌校。
 今年の受験会場は、
 札幌駅近くの秀英予備校札幌校です。
 河合塾札幌校が移転のためでしょうか?
 時代が変わって、受験会場が変わっても
 受験生の気持ちは一緒です。
 最後まで、気を引き締めて、
 ミスがないように頑張ってください。
 皆さんを応援しています♪

投稿者 sapporobiyou : 23:59 | コメント (1)

2008年02月23日

ボトックスで小顔になる

 平成19年12月17日の日記に、
 廃用性萎縮(ハイヨウセイイシュク)というテーマで書いています。
 小顔になるために、
 咬筋(コウキン)という筋肉にボトックスを注射して痩せさせる治療です。
 美容外科では、エラボトックスと呼んでいます。
      ■         ■
 リファインというフリーペーパーの取材が昨夜ありました。
 リファインには、創刊号から記事を掲載していただいています。
 私は、このマンガがとても気に入っています♪
 難しい内容を、マンガでわかりやすく解説していただいています。
 短時間の取材で、わかりやすいマンガを描いてくださり、
 内容も面白いので、毎月楽しみにしてます。
 マンガに出てくる、私の手の形や姿勢が‘本物’そっくりだと、
 職員や家族にも好評です。
      ■         ■
 昨日の取材では、実際にモニター患者さんに注射をしました。
 実は、このモニターさんは3年前に、
 当院でカーボメッドのモニターをしていただいた方です。
 HPの切らない脂肪吸引(顔)に出ていらっしゃいます。
 カーボメッドの治療後に、
 ボトックスも注射して、小顔になっていらっしゃいました。
      ■         ■
 ボトックス注射後、
 約2年間は小顔が持続し調子がよかったそうです。
 昨年あたりから、また少しずつエラが気になるようになり、
 今回、2回目の治療となりました。
 私も3年ぶりでお会いしました。
 カーボメッドによる脂肪減量効果は持続していました。
 3年前にカーボメッドで治療する前は、
 ホッペをつまむとプクプクしていたましたが、
 昨夜の診察では、脂肪はついていませんでした。
      ■         ■
 咬筋は、以前ほどではありませんが、またついていました。
 ボトックスの効果が切れた後で、‘筋トレ’をしてしまったためです。
 咬筋が痩せている間は、筋力が弱まるため、
 硬いものが食べたくなくなります。
 大好きだったお肉を食べなくなったので、
 ダイエット効果もありました。
      ■         ■
 ボトックスを注射すると、数日で効果が出てきます。
 笑いすぎてアゴが疲れたのと同じように、
 アゴがだるくなります。
 噛む(カム)力が弱くなります。
 自分で柔らかいものを選んで食べるようになります。
 食欲も少し落ちます。
 食べたくなくなるそうです。
      ■         ■
 日常生活では、特に不便なことはありません。
 ただ、口を大きく横に開く『イー』っという表情ができにくくなります。
 一番、『イー』ができにくくなるのが、注射後3ヵ月頃です。
 ボトックスの効果が出て、筋肉が一番弱くなっている時期です。
 モデルさんなど、
 口を横に大きく開く必要がある職業の方は要注意です。
 それ以外の方は、口も小さくなります。
 ガミースマイルといって、
 笑った時に歯茎(ハグキ)が見えてしまう方には、効果的です。
      ■         ■
 ボトックスの原理は、筋肉を収縮させる信号が
 神経終末(神経と筋肉のつなぎ目)から出なくなることです。
 そのため、咬筋が‘筋トレ’をできなくなるため、痩せるのです。
 米国で、ボトックスによる死者が出たという報道がありました。
 平成20年1月27日の日記に書いてあります。
 この件に関しては、塩谷信幸先生のブログにも記載されています。
 ボトックスは、正しい使い方さえ守れば、安全で有用な薬剤です。
 私は家内にも使っていますし(シワ治療)、
 自信をもっておすすめできる治療です。

投稿者 sapporobiyou : 23:59 | コメント (0)

2008年02月22日

多汗症手術の難しさ

 平成20年2月20日の日記に、耳あかの遺伝学を書きました。
 ワキガや多汗症については、何度も日記で取り上げています。
 PCの方も携帯の方も、
 この札幌美容形成外科HP院長日記にある検索画面、
 PCは右側のカレンダーの下、
 携帯は、一番上のメニューを押すと、検索画面が出ます。
      ■         ■
 ‘多汗症’を入力して検索をクリックすると、
 タイトルや本文に‘多汗症’が入った日記が、順番に出てきます。
 すでに、多汗症というタイトルで、2回書いています。
 耳あかと多汗症は関係ありません。
      ■         ■
 多汗症には、
 ①交感神経の過緊張による精神性発汗
 ②ワキガ体質による、アポクリン汗腺由来の多汗
 ③ワキガ体質+精神性発汗
 これら、①~③の3種類があります。
      ■         ■
 まず、発症時期が問題です。
 女性で、
 20歳台前半や30歳台になってから、
 職場が変わってから、
 発汗が気になるようになった。
 という方がいらっしゃいます。
 この方の場合は、
 耳あかが湿っている、湿っていないにかかわらず、
 ①の精神性発汗です。
      ■         ■
 何らかの原因で、交感神経が過緊張になってしまったのです。
 ちょっとしたことで、汗のスイッチがONになってしまいます。
 そうすると、
 自分の意思とまったく無関係に、汗でビチョビチョになります。
 ある時から、人前に出ると、急に動悸(ドウキ)がして、
 心臓がパクパクしてしまうようになるのと同じです。
      ■         ■
 自分に、
 『落ち着け、おちつけ』と呪文をかけても
 心臓の鼓動を止めることができません。
 それと同じで、ワキの汗も止めることができないのです。
 緊張性発汗で、汗が多くなったことにより
 ワキが常に湿った状態になることがあります。
 湿った状態で、蒸れると、
 細菌が繁殖して‘におい’が出ることがあります。
 冬にブーツを履いて、足が蒸れると、
 ‘足のにおい’が気になるのと同じです。
      ■         ■
 耳あかが湿っている、ワキガ体質の方でも、
 日常生活で‘におい’が気にならない方は、
 たくさんいらっしゃいます。
 そんな方が、ある時期から、精神性発汗が出るようになると、
 ワキガ臭+汗臭が混じった状態になることもあります。
 ワキガ手術を多くしていると、
 汗臭とワキガ臭の区別がつくようになります。
      ■         ■
 私は、ワキと手掌(てのひら)の両方に多汗を認める時は、
 麻酔科の本間英司先生(禎心会病院麻酔科)にお願いして、
 交感神経の手術をするようにお話ししています。
 ワキだけの多汗症でしたら、
 第一選択としてボトックス注射をお薦めします。
 ボトックスの効果は、最長6ヵ月ですが、
 注射で汗が少なくなることによる精神的な効果のために、
 2年間も大丈夫だったという方もいらっしゃいます。
      ■         ■
 ワキの多汗で、ワキガ臭がある方は、
 ワキガ手術をおすすめします。
 ただ、汗は手術後3~6ヵ月で必ず出るようになります。
 その汗の量は、出たとしても、元の半分以下で、
 手術した部位は、しっとりと湿る程度です。
 と必ず説明しています。
 これは、汗腺が‘再発’するのではありません。
 神経が‘再生’して、エクリン汗腺からの発汗がはじまるからです。
      ■         ■
 来院時に汗も臭いも認められない方が一番困ります。
 問診や視診で見当をつけたり、
 着ている服や下着の色で判断します。
 白い服や下着で、
 ワキの色が変わっていない方は、
 まず、手術が必要になることはありません。
 ワキガや多汗症の手術は簡単ではありません。
 決して安易に手術を受けないでください。

投稿者 sapporobiyou : 23:31 | コメント (1)

2008年02月21日

若かりし頃

 私は今年54歳になります。
 日記で、たまに昔の写真を出すと、
 職員から、昔の面影がない…
 と言われます。
      ■         ■
 もう少し、追加すると、
 奥さんは、わかるけれど、
 ‘先生は、面影がない…’と指摘されます。
 奥さんは、私がいろいろ、お直ししています。
 自分は自分でなおせないので、
 どこもお直ししていません。
      ■         ■
 確かに、若い頃とはちがうなぁ~と自分でも思います。
 私と同年代の方がクリニックへいらっしゃると、
 お直ししたいという気持ちがよくわかります。
 頭髪の悩みで書きましたが、
 男も外見は気にします。
      ■         ■
 ここ数年で、白髪が増えました。
 個人経営のクリニックですから、いろいろな悩みがあります。
 仕事をしている時は、楽しいのですが、
 手術や診療以外で苦労するのが開業医です。
 私の先輩を見ても、
 偉くなればなるほど、苦労なさっていらっしゃいます。
      ■         ■
 私の息子が、ちょうど22歳です。
 毎日、楽しそうです。
 22歳の頃は、ビンボー学生でしたが、
 私も毎日が楽しかったです。
 下の写真を引っ張り出してきて、
 昔のことを思い出しました。
      ■         ■
 私は、昔も今も体重が変わりません。
 ウエストのサイズも同じです。
 変わったのは、
 皮膚のたるみ、
 弾力性、
 高齢化に伴う変化は確実に出ています。
      ■         ■
 美容外科医仲間の先生には、
 自分自ら手術を受けている人もたくさんいます。
 今年は、私自身も時間を作って、
 お直しをしなければいけないかもしれません。
      ■         ■
 外見を改善して、少しでも元気が出ればよいと思います。
 なんとか、休みを作ってみようかと思います。

1975.jpg
 22歳頃の私です(写真左)
 写真中央は同級生の三浦哲嗣先生
 右は佐藤鉄則先生です
 洞爺湖近くの壮瞥町へ
 実習に行った時に撮りました

投稿者 sapporobiyou : 23:27 | コメント (2)

2008年02月20日

耳あかの遺伝学

 平成20年2月19日(火)、北海道新聞夕刊の記事です。
 耳あかの遺伝学
 病気や薬の利き方にも差
 北海道医療大
 個体差健康科学研究所長
 新川詔夫(ニイカワ ノリオ)さん
      ■         ■
 耳あかのタイプの違いから、
 薬の利き方や遠い過去の民族同士のつながりまで推測できるのだという。
 「人類遺伝学」の第一線で研究を続けてきた
 北海道医療大学の新川詔夫特任教授に、
 耳あかと遺伝子の不思議な関係を語ってもらった。(古家昌伸)
      ■         ■
 「あなたの耳あかは湿っていますか。乾いていますか」。
 こんな問いを何度となく繰り返してきた。
 日常生活ではとるに足らない耳あかが、
 遺伝学では有用な情報をもたらしてくれる。
      ■         ■
 耳あかに湿型と乾型の2タイプあり、
 それが遺伝することは知られていた。
 タイプの違いがどの遺伝子によって生じるかを、
 長崎大在職当時の2006年、同僚の研究者とともに明らかにした。
      ■         ■
 タイプを決める遺伝子を調べ始めた契機は、
 ある遺伝性疾患に関する研究で
 「この症状の人は耳あかがベトベトしている」
 という患者の家族の言葉を伝え聞いたこと。
 「耳あかのタイプ決定遺伝子が疾患と連鎖している(密接な関係がある)と直感した」。
 協力を得て家系図を調べると、やはり予想通りだった。
      ■         ■
 異なる情報を特つ遺伝子が染色体上で近接していると、
 一緒に子孫に伝わることが多い。
 この特徴をヒントに、耳あかのタイプは、
 23本あるヒト染色体のうち16番目の染色体上に存在する
 「ABCC11」と呼ばれる遺伝子が決めていることを突き止めた。
      ■         ■
 「人類の祖先の耳あかは湿型で、遺伝的には湿型が優性。
 ところがこの遺伝子の538番目の塩基(グアニン、G)が
 他の種類(アデニン、A)に偶然変わったことで、
 乾型の耳あかを持つ人が生まれてきた」。
 両親から受け継いだ遺伝子がGとG、
 またはGとAだと耳あかは湿型に、
 AとAだと乾型になる。
      ■         ■
 耳あかは汗と同様にアポクリン腺が作り出すので、
 そのタイプは汗や体臭にも影響する。
 また、分子レベルで見ればABCC11遺伝子自体は
 細胞に入った物質を外に排出する機能を持っており
 薬の利き方や副作用の個人差を生む。
 この点に注目するのが個体差健康科学という学問だ。
      ■         ■
 多くの民族を調べた結果、
 こうした異なる遺伝子タイプの構成比が
 民族や集団で異なることも分かった。
 アフリカや欧州はほぽ100%湿型(一般型、祖先型遺伝子)だが、
 日本をはじめ東北アジアの集団は8割以上が乾型(東アジア型遺伝子)だ。
      ■         ■
 この割合を世界地図に示すと、
 「バイカル湖あたりで遺伝子タイプが変わったらしい」
 ことまで推測できる。
 並行して、
 理科系教育に力を入れる
 文科省のスーパー・サイエンス・ハイスクール指定高校の協力を全国的に得て、
 国内の耳あかタイプ地図作りも進めてきた。
      ■         ■
 「日本でも地域によりタイプの比率が異なり、
 民族や集団の動きとの関係をうかがわせる。
 将来、高校生が作った耳あかタイプの地図が、
 日本史の教科書に裁ったら面白い」と話す。
      ■         ■
 新川詔夫(にいかわ・のりお)
 1942年、小樽生まれ。
 北大医学部卒。
 北大病院小児科に勤務後、
 スイス・ジュネーブ州立大を経て北大医学部助手。
 先天異常症を中心に研究し、
 1984年から長崎大医学部教授。
 2007年6月に定年退職し、現職。
 日本人類遺伝学会前理事長。
      ■         ■

niikawa.jpg
 湿型といってもぬれているわけではなく、
 松脂やハチミツ状のもの。
 意外に誤解も多い
 と話す新川教授
map-earwax.jpg
 耳あかタイプの世界地図。
 各地の円グーフフは黒が湿型、
 白が乾型の比率を表す
 (以上、北海道新聞より引用)

      ■         ■

 新川教授は、北大43期(昭和42年卒)。
 私が北大形成外科で研修医をしていた頃は、
 北大小児科にいらっしゃいました。
 形成外科では、
 生まれつきの病気をもった子供さんがたくさん手術を受けます。
      ■         ■
 お母さんの不安や心配は、
 『この子に、異常があったのは、私のせい?』
 『どうして?、どうして?』
 『神様は、こんなむごいことをしたの?』
 『かわいい、赤ちゃんに…』
 『どうして?』
 『私の赤ちゃんだけ、手術を受けなければならないの?』
      ■         ■
 このように、赤ちゃんの手術をする前に、
 パニックになってしまった、
 お母さんを‘治療’してあげる必要があります。
 その時にお世話になったのが、新川先生でした。
 遺伝学的にみて、
 この子の異常はお母さんのせいでも
 お父さんのせいでもありません。
      ■         ■
 もし、次の子を授かったとします。
 その時に、
 同じ症状が発現する可能性は○○%です。
 などという、遺伝相談も新川先生にお願いしていました。
 穏やかで優しい先生です。
 遺伝性の病気で悩んでいる方は、
 新川先生にご相談なさることをおすすめします。
      ■         ■
 耳垢は、ワキガと関係があります。
 耳垢が湿っている方すべてが、
 ワキガ臭がするのではありません。
 アポクリン腺が分泌する物質を細菌が分解して
 臭い、ワキガ臭となります。
      ■         ■
 ワキガの方を診察すると、ほぼ100%耳垢が湿っています。
 湿っている程度も人それぞれです。
 ワキガ臭の程度も個人差があります。
 アジア圏では、乾いた人が多いので、気になるのです。
 ヨーロッパでは、湿った耳垢が‘標準’です。
 欧米の教科書には、ワキガという言葉が見当たりません。
 耳垢が湿っていて、臭いが気になる方は、
 診察にいらしてください。
 保険適応で手術が可能です。

投稿者 sapporobiyou : 23:53 | コメント (0)

2008年02月19日

薬の名前と医療事故

 昨日はJAL機の事故について記載しました。
 間違いやすい表現を使わないのが、
 事故防止の第一歩です。
 医療事故で多いものに、薬の取り違えがあります。
 薬の名前を間違えて投与してしまう。
 薬の名前を間違えて処方してしまう。
 などです。
      ■         ■
 医学部でも看護学部でも、薬についての講義があります。
 薬学部も、もちろんあります。
 ところが、大学や看護学校で教える名前は、
 病院や診療所で、実際に使う薬の名前ではありません。
 薬屋さんで売っている薬の名前も教えません。
 国家試験も同じです。
      ■         ■
 一般に薬屋さんで売っている薬。
 病院で使う薬。
 これらの名前は、すべて‘商品名’です。
 同じ中味の薬でも、
 売っている会社によって違います。
      ■         ■
 ガスターという胃潰瘍の薬があります。
 TVで宣伝していたので、有名になりました。
 大学で教えるのはガスターという名前ではありません。
 ファモチジンという、一般名を教えます。
 ガスターは、現在のアステラス製薬㈱、
 昔の山之内製薬㈱がつけた‘商品名’です。
 現在は、後発医薬品を含めて、
 たくさんのファモチジン製剤が市販されています。
      ■         ■
 ・ガモファー
 ・ガスイサン
 ・ガスセプト
 ・ガスドック
 ・ガスポート
 ・ケミガスチン
 ・ストマルコン
 ・ファモチジン
 ・プロゴーギュ
 これらのすべてが同じ中味の『ガスター』です。
      ■         ■
 中味が同じなのに、
 会社によって価格(薬価)が2倍以上違います。
 もちろん、一番高いのが、本家本元のガスターです。
 私たち医師は、自分が使う薬を覚えるだけです。
 薬剤師の先生は、すべては覚えられないにしても、
 医師の何倍も何百倍も、
 薬の名前を覚えなければなりません。
      ■         ■
 学校を卒業して免許証を手にした医師、薬剤師、看護師は、
 まず、これらの商品名を覚えることから始めます。
 医師は、ともかくとして、看護師は大変です。
 配属された病棟が、外科なら外科で一つの科だけなら、
 使う薬が限られるので、まだ覚える薬の名前も少なくて済みます。
 ところが、内科、耳鼻科、皮膚科、泌尿器科、放射線科など
 たくさんの科の患者さんが、一つの病棟にいることがあります。
 これを混合病棟といいます。
      ■         ■
 そうすると、そこの看護師さんは、
 すべての科の薬を覚える必要に迫られます。
 新卒で何もできないナースが、
 薬の名前や作用・副作用まで覚えるのは…
 まず、不可能といってもいいくらいです。
      ■         ■
 ナースだけではありません。
 医師も、最初は何も知りません。
 商品名を教えてくれるのは、
 先輩や教科書のこともありますが…
 先輩の医師は忙しいので、親切には教えてくれません。
 親切に薬の名前を教えてくれるのは、
 医薬品情報担当者と呼ばれる、
 製薬メーカーの営業担当者です。
      ■         ■
 営業担当は、
 先生に自社製品の名前を覚えてもらうのが仕事です。
 当然、親切丁寧に教えてくださいます。
 私も製薬メーカーの方には、
 数え切れないほどお世話になりました。
 薬剤師の資格を持った方もたくさんいらっしゃいます。
 自社製品以外のことも、たくさん教えていただきました。
      ■         ■
 薬の名前には、似たような名前がたくさんあります。
 サクシン(筋弛緩薬)とサクシゾン(ステロイド製剤)
 アマリール(糖尿病用薬)とアルマール(不整脈用剤)
 など、
 間違うと、とんでもないことになるのに
 似たような名前が、厚労省で認可されています。
      ■         ■
 人間はミスを犯すものです。
 医学部、薬学部、看護学部で
 実際に使う薬品名も教える。
 似たような名前で、
 間違いやすい名前の薬は認可しない。
 など…
 医療事故が起こらないように、
 対策を考えることが、国の仕事だと思います。
 残念なことに、このような対策は取られていません。

投稿者 sapporobiyou : 21:02 | コメント (1)

2008年02月18日

JAL機事故

 新千歳空港で、平成20年2月16日午前10時33分頃に、
 日本航空502便、定刻9:05発(ボーイング747、乗客・乗員446人)が
 管制官の許可なく滑走を始め、
 停止を命じられるトラブルがありました。
 滑走路上には関西国際空港から到着した
 日本航空2503便(MD90、乗客・乗員126人)がいたため、
 緊急停止しなければ、衝突の危険性があったという問題です。
      ■         ■
 事故当時は、風雪のため、視界が500m程度。
 滑走路は一本が閉鎖して除雪中。
 航空機の離発着も大幅に遅れていました。
 事故の原因は、
 日本航空の機長(58)、副操縦士(27)、副操縦士(32)が
 管制官の英語の指示を聞き間違えたと報道されています。
      ■         ■
 新聞各社は、日本航空が経営再建中であり、
 高騰している、燃料の節約のために、離陸を急いだ。
 機体に散布した防氷液の効果時間に気を取られて聞き間違えた。
 経営優先の企業体質が問題だ。
 と日本航空を非難した報道が目につきます。
      ■         ■
 その中で朝日新聞が、
 管制官が使った英語の、
 ‘Expect immediately takeoff.’(直ちに離陸するよう備えよ)
 を取り上げています。
 国交省監修のマニュアルにはない表現だが、
 混雑時などに国際的に使われているとのことです。
      ■         ■
 JALの機長さんは58歳です。
 おそらくベテランの機長さんだと思います。
 今までの、経験の中で、
 新千歳の管制官が使ったことがない表現だったのではないでしょうか?
      ■         ■
 大雪でダイヤが乱れた時は、
 乗客を一刻も早く目的地にお連れしたいというのが、
 機長さんのお気持ちだと思います。
 もし、最初の‘Expect’を聞き逃したら…
 ‘Immediately takeoff.’が管制官の指示になります。
      ■         ■
 航空無線の音質はわかりません。
 ただ、たまに機内で聞かせていただく、
 『操縦室からご案内いたします。』
 『当機はあと○○分で新千歳空港へ着陸予定です。』
 なんてアナウンスも、あまりいい音質ではありません。
 エンジン音でかなり聞きづらいこともあります。
      ■         ■
 そもそも、日本人の管制官が日本人の機長に指示を出すのに
 英語を使う必要があるのでしょうか?
 規定では、英語または母国語となっているそうです。
 英語で指示を出して、日本語で復唱すれば事故は防げるのでは?
 ある新聞によると、
 日本の空で交わされている英語は、
 Nativeの人が聞くに堪えないヒドイ英語だそうです。
      ■         ■
 医療事故も指示の聞き違えで起こることがあります。
 紛らわしい指示は出さない。
 間違いやすい指示は出さない。
 重要なことは復唱する。
 大切な薬や血液は複数で確認する。
      ■         ■
 航空業界は、安全に関する研究や実践が、
 一番発達していて、充実している業界のはずです。
 日本航空一社の問題とせずに、
 制度そのものを、国土交通省が考えるよい機会だと思います。
 私はいつもANAを利用していますが、
 JALさんにも頑張っていただきたいと思います。

投稿者 sapporobiyou : 23:35 | コメント (0)

2008年02月17日

研修医の病気

 医者と弁護士は安定した職業で、
 免許証や資格さえ手にすれば、何の不安もない?
 とお考えではありませんか?
      ■         ■
 これは大きな間違いで、医者も弁護士も開業すれば個人事業主。
 所得が高くて、楽で儲かるなんて… お考えなら、
 開業医も弁護士もおやめになるべきです。
 有給休暇もなければ、何の保障もありません。
 一年365日、休みなし。
 朝から深夜まで働いています。
 病気になって働けなくなれば、その日から収入は途絶えます。
      ■         ■
 弁護士さんについては、私は詳しくありません。
 高橋智先生のSammy'sダイアリーによると、
 イソ弁:居候弁護士。
 ノキ弁:軒先貸しの意味。事務所に所属しているが、内部では自立していて、給与ゼロで働く弁護士。
 (つまり、自分の分は自分で稼ぐということ)
 タク弁:弁護士事務所に就職できず、自宅で弁護士をはじめた弁護士。
 ソク弁:いきなり独立して弁護士になる弁護士。
 何れの弁護士さんも、給与ゼロで働く弁護士。
 有給休暇はおろか、病気になった時の保障も、
 健康保険も???どうなっているのでしょうか?
      ■         ■
 札幌市長の上田文雄さんが、ある時期に年金未加入だった?
 選挙の時に反対政党が言っていたような気がします。
 (間違っていたら、ごめんなさい)
 それだけ、弁護士も生活が大変な時期があり、
 決して、身分が安定しているのではないということです。
      ■         ■
 もし、イソ弁、ノキ弁、タク弁、ソク弁の弁護士さんが、
 病気になって働けなくなったとします。
 社会保険に加入していれば、
 傷病手当金という給付金がいただけます。
 ただ、そんな境遇でしたら、タク弁やソク弁にはなりませんね。
      ■         ■
 病気になったその日から、収入は途絶え、
 場合によっては高額の医療費を請求されます。
 これは研修医も同じです。
 私が北大病院の研修医だった頃は、非常勤職員でした。
 北海道大学からいただいた辞令には、
 『任期は一日とする』と書かれていました。
      ■         ■
 任期が一日ということは、
 翌年の3月30日まで、日々任期を更新し、
 3月31日には、北大病院の全研修医の任期が消滅。
 実際には働いていましたが、
 3月31日は、正規の文部教官の‘先生’以外は無給で働くということでした。
 しかも、私がいただいたお給料は、日給3,300円程度でした。
      ■         ■
 市立札幌病院に勤務してた時に、
 研修医の先生が病気になり入院しました。
 研修医の任期は、3月31日まででした。
 その先生は、まだ療養が必要な状態でしたが、
 任期切れで解雇でした。
      ■         ■
 身重の奥さんがいらっしゃいました。
 私は、当時の院長に直談判(ジカダンパン)して、
 何とか雇用を継続して欲しいと頼みました。
 日頃は、ニコニコして、
 「形成外科の先生には頑張ってもらっていて助かっています」
 なんて言っていた院長が助けてくれませんでした。
      ■         ■
 私も研修医も困り果てました。
 本当に、困りました。
 フリーターと同じ状況です。
 現在の臨床研修制度で、
 初期研修を受けている研修医でも同じことが言えると思います。
 社会保険がついているとは思いますが、何の保障もありません。
 医者も弁護士も不安定な職業です。
      ■         ■
 幸い、病気になった研修医は回復し、
 偉くなって活躍しています。
 私は何か困ったことがあると、その先生に相談します。
 自分が窮地に陥ったことがある人は、
 とても親身に相談にのってくれます。
 私はその先生を心から信頼してます。
 医者も弁護士も、困っている人を助ける職業です。
 自分が困ったことがあると、相手の気持ちがよくわかります。
 ただ、病気になるのだけは、
 間違いなく経験しないのがよいです

投稿者 sapporobiyou : 19:50 | コメント (1)

2008年02月16日

生活保護

 滝川市で、2億円もの通院費を支給していたことが問題となっています。
 どうして、寝台付きタクシーが必要だったのか?
 札幌まで通院する必要があったのか?
 主治医は、何故?どのような意見書を書いたのか?
 医療側から見ても、疑問や謎が多い問題です。
      ■         ■
 私が忘れられない患者さんがいらっしゃいます。
 市立札幌病院の時に手術を担当させていただいた、
 男性(60歳台)の患者さんでした。
 身体中に、神経性の腫瘍ができる病気でした。
 背中にできた、腫瘍の一個が悪性化しました。
 腫瘍は、新生児の頭部程度の大きさになっていました。
      ■         ■
 整形外科の先生から、ご紹介を受けた記憶があります。
 高齢のお母さん(80歳台)がいらっしゃいましたが、
 独身で一人暮らしでした。
 真面目に働いていた方でしたが、
 正職員ではなく、日雇い従業員でした。
 社会保険はなく、医療費は国民健康保険でした。
      ■         ■
 当時、社会保険本人は1割負担で済みましたが、
 国民健康保険の方は、3割負担でした。
 病気で入院した、その日から、お給料はゼロ。
 病院の入院費は、
 手術をしたり、検査をしたりしましたので、
 自己負担分が、一ヵ月に数十万円にもなりました。
      ■         ■
 腫瘍は手術で取り除きましたが、
 残念なことに、手術前に他臓器に転移が見つかっていました。
 手術部位はキレイに治りました。
 転移巣は、抗癌剤による化学療法を行いました。
      ■         ■
 手術よりも、化学療法が辛いようでした。
 吐き気が出て、食事も進みませんでした。
 それでも、じっと耐えて治療に専念していました。
 私から見ても、ガンの専門医から見ても、
 余命は長くて数ヵ月といったところでした。
      ■         ■
 その男性は、自分と高齢のお母さんのために、
 毎月少しずつ貯金をしていました。
 貯金の額は、数十万円でした。
 高額の治療費のため、貯金が底をついてきました。
 私と病棟婦長は、医療相談室に相談しました。
      ■         ■
 札幌市区役所の保護課に相談しました。
 市立病院からの相談だからといって、
 区役所で特別に取り扱ってくれることはありません。
 区の担当者は、事務的に仕事を処理する方でした。
 問題となったのが、預貯金でした。
      ■         ■
 区役所の保護課が言うには、
 その預貯金を解約してお金をもらい、
 一文無しにならないと生活保護の給付はできない。
 そのお金は、
 高齢のお母さんと自分のためにコツコツと貯めたお金でした。
      ■         ■
 結局、その方はお亡くなりになりました。
 生活保護は受給しませんでした。
 病院を死亡退院する時には、全財産がなくなっていました。
 私は、お花を持って、その方の葬儀に伺いました。
 質素な暮らしぶりがわかる、小さなアパートの一室でした。
 友人の方たちが、小さな祭壇を準備してくださり、
 高齢のお母さんが、
 とても悲しそうに、小さくちいさく見えました。
      ■         ■
 自分には何の責任がなくても、
 人はある日突然病気になることがあります。
 そのように、
 自分ではどうにもならないくらい困った時に、
 助け合うのが、医療保険や社会の役割だと思います。
 日本国憲法25条1項には、
 「すべて国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」
 とあります。
 健康で文化的な最低限度の生活を、
 国民に保障できない国はダメです。

投稿者 sapporobiyou : 23:59 | コメント (0)

2008年02月15日

米国の医療

 私は米国に住んだこともありませんし、留学した経験もありません。
 学会で知り合った先生や、米国で開業している先生から伺っただけです。
 その程度の知識でも、米国の医療制度が良いとは決して思いません。
 米国のようにだけは、なってほしくないと思います。
      ■         ■
 米国で一番偉そうにしているのが、保険会社です。
 医療の内容に、いちいち文句をつけて、お金を払いません。
 私が学会で親しくなった医師は、‘実験的手術’だからと、
 保険会社から治療費を支払ってもらえなかったとこぼしていました。
      ■         ■
 その先生が、保険会社から治療費を支払ってもらえなかった手術は、
 学会で最新の優れた手術と絶賛され、
 PRSという米国形成外科学会誌にも掲載されました。
 もう10年以上も前のことです。
      ■         ■
 米国大統領選挙の争点の一つが、医療保険問題です。
 平成20年1月30日の日記でご紹介した、
 マイケル・ムーア監督のSickoを私は観ていませんが、
 そこで問題となった、米国の状況がたくさんのブログで紹介されています。
 米国、医療問題、保険と入力して検索すると、たくさんのサイトが出てきます。
      ■         ■
 医療費の高騰。
 たくさんの無保険者。
 医療費が払えず自己破産。
 利益至上主義に走る、保険会社、製薬業界。
 こういった業界から、政治献金を受け取った議員による政策。
 どれをとっても良いことは一つもありません。
      ■         ■
 医療経営も大切です。
 医療からムダをなくす努力も必要です。
 限られた医療費で、効率的に医療を行うことも必要だと思います。
 ただ、自分が本当に困った時に、
 社会が何も手を差しのべられないような医療制度は困ります。
      ■         ■
 四半世紀以上も医師をしていると、さまざまな方にめぐり合いました。
 自分は健康で、病気なんかしないと思っている人でも
 ある日突然、病気になってしまうことがあります。
 医療保険というのは、
 相互扶助(お互いに助け合う)という精神の下に成り立っています。
 一部の人だけが恩恵を受ける、
 一部の保険会社だけが、巨額の利益を上げるような制度は要りません。

投稿者 sapporobiyou : 23:30 | コメント (0)

2008年02月14日

米国医療訴訟

 弁護士の高橋智先生の日記、Sammy通信、2008年2月7日に米国の医療訴訟について書かれていました。
 気になったので、原文の読売新聞の記事を検索してみました。
      ■         ■
 2006年6月9日、読売新聞の記事です、YOMIURI ONLINEから引用しました。
 賠償額200億円の弊害
 最近ニューヨークの裁判所で衝撃的な判決が下されました。
 赤ちゃんが脳性まひで生まれたのは
 産科医が帝王切開をせずに自然分娩を強行した医療ミスのためとして、
 200億円の賠償金を支払えという評決です。
      ■         ■
 米国では、一般から選ばれた陪審員が賠償額も含めた評決を出すので、
 原告側の弁護士は、脳性まひの幼児を出廷させ、
 陪審員の気持ちをゆさぶりました。
 その結果、このような巨額賠償となりました。
      ■         ■
 米国は世界に冠たる訴訟大国で、弁護士は日本の50倍もいます。
 医師は、そのための備えが大変です。
 血管外科医である私は、毎年約700万円の損害賠償の保険費用を負担しています。
 これが日本では、わずか6万円ですみます。
      ■         ■
 米国の総医療費は、日本の7倍の200兆円にのぼります。
 考えてみれば、医師の損害保険料や、常軌を逸した200億円の賠償金なども、
 医療費から捻出(ねんしゅつ)されるわけですから、米国の医療費が高くなるはずです。
      ■         ■
 訴訟社会の弊害はそれだけではありません。
 米国の医師の多くは常に、
 「裁判になったら」と言うことを念頭に置きながら診療をしています。
 そのため、不要な帝王切開が横行しているのもひとつの例です。
      ■         ■
 ニューヨーク市での帝王切開率は1970年代には全出産の5%でしたが、
 2000年代には30%を超えました。
 働く女性が多く、帝王切開だと予定が組める、
 痛くないといったことも理由に挙げられますが、
 訴訟の影響もあります。
      ■         ■
 過去20年間に度々、自然分娩での脳性まひが訴訟になってきました。
 帝王切開がこんなに増えても、ニューヨーク市での脳性まひの発症率がこの30年間全く変わっていませんから、
 出産形態と脳性まひには因果関係はありません。
 しかし、医師としては、訴えられる危険はできるだけ避けたいと考えます。
      ■         ■
 訴訟は、紛争の解決方法として、もちろん有意義なものですが、
 医療訴訟をめぐる米国の現状は行き過ぎです。
 米国には、患者や家族が医療内容に疑問を持った時、専門家が調査をし、
 問題があれば、行政処分を下す仕組みがあります。
 ですから、民事訴訟は文字通り損害賠償を求めるために行います。
 日本でも医療訴訟が増えてきましたが、単に損害賠償を求めるというのではなく、
 「何があったか明らかにするため」に訴訟に臨むケースが多いと言われています。
 日本にも米国のようにきちんと行政処分を下す仕組みがあれば、
 事情は変わってくるのかもしれません。
      ■         ■
 また、医療被害者がきちっと救済されるためにも、
 医療者の過失の有無にかかわらず被害者が救済される無過失保障制度の確立や
 医療過誤を専門とする裁判官の育成が急務です。
 そうした日本なりの医療事故や医事紛争解決の手段を整え、
 医療訴訟については、アメリカを反面教師としたいところです。
      ■         ■
 プロフィール
 大木隆生 おおき・たかお
 アルバートアインシュタイン医大血管外科教授。
 1987年、慈恵医大卒。
 モンテフィオレ医療センター血管外科・血管内治療科部長、
 東京慈恵会医科大学外科学講座 統括責任者・教授。
 (以上、読売新聞HPより引用)
      ■         ■
 私が、札幌医大の学生だった30年前から、米国の医療訴訟と保険料の高さが問題になっていました。
 札幌医大では、医学英語という授業科目がありました。
 英語担当だった、清水正教授が、米国Newsweek誌から、興味ある記事を引用してくださり、
 それをタイプしたプリントが教材でした。
 清水教授は、英語の発音がキレイで、とても真面目な先生でした。
 今にして思えば、大変な苦労をなさって、教材を作っていただいたと、
 清水先生に深く感謝する次第です。
      ■         ■
 その医学英語のテキストで問題となっていたのが、医療過誤保険の高額なことと、
 訴訟が多いので、産科医を目指す医学生がいないという社会問題でした。
 30年も前から、米国で問題になっていたことが、日本でも現実に問題になっています。
      ■         ■
 弁護士の高橋智先生が日記で書かれていたことも、確かに理解できます。
 ただ、日本で、医療訴訟が多くなり、
 賠償額が高額になれば、医療過誤保険を引き受ける会社がなくなります。
 自動車賠償責任保険のような制度を設ければ別ですが、
 医師個人や医師会に任せられている現在の制度では無理です。
      ■         ■
 ちょっとでもリスクがある‘医療’は誰も引き受けなくなります。
 リスクが高い診療科目を選択する医学生や若手医師はいなくなります。
 しなくてもよい、帝王切開が増えます。
 医療費も間違いなく高騰します。
      ■         ■
 医療は車の運転と同じで、条件が悪い道路を走ると
 必ず事故に遭う危険性が伴います。
 悪路で、視界が悪い山道でも、必要に迫られて走る必要はあります。
 どんなに慎重に運転しても、
 がけ崩れや橋の崩落にあってはたまりません。
 そういう‘医療’もあります。
      ■         ■
 少子高齢化社会になって、医療費はますます増えるばかりです。
 将来の医療を担う若い先生が、
 自信をもって医療ができるシステム作りが急務です。
 弁護士さんが増えて、医療訴訟が多くなる可能性は理解できます。
 ただ、医療には避けられない危険性が潜んでいることを理解していただき
 訴訟を避けるために、不必要な帝王切開が増えるような事態だけは避けてほしいものです。

投稿者 sapporobiyou : 23:16 | コメント (0)

2008年02月13日

産院

 全国医師協同組合の機関紙、JMC News107号に掲載されていました。
 “お産難民50万人”。
 まるで「受験戦争」と
 生理が一週間遅れたら。
 第1、
 第2、
 第3、
 と調べて、
 産院の席取り競争している妊婦さんも…
 情報の乏しい初産婦は『負け組』に…
      ■         ■
 生理が一週間遅れた程度で、受診して予約しないと、
 人気が高い産院は、予約で埋まってしまうということでしょうか?
 札幌市内では、まだお産ができる産院がたくさんあります。
 ここまで、席取り競争をしなくてもよさそうですが、
 よい産院を選ぶのは、美容外科以上に難しそうです。
      ■         ■
 家内は、昭和58年に私が勤務していた、函館中央病院で上の子を産み。
 昭和60年に天使病院で下の子を産みました。
 函館中央病院は、道南の総合病院で、NICUもある立派な病院です。
 はじめての子を取り上げてくださったのは、当時の産婦人科医長だった、松浦敏章先生です。
 現在は、函館マタニティクリニックを開業なさっていらっしゃいます。
 穏やかで、優しい先生です。
      ■         ■
 私は、同じ病院だったので、お産の時に呼んでいただき、分娩室で生まれるところを見ていました。
 カメラを持って行き、生まれた瞬間からシャッターを切っていました。
 助産婦さんから、「さすが形成の先生!」と言われてしまいました。
 私は、内臓のことはわかりませんので、
 まず、体表面に異常がないことを確かめました。
 顔面に異常はない。
 指は5本ある、などなど…
 五体満足で生まれて安心しました。
      ■         ■
 下の子は、私が北大形成外科でチーフレジデントをしていた時に生まれました。
 子どもには、申し訳なかったのですが、出産には立ち会えませんでした。
 それどころか、北大病院で患者様がお亡くなりになり、
 病理解剖をさせていただいていた時に生まれたのが長男です。
 電話で、長男が生まれたことは聞いていました。
      ■         ■
 私が、天使病院へ行けたのは、消灯時間がとっくに過ぎてからでした。
 準夜勤務の看護婦さんに、
 今日、生まれた子供の父ですと言って、詰所を訪ねました。
 もう、夜も遅かったので、
 当然、子どもには会えないだろうと思っていました。
 不憫(フビン)に思ってくれたのでしょう、
 優しい看護婦さんが、
 新生児室のベビーコットで眠っていた長男を、
 ガラスのところまで連れてきてくれました。
      ■         ■
 すやすやと眠っていた、長男を一目見て、
 安心して、私は自宅へ帰りました。
 自宅では、家内の母親が、関西から来てくれていて
 上の子の面倒をみてくれていました。
      ■         ■
 私が、自分の子供を産んでもらうのに選んだのは、2人とも総合病院でした。
 一人目は、自分が勤務していた病院だったので、当然といえば当然。
 二人目は、札幌市内でも評判が高かった、天使病院を選びました。
 天使病院には、歴史があり、産婦人科も、小児科も、麻酔科もありました。
      ■         ■
 北大病院や、当時私が住んでいた、北区新琴似からも
 比較的近いという、交通の便もありました。
 もう自分の子供が生まれることはありませんが、
 孫が生まれるとしたら、どこを選ぶでしょうか?
      ■         ■
 20年前と現在では、医療体制も変わりました。
 自分が開業医になって、開業医ならではのよさもわかりました。
 家内は、天使病院に検診でかかった時など、
 待ち時間が長くて大変だったと言っていました。
      ■         ■
 帯広厚生病院や札幌医大病院に私が勤務していた時は、
 私の外来は、2時間待ちは、ザラにありました。
 それでも、私が外来を終わって、昼食を食べるのは
 早い日で、14:00。
 遅い日は、16:00にもなっていました。
 家内には、
 いい病院だから、人気があって、待ち時間も長いのさ。
 仕方がないよ。と言っていました。
      ■         ■
 総合病院の産婦人科は確かに安心といえば安心です。
 何かあっても、小児科、麻酔科の先生がついています。
 その代わり、待ち時間が長い、予約が取りにくいなどの‘デメリット’もあります。
 マタニティクリニックの中には、フルコースのディナーがついた産院もあります。
 札幌で一番早くに、このフルコースディナーを始めたのが、
 札幌マタニティ・ウイメンズホスピタルです。
      ■         ■
 そちらのHPによると、さまざまな妊婦さん向けのサービスがあります。
 総合病院では、絶対にできそうもないサービスもあります。
 自分が開業して思うことは、総合病院が必ずしもベストではない?ということです。
 ワキガの手術ではありませんが、
 私が現在行っているような‘医療’は、総合病院では絶対にできません。
      ■         ■
 土日も診療。
 夕方も診療。
 待合室は、個室風に仕切ってある。
 他の患者様となるべく会わないようにする。
 札幌駅から歩いて5分以内。
 総合病院ではまず不可能です。
      ■         ■
 特別な合併症のないお産でしたら、マタニティ専門の病院がよいと思います。
 検診は、札幌駅のJRタワーで受けて、
 お産は北大前の本院というのも、魅力的です。
 産科医や助産師さんの数、
 お産の数も総合病院より多いのには驚きます。
 もし、孫ができたら、マタニティ専門の病院にお願いしようと思います。
 (残念ながら、孫はできそうにありませんが…)
 

投稿者 sapporobiyou : 21:38 | コメント (0)

2008年02月12日

毛の悩み、ハゲ頭の気持ち

 昨日の‘天声人語’で、朝日新聞社の筆者は、
 『人間は外見ではない』
 『頭の毛が薄くても、中味が良ければ問題ない』
 『毛があるか、ないかなんて、大したことではない』
 『気にしなさんな』
 と言っているように、私には思えました。
      ■         ■
 もう少し、書かせていただくと、
 『たかが、頭の毛ごときに…』
 『何年も…』
 『数百万円も…』
 『その出費と手間をいとわぬ』
 『客層があることに驚く』
 と言いたかったのだと思います。
      ■         ■
 これは、毛で悩んでいる人へ、
 思いやりのかけらもない、ひどい言葉です。
 この日記を朝日新聞社の筆者が読むことはないと思いますが…
 できれば、天声人語で訂正してほしいと思います。
 見た目の問題は、本人よりも、
 周囲から『問題提起される』ことが多いように思います。
      ■         ■
 小学校などの授業参観があります。
 ふだんは、お父さんが大好きだった、女の子が、
 友人から…
 『○○ちゃん、今日来てたの、おじいちゃん?』
 『○○ちゃんのお父さん、お仕事が忙しくて来れなかったの?』
 この、子どもの何気ない一言で、
 それまで、大好きだった…
 お父さんが嫌いになってしまう…
      ■         ■
 場合によっては、学校へ行くのがイヤになってしまう…
 友だちから、いじめの対象になってしまう…
 朝日新聞の筆者さん。
 あなたは、これでも、‘数百万円もかける客層’が信じられませんか?
      ■         ■
 植毛を受けて、抜糸にいらっしゃる方は、
 実に真面目で誠実な方が多いと思います。
 何年も真剣に悩んで、いろいろ検索して、横浜まで手術を受けに行かれます。
 手術のために、倹約して、手術費用を貯める方もいらっしゃいます。
 中には、
 『先生、いゃぁ、オレ、今川先生ところへ行くまで…』
 『なんぼ使ったかわからねぇ。』
 と正直に話してくださる方もいらっしゃいます。
      ■         ■
 医師や歯科医師ですら、胡散臭い(ウサンクサイ)クリニックに騙されるのです。
 『発毛には個人差があります、施術で生えない方もいらっしゃいます』
 『人工毛は異物ですから、頭皮にダメージを与えます』
 なんてことは、言わないのです。
 同意書や約款の隅に、見えないような字で小さく書いてあるだけです。
 ふつうの人は、TVで有名タレントが宣伝していると、コロッと騙されるのです。
      ■         ■
 植毛手術は簡単ではありません。
 今川先生のHPにもあまり書いていませんが…
 実は、先生と同じ位重要なのが、
 毛を植えてくれる看護師さんです。
 一本一本に細かく丁寧に株分けしてくれる、テクニシャンです。
 この植毛チームが総力をあげて、何千本も植えるのです。
 髪に悩む人はたくさんいます。
 マスコミでも、少し本格的に取り上げてほしい問題です。

投稿者 sapporobiyou : 23:22 | コメント (0)

2008年02月11日

頭髪の悩み

 平成20年2月11日、朝日新聞の天声人語です。
 17世紀のフランス国王、ルイ13世は心労ゆえに薄毛となり、22歳でカツラをつけた。
 廷臣たちがそれに倣い、カツラはやがて上流階級の正装として各国に広まったという。
 時は移れど、世に「自分を変えたい」願望は尽きない。
      ■         ■
 光頭の書き手による『ハゲの哲学』(金子勝昭、朝日文庫)はこうクギを刺す。
 「ハゲを隠しているという意識につきまとわれているかぎり、
 変貌(へんぼう)できない」。
 ましてや、隠せぬままに変わり損ねた落胆は大きかろう。
       ■         ■
 育毛ケアで効果が薄かった大阪の男性(58)が大手業者を訴え、
 430万円を返してもらう和解が成立したそうだ。
 業者は「必ず生えるとは言っていない」と反論したが、
 原告の強い不満に折れた。
      ■         ■
 「前後」の写真を見る限り、憤りは当然だ。
 毎週の頭皮ケアや補助食品に、男性は約680万円と4年の時を費やした。
 生える保証のない育毛にこれほどお金がかかり、
 その出費と手間をいとわぬ客層があることに驚く。
      ■         ■
 あるべき物が無いのを恥じる心に、業者は手を差し伸べる。
 毛が戻って前向きに変われるのならいいが、
 見てくれや世間体に追われる人生はもったいない。
      ■         ■
 頭髪の気になり具合は
 「自分の人生をどの程度自分のものにできたかを測るものさし」
 (金子氏)でもある。
      ■         ■
 脱毛への備えを説いた
 『ハゲてたまるか』(下川裕治、朝日新聞社)で、
 精神科医が語る。
 「人は交通事故を笑えないが、バナナの皮で転べば笑う。
 大したことではないからだ。
 精神的にハゲを克服するポイントです」。
 そう、大したことはない。
 (以上、朝日新聞から引用)
      ■         ■
 私は、声を大にして言いたい。
 頭髪の悩みを、
 『大したことはない!』
 と片付けるのは、
 悩んでいる人を知らないだけです。
      ■         ■
 おそらく、天声人語の筆者も、頭髪はフサフサなのでしょう。
 私は今のところ、頭髪に関する悩みはありません。
 ただ、同業者の医師や歯科医師でも
 頭髪で悩んでいる人をたくさん知っています。
      ■         ■
 新聞社は、正しい頭髪の知識を、
 医学記事として掲載する程度の配慮があってもいいと思います。
 医師や歯科医師ですら、
 頭皮に有害な人工毛移植を受けている‘先生’がいます。
      ■         ■
 この人工毛植毛も、有名タレントが宣伝しています。
 最近は、その全国展開しているクリニックでも、
 自分の毛を移植する自毛植毛の‘手術’をしているようです。
 有名大学形成外科の‘先生’が顧問になっています。
      ■         ■
 頭髪ビジネスは、
 カツラメーカー、
 毛生え薬メーカー、
 サプリメントメーカー、
 問題となったリーブ21のようなメーカーなど、
 さまざまな業種が絡んでいます。
 美容外科分野でも、頭髪ビジネスが盛んになってきています。
      ■         ■
 私が推薦した、横浜の今川賢一郎先生は、
 数少ない、信頼できる‘植毛医’です。
 何回も、今川先生に手術を受けている人がたくさんいるクリニックです。
 頭髪の悩みは、
 『大きな、悩みです!』
 女性も含めて、頭髪で悩んでいる人はたくさんいます。
      ■         ■
 適切な治療を受けると、頭髪の悩みはかなり改善できます。
 憎むべきは、頭髪の悩みにつけ込んで、
 効果もないのに、高額の料金を請求するところです。
 異物である、人工毛を頭皮にたくさん打ち込んで、
 頭皮をボコボコにしている‘クリニック’です。
 悩んでいる方は、今川先生にご相談することをおすすめします。 

投稿者 sapporobiyou : 22:26 | コメント (0)

2008年02月10日

朝食

 私は、ごはん党です。
 毎朝、朝食をしっかり食べます。
 研修医時代から、昼食時間は不定で、昼抜きになることもありました。
 朝食をしっかり食べて仕事に出ないと、低血糖で具合が悪くなります。
      ■         ■
 朝食は、ごはんに、納豆または長いもが多いです。
 ごはんと味噌汁が定番です。
 たまに、サラダがつくこともあります。
 漬物も好きです。
 野菜の浅漬けなんかが好きです。
      ■         ■
 味は薄味が好きです。
 味付けについては、関西出身の家内と‘喧嘩’したことはありません。
 関西人と結婚してよかったと思っています。
 たまに、実家に帰ると、味が濃いと思います。
      ■         ■
 日曜日と休日は、パン食にしています。
 特に理由はありません。
 家内は、もともと、朝食はパンだったようですが、
 私と結婚してから、ごはんに合わせてくれたようです。
      ■         ■
 新婚の頃に、家内の友人が遊びに来てくれました。
 『あら、和ちゃん(家内のことです)!』
 『朝ごはんは、いつもパンやったのに…』
 と驚いていました。
 その時に、はじめて、あぁ、朝はパンだったんだ???と知りました。
      ■         ■
 朝から手術の時は、やはりごはんでないと調子が悪いので、
 本間家では、朝は‘ごはん’にしてもらっていました。
 メニューは、ほぼ30年近く変わりません。
 それでも、飽きないのは不思議なものです。
      ■         ■
 日曜日と休日は、コーヒーとパンにサラダです。
 以前は、西区琴似に住んでいたので、
 ダイエー琴似店1Fにできた‘どんぐり’というパン屋さんの、
 パンを楽しみにしていました。
 私は、だいたい食パン(北海道では角食(カクショク)と呼びます)ですが、
 各種の調理パンや菓子パンも美味しいです。
      ■         ■
 今は、職場の近くに引っ越してしまったので、
 たまにしか、‘どんぐり’のパンが食べられないのが残念です。
 サラダは、ダイエー琴似店の、ポテトサラダが好きです。
 私は、ポテトサラダが好きなので、
 いろいろなポテトサラダを買っています。
      ■         ■
 クリニックの近くには、大きなデパートがあります。
 デパ地下の有名惣菜店やホテルブランドのポテトサラダより、
 ダイエー琴似店のポテトサラダが好きです。
 他のダイエーで買ったことがないのでわかりませんが、
 私の口には合っています。
 日曜日と休日は、
 パンとコーヒーにポテトサラダが私の朝食です。
 これで、とても幸せです。
 ホテルの3,000円以上もする朝食より、美味しいと思っています。
 

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2008年02月09日

毛が生えなかった

 平成20年2月5日、朝日新聞夕刊の記事です。
 「必ず毛が生える」
 勧誘信じたのに
 発毛効果薄く和解
 大阪地裁
 リーブ21、430万円支払い
      ■         ■
 「必ず毛が生える」との勧誘を信じ、
 育毛ケアを4年間受けたのに効果がなかったとして、
 大阪府内の男性会社員(58)が
 業界最大手「毛髪クリニック リーブ21」(大阪市)に対し、
 施術代や慰謝料など860万円の損害賠償を求めた訴訟が
 大阪地裁(平林慶一裁判官)で和解した。
 同社が施術代の約9割にあたる
 430万円の解決金を支払うことで合意した。
      ■         ■
 訴状によると、男性は2001年4月、
 同社に「頭頂部が薄くなって久しい」と相談。
 担当者から
 「大丈夫。必ず生えてきます」
 「発毛には3年かかる」
 などと言われて契約した。
      ■         ■
 高周波治療器などによる頭皮への「発毛促進サービス」を2005年5月まで
 週1回2時間のペースで受け、施術代約490万円を支払った。
 サプリメントなどの補助食品も190万円分買った。
      ■         ■
 しかし、実際には細い毛が少し生えただけで、
 男性は「頭頂部は光ったまま。効果はほとんどなかった」と主張。
 「必ず生える」と勧誘したことは、
 消費者契約法が契約を取り消せる理由に定める
 「断定的判断の提供」にあたると訴えた。
      ■         ■
 同社は訴訟で
 「必ず生えるとは言っていない。
 発毛に個人差があることは事前に伝えていた」
 と反論したが、
 地裁の和解勧告に従って昨年9月に和解を受け入れた。
      ■         ■
 同社の広報担当者は
 「発毛効果はあったと考えているが、
 サービスが長期に及んだことや、
 ご本人の強い不満を考慮した」
 と話している。
      ■         ■

08-02-05asahicom
上:発毛サービスが始まった直後
2001年6月
下:発毛サービス開始から4年
2005年5月
原告側提供
(以上、朝日新聞より引用)
      ■         ■
 TVで有名タレントが宣伝していると、効果があると信じてしまいます。
 ところが、発毛は現在の最先端医学でも難しいのです。
 私はリーブ21のことは、詳しく知りません。
 ただ、リーブ21へ行っても生えなかったので、植毛を受けた方は知っています。
      ■         ■
 その方は、横浜のヨコ美クリニックで植毛手術を受け、当院で抜糸を行いました。
 数年前の日本形成外科学会で、今川賢一郎先生の発表をお聴きしました。
 今までに見た、どの植毛手術よりキレイでした。
 知人の手術をお願いしたのがご縁で、当院で抜糸をしております。
 2回、3回と手術を受けている方もたくさんいるクリニックです。
 こちらの掲示板には、参考になる書き込みが多数あります。
      ■         ■
 植毛手術まで…とお考えの方には、
 平成20年1月3日の日記でご紹介した、ロゲインフォームがおすすめです。
 この薬の薬理作用は、皮膚血流の増加と言われています。
 どのタイプの薄毛にも効くとは限りませんが、リアップより高濃度で、個人輸入しても安価です。
 安い市販薬(cheapotc.com)というサイトが安心です。
 私はここがいいと思いますが、すべて英語です。
 個人輸入代行のサイトもあります。
 ご自分の責任で、個人輸入するのは問題ないと思います。
 ただ、循環器系の持病がある方はお止めになるか、主治医にご相談の上、お使いください。
      ■         ■
 タバコは皮膚血流を阻害(ソガイ)します。
 一番気になる、額(ヒタイ)から頭頂部の皮膚は、
 耳の前から出る、
 浅側頭動脈(センソクトウドウミャク)という血管で栄養されます。
      ■         ■
 耳の前を触ると、ドクドクという血管が触れます。
 これが、浅側頭動脈、通称STA(エス・ティー・エー)です。
 この血管の触れが悪い方は、頭皮の血流障害が懸念されます。
 ロゲインやリアップの成分である、ミノキシジルは、
 頭皮の血行をよくする作用があります。
      ■         ■
 せっかく、薬を塗っても、タバコを吸うと効果が出なくなります。
 米国のロゲインのサイトでは、
 『使う?それとも、禿げる?』というコピーを使っています。
 タバコは
 『吸う?それとも、禿げる?』です。
 髪の毛フサフサになりたい人は、禁煙しましょう!

投稿者 sapporobiyou : 23:59 | コメント (0)

2008年02月08日

サミット救急医療2008

 平成20年2月7日、朝日新聞朝刊の記事です。
 首脳の急病テロに備え
 救急医療、隠密大作戦
 厚労省・道が対策
 医師・看護師ら200人待機
 協力病院公表せず
      ■         ■
 首脳が病気で倒れだり、テロがあったりした時にどう対応するか。
 7月の北海道洞爺湖サミットに向け、厚生労働省や道が救急医療態勢づくりを進めている。
 警備上の都合から内容は一切公表されていないが、
 2000年の九州・沖縄サミットを参考に、
 全国から医師や看護師らを200人規模で洞爺湖周辺に集める方針だ。
      ■         ■
 ただ、会場の地理的条件やテロ対策など、
 8年前との変化に対応する必要もある。
 「史上最大の作戦」(関係者)が、
 より進化することになりそうだ。(若松聡)
      ■         ■
 1月下旬の夕方、札幌市内である会合が開かれた。
 内容はおろか、開催の事実も「話せない」(道職員)という集まり。
 厚労省と道が主催し、サミットでの救急医療態勢について協議する研究会だった。
 昨年10月に第1回が開かれ、この時が5~6回目だった。
      ■         ■
 サミットの場で首脳らに万一のことがあっては世界的一大事になる。
 それだけに不特定多数の人に情報を漏らすわけにはいかない-。
 それが秘密保持の理由だ。
      ■         ■
 だが、関係者によると、
 サミット本番では基本的には沖縄での態勢を踏まえるという。
 沖縄では、首脳会合の会場から数㌔離れた県立病院を「拠点基幹病院」とし、
 医師や看護師ら5人1組による計18の専門医療チームが24時間態勢で待機した。
      ■         ■
 会場から1㌔未満の施設には「救急医療合同対策本部」を設け、
 ICU(集中治療室)ベッドを持つバスを2台配備。
 9人の医師による
 「首脳対応チ-ム」は
 それぞれ、小型酸素ボンベやポータブル心電計などを持った。
 これらに携わった約200人は全国から集められた。
      ■         ■
 今回も200人規模で全国の医師や看護師らを集め、
 洞爺湖周辺や、高度な医療を施せる
 札幌市の病院にも待機してもらう方向という。
      ■         ■
 だだ、沖縄の時点とは事情が異なる面も多い。
 沖縄の会場は平地だっだが、
 洞爺湖の会場「ザ・ウィンザーホテル洞爺」は湖畔の山頂にある。
 周辺も山々に囲まれている。
 2001年の米国での9・11テロを経て、
 生物・化学兵器テロヘの対策も講じなければならない。
      ■         ■
 また、サミット開催時に各国首脳は
 主に「ウィンザー」で過ごすが、
 最終日には後志支庁留寿都村の国際メディアセンターで記者会見すると言われる。
 そのため、同村にも医師らを待機させる必要が出てくる。
      ■         ■
 こうした理由から厚労省は、
 複数の拠点基幹病院を決めるとともに、
 関係自治体や周辺の医療機関を救急協力病院に指定する。
      ■         ■
 前者の一つには札幌医大病院が選ばれ、
 後者もすでに内定しているというが、具体名は公表しない方針だ。
 沖縄で組織された救急態勢は、関係者から「史上最大の作戦」と呼ばれた。
 洞爺湖では、それが進化することになる。
      ■         ■
 沖縄サミットの医療チームの一員を務め、
 今回の研究会にも属する札幌医大の浅井康文・救急・集中治療部長は
 「どんな不測の事態にも対応できる態勢をつくらないといけない」
 と話している。

map-asahicom.jpg
(以上、朝日新聞より引用)

      ■         ■

 国と北海道は万全の医療体制を準備しているようです。
 ICU設備を整えた、バスを準備して、最先端の医療が行えるのでしょうか?
 所詮(ショセン)バスはバスです。
 病院の機能すべてをバス2台で代行できるものではありません。
      ■         ■
 国が公表しなくても、洞爺湖周辺の医療機関は限られています。
 一番近いのが、総合病院伊達赤十字病院(ダテ日赤)です。
 昭和15年8月28日、創立。
 許可病床数:374床。(一般314床、精神60床、透析38床)
 脳神経外科はありませんが、麻酔科も循環器内科もあります。
 CT、MRI、血管造影撮影装置もあります。
      ■         ■
 一番、頼りになりそうだったのが、
 日鋼記念病院でした。
 ここには、優秀な救命救急センターがありました。
 札幌医大の浅井教授の医局から医師が派遣されていました。
 残念ですが、現在の日鋼記念病院では、
 ‘サミットの救急指定病院’にはなれないと思います。
      ■         ■
 札幌市内で唯一、高度救命救急センターの指定を受けているのが、
 浅井教授がいらっしゃる、札幌医科大学附属病院です。
 ここには、ヘリポートもあります。
 人的にも設備的にも、問題がない施設です。
      ■         ■
 札幌市内で、他にヘリポートを備えた施設は、
 市立札幌病院と手稲渓仁会(テイネケイジンカイ)病院です。
 手稲渓仁会病院は、親会社がサミット会場の「ザ・ウィンザーホテル洞爺」と同じSECOMです。
 あの警備保障のSECOMが親会社です。
 こう書くと、文句を言われそうですが、間違いないと思います。
      ■         ■
 私の考えでは、
 伊達日赤、
 札幌医大、
 市立札幌病院、
 手稲渓仁会病院
 がサミット救急協力病院の候補です。
      ■         ■
 浅井教授から聞いたのではありません。
 私の推測です。
 ただ、これで万全ではありません。
 霧が出て、ヘリが飛べなければ、終わりです。
 医療は、バス2台があれば、万全であるほど甘くはありません。
      ■         ■
 最先端の治療を行うには、高度な診断機器。
 手術室などの治療設備。
 有能なスタッフ。
 多数のパラメディカル。
 これらがすべて揃って、はじめて最先端の医療が行えます。
      ■         ■
 サミットで外国の首脳が急病になって…
 日本の医療体制を見直す機運が高まってくれれば…
 と、とても不謹慎なことを考えてしまいます。
 北海道の医療、日本の医療は崩壊寸前です。
 誰か、偉い人が病気になって…
 政治家が本気で考えないと、
 取り返しがつかないことになります。
 実際に北海道に住んでいる住民が困っているのです。
 外国の首脳だけ特別扱いは困ります。

投稿者 sapporobiyou : 23:59 | コメント (1)

2008年02月07日

新聞記事の引用

 毎日、日記を更新するのは、しんどい作業です。
 早く書き終わる日でも、最低一時間はかかります。
 日記を書くようになってから、新聞をよく読むようになりました。
      ■         ■
 昨日引用した、北海道新聞の山崎先生の記事は、読んでいて涙が出てきました。
 記事を書いてくれた、佐藤千歳さんという記者さんに感謝します。
 以前、佐藤さんから取材を受けたことがありました。
 お若いのに、情熱的な記者さんでした。
 失礼な話しですが、先輩の男性記者より、意欲を感じました。
      ■         ■
 私が、新聞記事を引用して、日記に掲載するのは、
 一人でも多くの方に、
 私が記事から得た‘感動’や‘憤り(イキドオリ)’をお伝えしたいからです。
 平成19年10月5日にも書きましたが、今の若い人は新聞を読みません。
 息子も、クリニックの職員も同じです。
      ■         ■
 以前の日記では、新聞社のHPにリンクを張り、記事そのものは引用しませんでした。
 ところが、新聞社のHPでは、一定期間が過ぎると、記事が読めなくなることに気づきました。
 ネットで検索できる記事もありますが、紙面にしか載らない記事もあります。
 魅力的な記事は、紙面にしか載らない記事に多いような気がします。
      ■         ■
 私は、もっと若い人に新聞を読んで欲しいと思います。
 日本だけの現象ではないそうですが、
 米国でも、新聞社は危機感を持っているそうです。
 最近のNHKビジネス英語会話で話題に取り上げられていましたが、
 米国では郵便ポストが街角から消えています。
 インターネットの普及で、電子メールが郵便を‘駆逐’してしまいました。
      ■         ■
 ネットや携帯で記事を読むのと、新聞は違います。
 新聞社はすべての記事をネットに載せてしまうと、読者がいなくなります。
 新聞社がネットで記事を公開しているのは、
 自社の新聞を購読してほしいからです。
      ■         ■
 以前、記者の方と数ヵ月にわたりお付き合いしたことがあります。
 新聞記者は
 (他社を)抜け。
 書け。
 寝るな。
 と教育されるそうです。
      ■         ■
 特ダネを探し、自社だけ、一面のトップ記事にする。
 これが、新聞記者の‘使命’だそうです。
 私は、新聞を読むのが好きです。
 今日の北海道新聞にも、佐藤千歳さんの署名入り記事が出ていました。
 中国へ単身赴任した、銀行員のお父さんについてです。
      ■         ■
 毎日、新聞を制作してくれる新聞社の方。
 早朝から、配達してくれる新聞販売店の方に感謝しています。
 一人でも多くの方に
 新聞を読む習慣が残って欲しいと願っています。

投稿者 sapporobiyou : 22:12 | コメント (1)

2008年02月06日

山崎浩一先生を偲ぶ

 平成20年2月6日、北海道新聞朝刊の記事です。
 がんと闘った専門医・山崎さんがのこした言葉
 1%の希望 信じよう
 患者、最後まで支え続ける
      ■         ■
 北大大学院医学研究科で中皮腫や肺がんを専門としてきた医師(46)が1月12日、自ら専門とする中皮腫で他界した。
 治療者と患者、二つの立場を経験した医師がのこした言葉は「1%の希望」。
 死に直面して発せられた希望という言葉は、のこされた人に何を伝えようとしたのか。 (佐藤千歳)
      ■         ■
 呼吸器内科学分野(第一内科)准教授、山崎浩一さん。
 2006年6月、職場の健康診断で肺に影が見つかる。
 すぐ精密検査。悪性胸膜中皮腫と診断された。
 当時44歳。肺の悪性腫瘍の専門家として活躍していた。
 検査結果を知ったのも、米国の学会から札幌に戻った日のこと。
 「こんなに元気なのに。信じられない」。
 息切れしないか、階段を一段おきに駆け上がってみた。
 「いつもと変わりないんだよ」-。妻の望美さん(44)に語りかけた。
      ■         ■
 6月末、左肺胸膜全摘出の手術を受ける。
 経過は順調だったが、9月、骨転移を含む全身性の転移が見つかった。
 衝撃はより大きかった。
 「転移して、抗がん剤が効く確率は30%。効かなければ余命三ヵ月だ」。
 望美さんに説明した。
◆命燃やし診察
 「責任感が強く、他人に厳しく、自分に最も厳しい人」。
 十年の間、一緒に仕事をしてきた第一内科の大泉聡史助教(41)は言う。
 仕事を離れれば、スポーツ好きの親しみやすい先輩だった。
      ■         ■
 北大の学生時代、山崎さんはテニス同好会にいた。
 ダブルスを組む友人が、強豪との対戦前、「勝つのは無理だ」と山崎さんに言ったことがある。
 「勝つ可能性が1%なら、練習で5%にできる。
 そこでうまく作戦を立てれば、10%にできる。
 10%なら、10回試合をやれば一回は勝てるってことなんだぜ。
 その一回が本番の試合かもしれないじゃないか」
      ■         ■
 真剣に怒る山崎さんの表情を、友人は忘れられない。
 二人は勝った。
 友人の思い出は、山崎さんの闘病の姿勢と重なる。
 「30%も可能性がある。良い面を見ていこう」。
 そう言って始めた再発後の抗がん剤治療は、効果を現した。
      ■         ■
 このころ、病棟と外来の仕事はやめていた。
 だが、症状が落ち着くと、他の病院にかかる患者が専門家の意見を求めるセカンドオピニオン外来で、肺がんや中皮腫を担当し始めた。
 「患者さんより山崎君の方がつらそうに見えました。
 それでも『患者さんに説明したい』と。
 やり続けたい仕事だったのでしょう」。
 第一内科の西村正治教授は言う。
      ■         ■
 第一内科の山谷敦子副看護師長(42)は、
 「患者さんの性格や職業、家族まで考えて治療方針を決める先生だった」。
 自らもがん患者となり、患者の立場を思いやる言葉は確実に増えた。
◆確率との戦い
 昨年9月26日。
 医局講演会で、山崎さんが講師を務めた。
 後輩の医師に、息切れを押さえながら、語りかけた。
 「がん患者に向き合う医師は、病気の進行について悲観的な見通しを言うのは絶対にやめてほしい。
 患者さんに希望を与えよう。
 そのためには、がん患者を治した経験をたくさん持ってほしい」
 患者として得た経験を医療現場に伝えようと、懸命だった。
      ■         ■
 現代のがん治療は、確率との戦いでもある。
 抗がん剤が効く確率、放射線治療が効く確率、五年生存率、余命-。
 それぞれの選択肢の持つ確率が、治療方針を決める鍵となる。
 悪性中皮腫は進行が早い。
 「骨転移があれば、過去の症例から、多くの医者は『もうだめだ』と思ってしまう。
 転移しても五年、十年と生きる人がいるが、可能性はかなり低い」 (西村教授)
      ■         ■
 治療の効果が出る確率が低ければ、積極治療を中止し、
 苦痛を取り除くことに重点を置くターミナルケアに移行する選択肢がある。
 「もういいですよ」。
 そう言って穏やかな末期を望む患者もいる。
 緩和ケア病棟やホスピスが増えた現在、尊重されるべき選択肢だ。
 ただ―。わずかな可能性にかける患者がいる。
 山崎さんはその一人だった。
      ■         ■ 
 主治医の大泉さんや、北大放射線科の白土博樹教授と相談しながら、
 抗がん剤や放射線の治療を続けた。
 病室にパソコンを持ち込み、仕事もやめなかった。
 「サッカーの試合なら、残り一分、0対4の状況でも、がんばる患者さんがいる。
 その気持ちを、最後のホイッスルが鳴るまで支えるのが医師の役目だと。
 私たちが普段忘れがちなことを、山崎先生に教わった」。
 白土教授は言う。
      ■         ■
 そして、昨年12月。山崎さんはホイッスルが間近いことを覚悟する。
 「エンドステージだ」。
 望美さんに言った。
 専門医として、自らの病状を冷静に見極めていた。
 まるで、学会の手配をするように、自分の葬儀の用意を始めた。
◆最後の元旦に
 2008年、元旦。
 外泊した自宅のソファで、
 山崎さんはノートパソコンをひざに抱き、
 葬儀で朗読してもらう「病状報告」を少しずつ打ち始める。
      ■         ■
 「本日はお忙しい中、お集まりいただきまして誠にありがとうございました…」
 翌日は、テレビ中継の箱根駅伝を、じっと見ていた。
 山崎さんは、スポーツが好きなわけを、望美さんに話している。
 「スポーツは、何があるか分からないよね。
 終わりの方に大逆転のドラマがあるかもしれない。それが楽しいんだ」
 12日早朝、山崎さんは北大病院で永眠した。
◆「心構え」託す
 18日、がん治療の医師や看護師を集めた研究会で、
 白土教授が「病状報告」にあった山崎さんの言葉を紹介した。
 今日は治らなくても、明日はよい治療法が見つかるかもしれない。
 1%の希望があれば、闘病意欲のある患者さんには、
 その1%にかけてがんばろうと言うべきだ-。

      ■         ■
 命の終わりを見つめながら、
 前を向いて生きること、
 その闘いを支える医療関係者の心構え。
 山崎さんのメッセージは、静かに波紋を広げている。
      ■         ■
 中皮腫
 胸膜や腹膜などの表面を覆う中皮細胞から発生する悪性腫瘍(しゅよう)のこと。
 アスベストが関与していることが多く、
 吸い込んでから30-50年後に発症するが、
 吸引歴のない人が発症することもある。
 胸腹中皮腫の場合、
 胸水による呼吸困難や痛みを伴い、病気の進行は早い。
 手術、放射線治療、抗がん剤治療が現在の標準的治療法。
      ■         ■ 
 山崎さん自らが書いた「症状報告」
 私は胸膜中皮腫という、アスベストの吸入歴のない比較的若い男性には非常にまれな病気になり、46歳という働き盛りの年齢で人生を終えることになりました。
 私の専門は肺がん、胸膜中皮腫などの呼吸器腫瘍(しゅよう)の診断、治療であり、たくさんの胸膜中皮腫の患者さんを診てきました。
 そのような私が自分の病状の経過がどうであったか、
 自分が専門であった致死的疾患に罹患(りかん)したとき、病気にどう対応したかを、
 本日お集まりのみなさまに正確にお伝えするのも一つの義務ではないかと考え、簡単な文章にまとめました。(中略)
 私は、1年半以上の闘病の生活のほとんどを、まだ治る可能性があると信じて、自らの治療を勉強し、選択してきました。
 この考え方は患者さんにとって非常に重要ではないかと思っています。
 肺がんや胸膜中皮腫の患者さんの多くは、
 最初の時点で医師から「もうあなたの病気は治りません」と宣告されていると思います。
 しかし、1%でも0.5%でも治る可能性があると思えるかどうかは、治療を前向きに受けられるかどうかにつながる非常に重要な点であると私は思います。
 最近では、現実的に5年も10年も長生きしている進行肺がんや胸膜中皮腫の患者さんが増えてきており、
 そのような例をとって患者さんたちを励ましてあげることが重要ではないかと、治療する側と治療を受けた側の両方を経験した一人として強くそう思います。
 (葬儀で大泉医師が朗読)
      ■         ■
 山崎先生のご冥福をお祈り申し上げます。合掌。
 北大第一内科HPにも山崎先生のページがあります。

1dryamazaki.jpg

生前の山崎浩一さん。「熱い人だった」と周囲は口をそろえる
 仏壇には、愛用の聴診器と腕時計の横に、
 出身の札南高の甲子園出場を記念するボールが供えられた。
 (北海道新聞より引用)

投稿者 sapporobiyou : 22:05 | コメント (0)

2008年02月05日

歯の再植(サイショク)

 平成20年2月3日、朝日新聞朝刊、『ひととき』への投稿です。
 必死で捜した歯
 中1の息子と三女を送り出して、さてと思ったら、鏡の前に息子がいる。「どうしたの、遅刻しちゃうよ」と言いかけて言葉をのみ込んだ。
 振り向いた息子は血まみれの口から血を滴らせ、「もう元に戻らん」と泣き出しだ。
      ■         ■
 「歯はどこにあるの」と叫びそうになった。登校途中、自転車で転んだという息子の口には、上の前歯がなかった。
 息子をせっついて、血の跡の残る凍ったアスファルトにほおをすりつけるようにして捜したが、見つからない。
      ■         ■
 歯、息子の歯。毎晩仕上げ磨きし、毎年の検診で歯垢を除去し、虫歯のない、きれいに並んだ、これだけは本当に自慢の歯。
 早くみつけなくっちゃ、車にひかれてこなごなになっちゃう。
 必死の私に「母さん、あれ」と息子が指さした。側溝の水の中で、白い4㌢もある三日月形が輝いている。
 じゃぶじゃぶ入って拾いにいった。
      ■         ■
 切るのか縫うのかと思った修復手術は、抜け落ちた歯と穴をきれいにして差しこみ、隣の歯と接着剤でとめるものだった。
 歯がつくかどうかは本人の回復力次第という。
 がんばれ、息子。
 毎日好きなだけ食べて、眠って、野球をしているのは、こんな時のだめでしょう。
      ■         ■
 夜、4人の子どもに言った。
 「歯でも落としたら必ず拾いなさい。泣いて見失うようなまねをするんじゃない」
 山口市 平田美子 無職 42歳
 (以上、朝日新聞より引用)
      ■         ■
 口腔外科(コウクウゲカ)の先生に伺いました。
 歯の根っこ、歯根の表面には歯根膜という組織があります。
 その歯根膜が60%以上生きている場合は、速やかに戻せば元どおりにくっつくそうです。
 これを歯の、再植(サイショク)といいます。
      ■         ■
 もし、歯が取れてしまったら、歯を捜して、拾います。
 できれば、生理食塩液につけて、できるだけ早く歯医者さんへ行きます。
 生理食塩液は、医療機関であれば、だいたいどこにでもあります。
 少し大きな、ドラッグストアでは売っています。
 できれば、生理食塩液で歯を洗って、その液につけて歯医者さんへ行きます。
 何もなければ、拾った歯を口の中に入れて、
 飴(アメ)をしゃぶるようにして、口の中で‘保存’して、歯医者さんへ向かいます。
      ■         ■
 歯医者さんでは、歯が抜けた『穴』に歯を入れて
 ‘ひととき’の方のように、強力な糊(ボンドのようなもの)で固定します。
 歯根膜が、しっかりしていて、条件がよければつきます。
 早ければ早いほどよいそうです。
 間違っても、消毒用アルコールなんかには漬けないで下さい。
 歯が死んでしまいます。
      ■         ■
 歯の再植の専門は、口腔外科です。
 街の歯医者さんでも、できるそうです。
 良い歯医者さんを見つけられて、運がよければつきます。
 皮膚が削げてしまった時にも、付けることができます。
 これは形成外科が専門です。
 機会があれば、ご紹介したいと思います。

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2008年02月04日

夫婦喧嘩

 平成20年2月3日、朝日新聞『天声人語』からの引用です。
 フランスのサルコジ大統領は「本音の人」である。
 昨秋に離婚し、14歳下の人気歌手カーラ・ブルーニさん(39)と結婚したらしい。
 在職中に配偶者を代えた仏元首は、本当かどうかナポレオン以来とも聞く。
 要職だからと、私生活を犠牲にする気はないようだ。
      ■         ■
 パリで4年前、公演後の楽屋にカーラさんを訪ねたことがある。
 缶ビールを片手に、来日への思いを気さくに語ってくれた。
 その応対ぶりから、仕事にも恋にも正直な人とお見受けした。
 大統領とは生き方も一致したのだろう。
      ■         ■
 自分に正直に、本音で生きてゆくのは楽じゃない。
 周囲との摩擦、好奇の目。
 「結婚は忍耐」と言う通り、夫婦がそれぞれ我を通せば破局に至ることもある。
      ■         ■
 されど人生は一度きり。
 二人をうらやましく思うかどうかは別にして、つまらぬ遠慮や辛抱で消耗したくはない。
 そうはいかないのが普通だろうが、辛抱しすぎると命が縮むというからご用心だ。
      ■         ■
 夫婦げんかを我慢すると早死にしやすいという説を、通信社が報じた。
 米ミシガン大学の研究者が、192組を17年追跡した結果だという。
 相手の言動を不当と感じた時、感情を押し殺して我慢し合う夫婦は、言い争って解決しようとする夫婦の倍の死亡率だった。
       ■         ■
 江戸川柳に〈喧嘩(けんか)には勝ったが亭主飯を炊き〉とある。
 言うだけ言われたおかみさんが「職場放棄」で反撃に出る。
 これならそろって長生きだろう。
 夫婦げんかや離別を長寿の秘訣(ひけつ)としてお勧めするのではない。
 愚痴も我慢もほどほどに、仲むつまじいのが一番です。
 (以上、朝日新聞より引用)
      ■         ■
 どこの家も似たようなものだなぁ~というのが感想です。
 お江戸の昔から、夫婦喧嘩をすると、奥さんはご飯をつくってくれなかったのですね。
 わが家も同じです。
 喧嘩した日は、お弁当がないので、すぐに職員にバレます。
      ■         ■
 朝、出勤して来た職員がPCの上に気づきます。
 『アら?』
 言われる前に、私が言います。
 『今日はお弁当なしさ…』
 お弁当がない日は、弁菜亭というお弁当屋さんの弁当を買ってきます。
 だいたい、500円程度のお弁当です。
 札幌駅前の札幌国際ビル地下2階に売店があります。
      ■         ■
 私も、結婚して子供が生まれるまで、約2年間は、
 あまり夫婦喧嘩をした覚えがありません。
 子供が生まれてから、
 嫁さんは母親になり…
 強くなりました…
      ■         ■
 本間家では、夫婦喧嘩をガマンしすぎて、早死にする心配はなさそうです。
 よく喧嘩をします。
 私は長男で、
 家内は長女です。
 両方とも、強情です。
 なかなか、激しい喧嘩もあります。
      ■         ■
 今では、子供もいなくなり、家内と二人だけの生活になりつつあります。
 30年前は、喧嘩もしなかったのに…
 ガマンしすぎて、早死にするよりマシかもしれません…
 長く生きていると、いろいろなことがあります。
 美容外科医だからといって、決して幸せな毎日ばかりではありません。
 人生で一番幸せだったのは、
 公団住宅に住んで、ドアの開かないサニーに乗っていた頃だったような気がします。

ski-niseko.jpg

30年前のニセコアンヌプリです。
この頃は喧嘩はしませんでした

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2008年02月03日

ワキガといじめ

 平成20年2月2日、朝日新聞夕刊の記事からの引用です。
 東京都内で行われている、日本教職員組合(日教組)の教育研究集会の分科会でのお話しです。
 福岡県内のある市立中学校での事件です。
 3年生の学年主任の教諭(44)が、「学校裏サイトとの闘い」を発表されました。
      ■         ■
 その中学校の学校裏サイトで、
 「○○(生徒の実名)体くさい」
 「あいつ死んだほうがいいよ 女子でいじめよう」
 「キモイ顔面しやがって」
 と書かれていました。
      ■         ■
 以下が朝日新聞からの引用です。
 (先生は)全クラスで道徳の授業を行い、裏サイトについて考えさせた。
 各クラスの担任は裏サイトの内容を黒板いっぱいに書き出した。
 書き込みの多さと内容の醜さ、ひどさに気づかせるためだ。
 書き込みが原因で殺人事件が起きたり、悪口を書かれた人が自殺したり、最悪の場合は死につながることも教えた。
      ■         ■
 主任は、その日の「帰りの会」(学年集会)でも訴えた。
「名前が出ないからと人を傷つければ、書き込むごとに自分の心がカサカサになる」
「嫌な書き込みをしたことがある人は今夜削除してほしい」
      ■         ■
 同時に、掲示板の管理人に誹謗中傷の書き込みの削除を要請した。
 ネット上に掲示板の場所を提供していたプロバイダーには、掲示板の閉鎖を依頼した。
 6月20日。
 授業参観後の父母らとの懇談会で書き込みの抜粋を示し、裏サイトで傷ついている生徒がいる現実を知らせた。
 「ひどい」。顔をしかめる親もいた。
      ■         ■
 プロバイダーが対応したのか、その後、掲示板は閲覧できなくなった。
 その後。3年生のあるクラスに新しい掲示板ができた。
 欠席したり早退したりした生徒のために、次の日の授業で準備が必要なことなどを書き込む場だ。
 生徒たちが自ら大事に運営し、「楽しい掲示板」になっているという。
      ■         ■
 主任は反省を込めて語る。
「教師は裏サイトのことを知らなさすぎる。もっと勉強しなければ。誹謗中傷があれば、削除や掲示板の閉鎖が必ずできる仕組みも必要だ」
 (以上、朝日新聞から記事の一部を引用しました。)
      ■         ■
 ワキガ体質の方は、思春期から症状が出始めます。
 女の子でしたら、12~13歳頃から、男の子は少し遅く、13~14歳頃から、というのが一般的です。
 ちょうど中学校入学の頃です。小学校までは制服がありません。
 中学校になると、制服を着るようになります。
      ■         ■
 私が、中学生だったのは、もう40年も前です。
 その頃は、男子はワイシャツに学ランと言われた学生服。
 女子は、ブラウスにブレザーかベストというのが一般的でした。
 ワイシャツもブラウスも白が基本。
 色柄物は、不可でした。
 白いワイシャツを着るようになって、自分も少し大人になったような気がしたものです。
      ■         ■
 ところが、ところが…
 白いワイシャツや白いブラウスは、ワキガ体質の方には過酷です。
 すぐに脇の部分が黄色く変色してしまいます。
 他人に敏感な年頃の子供たちです。
 『○○臭い(クサイ)』
 福岡の中学校で臭いといわれた子が、ワキガだったかどうかは不明です。
 ただ、誰かが『くさい』と言い出すと全体に広がります。
      ■         ■
 札幌美容形成外科を受診する方の中にも、ワキガが原因でいじめられた女子生徒がいます。
 もちろん、裏サイト対策も重要です。
 ワキガ以外が原因でいじめられることもあります。
 私も言語障害といじめられました。
 ただ、ワキガ体質の方は、社会に出てからも苦労します。
      ■         ■
 医師、歯科医師、看護師、歯科衛生士、介護福祉士など
 医療分野で活躍する人は、白衣が制服です。
 他人と接触することが多い職種です。
 手を使う仕事なので、就職してからの手術はまず無理です。
      ■         ■
 私は、本人が気にしているなら手術を受けるべきだと思います。
 男の子でしたらお父さん
 女の子でしたらお母さん
 と同じ程度に腋毛が濃くなったら手術は可能です。
 高校生から大学生の間に手術を受ける方が多いです。
      ■         ■
 卒業式が終わってから、高校や大学へ進学するまでの間がチャンスです。
 高校3年生で、進路が決まっていて、2月に学校へ行く必要がない人は
 卒業式前もチャンスです。
 ワキガ手術は、一生に一度の手術です。
 健康保険も適用になります。
 いじめは中学校だけではありません。
 社会に出てからも、『くさい』と言われて気分がよい人はいません。
 時間がある時に、是非受けていただきたい手術です。

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2008年02月02日

多汗症、吸引法で効果なし

 最近、ご相談にいらした方です。
 多汗症で、数年前に吸引法による手術を受けました。
 手術による効果はなく、すぐに汗が出るようになりました。
      ■         ■
 手術をしてくれた、クリニックへ相談に行きました。
『手術では、これ以上改善しないので、ボトックス注射をしましょう。』
『今だったら、お試しキャンペーン価格で、○万円です。』
 その日に、注射を受けました。
 若い先生が、片ワキ5箇所くらい注射してくれました。
      ■         ■
 少し汗が減ったような気がしますが、
 まだ汗は出ます。
 ボトックスもあまり効果がありませんでした。
      ■         ■
 私が、ワキを診察すると、確かに汗が出ていました。
 私:『何というボトックスを、何単位注射しましたか?』
 『……?』
 『何も聞いていません…』
 同じボトックス注射でも、注射する範囲と量によって効果が異なります。
      ■         ■
 ワキボトックス:キャンペーン価格、○万円
 二重埋没法:一点留め(保証なし)○○千円
 などなど、
 美容外科の価格はクリニックによってさまざまです。
      ■         ■
 同じようなメニューでも、中味が違います。
 安く見えても、効果がなければ、結局高いものにつきます。
 医療の安全性は、価格だけではわかりません。
 100万円もする、二重埋没法もあります。
 高ければよいというものでもありません。
      ■         ■
 中味が見えないものは、慎重に選ばなくてはなりません。
 私は、施術を迷っていらっしゃる方には、
 他の信頼できるクリニックへも、相談に行くように話します。
 こうして、毎日、日記を書いていると、
 遠方の方からも、ご相談を受けます。
      ■         ■
 美容外科選びは難しいものです。
 先生との相性もあります。
 私は、遠方の方から、ご相談を受けた時には、
 できる限り、信頼できる先生をご紹介するようにしています。
 同じように見えても、中味は違います。
 慎重にクリニックを選んでください。

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2008年02月01日

中国製への信頼

 中国製のギョーザによる健康被害が問題になっています。
 被害を受けられた方へ、心からお見舞い申し上げます。
 一日も早く、健康を回復なさることを祈念しています。
      ■         ■
 私たちの身の回りには、たくさんの中国製品があります。
 これは、日本だけではなく、米国でも同様です。
 食品、衣料品、電化製品、医薬品まであります。
 米国では、昨年、中国産製品の安全性が次々と問題になりました。
 朝日新聞によると、1月31日付のニューヨークタイムズ紙は、
 上海にある中国国有の大手製薬会社が製造した白血病治療薬の汚染による薬害事件が起きていることを紹介し、
 この会社が米国への経口中絶薬の唯一の納入元であると報じました。
      ■         ■
 美容外科の分野でも、中国製薬品があります。
 以前にも書いていますが、ボトックスの中国版がBTXAです。
 BTXAは香港のHugh Source (Int'l) Ltd.社が販売権を持つ製品です。
 1993年に中国保健省によって眼瞼痙攣や 片側顔面痙攣、斜視の治療用製剤として認可されました。
 中国製のA型ボツリヌス毒素製剤です。
      ■         ■
 米国製、アイルランド製、英国製に比較して
 価格が安いのが特徴です。
 安全面でも、問題がないという‘先生’が数多くいらっしゃいます。
 確かに、餃子(ギョウザ)と一緒にするのは、申し訳ない気がします。
      ■         ■
 私は、ユニクロが好きですし、中国製品のすべてが悪いとは思っていません。
 ただ、自分の体の中に入るものは、
 食品でも医薬品でも、‘安全’を第一に考えています。
 ‘安全’にはお金がかかります。
      ■         ■
 札幌美容形成外科でも、一番、手間隙(テマヒマ)をかけているのが、
 消毒や滅菌という作業です。
 信じられないことですが、日本の美容外科でも、
 抜糸に使う、鋏やピンセットを『使いまわし』するところがあります。
 手術器械も、たくさん揃えるとお金がかかるので、
 一つの器械を、イソジンという消毒薬で、‘消毒’しただけで
 次の手術にまわすクリニックがあります。
      ■         ■
 食の安全、医療の安全は
 私たちが、健康に暮らすための必要最低限の条件です。
 毎日新聞によると、
 問題となった、中国河北省の天洋食品は
 「利益偏重」で元従業員から批判が相次いでいるそうです。
 人為的に、農薬をかけられた疑いもあります。
      ■         ■
 私たちは、自分の健康は自分で守る必要があります。
 確かに、中国産の食材は安い魅力があります。
 一個10円程度の餃子は、安くて魅力的です。
 ただ、私は少しくらい高くても、安全な日本製を食べようと思います。
 美容外科も同じです。
 あまりにも安すぎるところは、何か変です。

投稿者 sapporobiyou : 23:59 | コメント (0)