« 2008年02月 | メイン | 2008年04月 »

2008年03月31日

診察の5分ルール

 平成20年3月30日、朝日新聞朝刊、声の欄への投稿です。
 「5分ルール」
 診察の質心配
 医師 二宮聖耳(大阪市住之江区 80歳)
 皆さん、4月から医療が大変なことになります。
 公的医療保険の価格を定めた診療報酬点数の改定に伴い、
 医師が5分以上診察しなければ、
 診療報酬の加算措置を受けられなくなるのです。
      ■         ■
 医療費抑制を目指す、
 この「5分ルール」は、
 患者と医師の双方に大きな問題をはらんでいると思います。
 まず患者さん側の問題。 
 「薬だけ」と申し出る方が今でも多くて、
 診察の必要性を説明するのに医師は苦慮しています。
 医療費が安ければ、
 皆さん、5分以上の診察を受けなくなるでしょう。
 しかし、投薬だけでは病状の変化に対応できません。
 質の高い、責任ある医療はできなくなります。
      ■         ■
 そして医師側の問題。
 診療報酬の加算がなくなることで病院経営への影響が予想されます。
 病院が立ちゆかず廃業すれば、医療崩壊の加速にもつながります。
 4月からはストップウオッチをもって病院にいきますか。
 5分を超えそうになったら、
 「ハイ、先生、もうわかりましたから」と早々に退散しますか。
 果たして、こんな診療体系で患者さんの健康を守ることができるでしょうか?
 (以上、朝日新聞より引用)
      ■         ■
 80歳にして、現役を続けていらっしゃる、
 大先生の投稿です。
 ほんとうに、厚生労働省は何を考えているのでしょうか?
 この5分間ルールというのは、
 再診時の外来管理加算という制度のことです。
      ■         ■
 もともと、再診時に、しっかりとした医学的な説明をした場合に、
 520円の『説明料』を請求してもよろしいですよ。
 というルールだったのです。
 それを、5分間の説明と明文化したのが今年の改定です。
 それでは、10分説明した時や、
 30分説明した時は?どうするの?
 ということになります。
 10分でも30分でも、料金は5分と同じです。
 この辺がいい加減です。
      ■         ■
 少しでも医療費を安くしたい人には、裏ワザがあります。
 この「5分ルール」が適用されるのは、診療所と200床未満の病院だけ。
 大病院へ行けば、外来管理加算も指導料もかかりません。
 お金はないけれど、時間とヒマだけはたっぷりある人は、
 大病院へ通院すると、安く診療を受けられます。
 この辺のカラクリをマスコミでも報道しないのが面白いところです。
      ■         ■
 こちらの内科の先生が書かれたHP、医知場(いちば)
 『よくわかる診療報酬 2008年最新版』に詳しく掲載されています。
 糖尿病や高血圧で、通院していて、
 毎月お薬をいただている方がいらっしゃいます。
 大病院にかかると、再診料700円(実際の負担は3割で210円)に
 処方箋料+お薬代でいただけます。
 診療所でいただくと、
 再診料710円+外来管理加算520円+特定疾患療養管理料2,250円の
 合計3,480円が基本料金。
 3割負担でも、1,040円となります。
      ■         ■
 これは、小型タクシーの基本料金が1,040円。
 ちょっと来るのに時間はかかるが、
 安心快適な大型のリムジンの、基本料金が210円と同じことになります。
 つまり、診療所で月に一度、糖尿病のお薬をいただくと…
 大病院より、830円も余計に払うことになるのです。
 ですから、大きな民間病院の横には
 ○○クリニックなどという、‘診療所’ができていて、
 そちらの、診療所で外来診療をする理由がわかります。
      ■         ■
 診療所が高くなるのは、
 特定疾患療養管理料がかかる、
 がん、甲状腺機能異常、糖尿病、高脂血症、
 高血圧、狭心症、心筋梗塞、不整脈、心不全、
 脳梗塞、慢性気管支炎、喘息、胃・十二指腸潰瘍、
 慢性肝炎、慢性膵炎などの病気の方です。
 私たち形成外科のワキガや眼瞼下垂症ではかかりません。
 外来管理加算の520円(3割負担で150円)が余計にかかるだけです。
      ■         ■
 国民が、このからくりを知ると…
 ますます、安い診療を求めて、大病院に患者さんが殺到すると思います。
 厚生労働省は、
 大病院に外来診療をしても儲からなくする料金体系を作って…
 診療所に患者さんを集めようとしているようです。
 こんなことをしても、日本の医療はよくなりません。
 勤務医がますます疲弊して、開業医になるだけです。
 ほんとうに日本のお役人は頭が悪いと思います。

投稿者 sapporobiyou : 23:48 | コメント (1)

2008年03月30日

通勤災害と交通事故

 帰宅途中に交通事故に遭った私は、
 当然、労災事故(通勤災害)になると思っていました。
 病院で事故に遭った患者さんを診察する時、
 交通事故や労災事故に、健康保険は使えません。
 健康保険は、ふつうに生活していて、病気になった時に使う保険。
 仕事中の事故は、労災保険です。
 料金体系も若干異なります。
 国が決めた決まりです。
      ■         ■
 交通事故は、大部分が車かバイクの事故で起こります。
 自動車損害賠償責任保険(通称:自賠責)という制度があります。
 健康保険は、自動車事故のように、
 第三者によって起こされたケガについては使えないことになっています。
 もし使うとしても、誰にケガをさせられて、
 相手方保険会社は○○損害保険ですと、
 通知しなければならないことになっています。
 これも、国が決めた決まりです。
      ■         ■
 社会保険は、ただでさえ大赤字です。
 自動車事故で、自賠責から支払われるべき治療費まで支払っては大変です。
 近年は特に厳しくなってきています。
 また、労災保険は仕事中や通勤途中の事故でケガをした時に使います。
 私のように、仕事を終わって、
 通勤届けに届けた通りの道や交通機関で、
 自宅に帰る途中の事故は、通勤災害になります。
      ■         ■
 ちなみに、同じ帰宅途中の事故でも、
 仕事帰りに、ちょっと一杯飲んで、帰りに転倒したような時。
 仕事帰りにデパートで買い物をして、
 その帰りにエスカレーターで転倒してケガをした時。
 は残念ながら通勤災害にはなりません。
 寄り道すると、通勤災害にならないという規定があります。
      ■         ■
 会社の業務命令で、取引先の○○社の接待があったとか、
 デパートへ買い物へ行ったのは、自分の買い物ではなく、
 上司から指示された物品を購入に行ったという場合は、
 合理的な説明ができれば、労災になる可能性があると思います。
 この辺は、医師ではなく、社会保険労務士が詳しいです。
 通勤災害か私病による事故かにこだわるのは、補償が違うからです。
 もし、労災の通勤災害でしたら、休業補償も出ます。
      ■         ■
 この程度の知識は、労災病院に勤務していたり、
 通勤災害で負傷した患者さんを治療していると、
 医師でもわかるようになります。
 私は、自分の事故は当然、労災扱いになると思っていました。
 ところが、労働基準監督署に問い合わせても、
 交通事故の場合は、まず自賠責保険を使ってください。
 という回答がきました。
      ■         ■
 つまり、帰宅途中に轢かれた場合は、
 通勤災害でも、自賠責を使って保険会社に費用を請求する。
 というのが、正しいルールだと、その時はじめて知りました。
 問題はそこからでした。
 ランクルの運転手さんは、深く反省していました。
 もし、私の事故が人身事故扱いになると、
 点数がないので免停になる可能性が高いということでした。
 私は、自分の足が轢かれてケガをして、
 警察にも届けたので、当然人身事故だと思っていました。
      ■         ■
 帯広市内は、交通の便が悪く、
 仕事をするには、車がないとできません。
 相手の運転手さんは、私に泣きついてきました。
 私は、轢かれた原因は見通しの悪い交差点にあると思っていました。
 高架事業をしている会社に、文句を言いました。
 すぐに、右折車は歩行者に注意!という大きな看板がつきました。
 相手を責める気持ちもなかったので、保険会社に任せると言いました。
      ■         ■
 ここで問題が起こりました。
 相手方の保険会社は人身事故扱いでないと、
 自賠責保険を出さないと言って来ました。
 私は好きで人身事故扱いを外したのではありません。
 相手が泣きついてきたので、そうしただけです。
 そこで、私は弁護士さんに相談しました。
 相談した弁護士さんは、適切に回答をしてくれました。
      ■         ■
 しばらくすると、相手方の損害保険会社の所長が謝りに来ました。
 私のケースは、その損害保険会社で責任を持って支払いをするという内容でした。
 私としては、治療費をしっかり払ってくれて、
 補償もしてくれるのなら了承することにしました。
 私のケースは、人身事故扱いにしたかどうかはわかりませんが、
 治療費は自賠責から払ってもらいました。
 ただ、仕事は休まなかったので、
 痛い思いをしたのに、
 私がいただいた補償金は多くはありませんでした。
 今では、ケガのことは忘れるくらい快くなりました。
 数年間は寒くなると左足が痛くなり、事故を思い出しました。

投稿者 sapporobiyou : 23:06 | コメント (3)

2008年03月29日

私の交通事故

 私は帯広厚生病院に勤務していた時に、交通事故に遭いました。
 病院からの帰り道で、右後方から右折して来た、
 1ナンバーのランドクルーザーに轢かれました。
 ちょうど、帯広厚生病院の裏にあった、JRの高架工事をしていました。
 ただでさえ、見通しが悪い交差点なのに、
 高架工事で、ますます見通しが悪くなっていました。
      ■         ■
 私も注意して交差点を横断していました。
 気づくと、自分のすぐ左後方にランクルがいました。
 とっさに、身をかわしましたが、
 左足が残りました。
 私の左足の上を、ランクルの右前輪が通り過ぎました。
 一瞬のことで、どのくらいの痛みがあったかは覚えていません。
      ■         ■
 私はすぐに、買ったばかりの携帯電話を取り出しました。
 110番通報をしました。
 私:もしもし、もしもし、車に轢かれました。
 110番:場所はどこですか?
 私:厚生病院の裏の交差点です。
 110番:どちらの厚生病院ですか?
 私:はぁ…?、厚生病院は帯広に一箇所しかありませんょ。
 110番:こちらは釧路警察署です。
      ■         ■
 その当時は、帯広から携帯で110番をすると、
 なんと釧路に繋がりました。
 今は、最新型FOMAから110番をすると、
 GPSのデーター?を送り、自分の位置まで教えてくれるようです。
 私は、自分がいる場所を正確には言えませんでした。
 帯広厚生病院の住所は、
 帯広市西6条南8丁目でした。
 私が轢かれた場所は、おそらく西6条南9丁目付近だったと思います。
 釧路警察署の110番は、帯広警察署に連絡をしてくれ、
 まもなくパトカーが来てくれました。
      ■         ■
 私を轢いたランクルは、若い運転手さんでした。
 『すみません。大丈夫ですか?』
 轢いた方も驚いています。
 『病院へ行きますか?』
 私:私はそこの厚生病院の医者です。
 轢いた運転手さんは、二度びっくりしていました。
 そこへ、パトカーが来ました。
 警察官:大丈夫ですか?救急車を呼びますか?
 私:大丈夫じゃないけど、救急車は呼ばなくてもいいです。
 私は厚生病院の医者なので、病院まで送ってください。
      ■         ■
 私はパトカーに乗せてもらい、
 すぐそこに見えている、帯広厚生病院へ戻りました。
 救急外来の当直の看護婦さんがいました。
 『あら、先生、どうしたの?』
 私:そこで轢かれました。
 『大丈夫ですか?』
 私:左足の中足骨(チュウソクコツ)から先が折れているかもしれません。
 レントゲン当直の方を呼んでくれますか?
 看護婦さんは、私を車椅子に乗せてレントゲン室へ運んでくれました。
      ■         ■
 当直のレントゲン技師さんは、すぐに来てくれました。
 先生どうなさったのですか?
 いやぁ、そこで轢かれました。
 私の左足は、パンパンに腫れており、ずきずきと痛みます。
 1ナンバーのランクルが乗っかったのですから、
 折れているに違いありません。
 レントゲンは、すぐにできました。
 不思議なことに、私が見ても骨折線は見えません。
 ランクルが乗っかったのに、骨は折れませんでした。
      ■         ■
 次に、私の頭をよぎったのは、仕事のことです。
 当時は、私の他に2名の形成外科医が勤務していました。
 合計3名でも、毎日忙しく働いていました。
 約3ヵ月先まで、手術予定が入っていました。
 もちろん、翌日にも手術が入っていました。
 困ったなぁ…。
 骨が折れていないのなら、仕事はできるかなぁ…?
 あの手術は、自分でなければできないしなぁ…などなど。
      ■         ■
 左足がパンパンに腫れたまま、
 私は翌日からも仕事をすることにしました。
 普通の人でしたら、最低一週間は休むところです。
 ここが、医師のつらいところです。
 私は、足を引きずりながら、翌日からも仕事をしました。
 一番大変だったのが、会う人ごとに、
 交通事故でケガをしたと説明しなければならなかったことでした。
 首から、説明文をぶら下げようかと思ったほどでした。

投稿者 sapporobiyou : 22:44 | コメント (2)

2008年03月28日

弁護士特約

 毎日、日記を書くのは、正直なところ大変です。
 ネタを見つけるのが容易ではありません。
 新聞をよく読むようになりましたし、
 他の方が書いたブログもよく読んでいます。
 私のお気に入りは、塩谷先生のブログ
 弁護士の高橋智先生のSammy通信です。
      ■         ■
 お二人とも、毎日更新なさっています。
 先日、
 高橋先生の日記に、弁護士特約のことが掲載されていました。
 私は、自分で交通事故を起こして、
 弁護士さんのお世話になったことはありませんが、
 帯広厚生病院時代に、帰宅途中に車に轢かれたことがあります。
 足を轢かれました。
      ■         ■
 その時は、被害者でした。相手方の過失割合が100%でした。
 私の自動車保険の弁護士特約は、
 被害者でも相談できるシステムでした。
 夜でしたが、フリーダイヤルに電話しました。
 担当の弁護士さんが出てくださいました。
 とても親切で心強かったです。
 それ以来、少し保険料が高くても、
 三井住友海上に保険契約をお願いしています。
 詳しく計算はしていませんが、弁護士特約をつけても
 保険料は年間で数千円高くなるだけだったと記憶しています。
      ■         ■
 高橋智先生は、とてもご立派な先生です。
 北大法学部の講師もなさっていらっしゃいます。
 私も北大が好きなので、
 先生の日記を読んで共感するところがたくさんあります。
 講義の後で、生協の食堂で昼食を食べるところが好きです。
 私も北大生協の食堂が好きです。
 学生さんの中で食べると、自分の若い頃を思い出します。
      ■         ■
 庶民派の高橋先生の日記で気になったのが、
 弁護士報酬の着手金です。
 先生は、
 『(交通事故では)どんな事件でも着手金は10万円しかいただいていない。』
 『着手金が少ない分報酬は通常より高額に設定されている』
 と書かれています。
 確かに、他の弁護士さんにお願いすると、
 もっと高額の着手金を取られるケースも多いと思います。
      ■         ■
 10万円は、ビンボーな学生などには大金です。
 なかなか払える額ではありません。
 誤解して欲しくないのは、相談料と着手金の違いです。
 着手金は、契約をして、お願いする時に払う金額です。
 相談料は、事故を起こして、困っている時に、
 まず相談するだけの費用です。
 素人には、相談料と着手金の区別がつきません。
 私の記憶違いでなければ、
 高橋先生の事務所では、簡単な相談でしたら無料のはずです。
 これでしたら、ビンボーな大学生でも相談できます。
      ■         ■
 医者や弁護士は、とかく‘高い!’という印象を持たれます。
 私も、美容外科の相談だけでしたら無料でお引き受けしています。
 また保険診療ができるものは、出来る限り保険診療で治療しています。
 これは、自分が学生時代にビンボーだったからです。
 私の学生時代は、自分でアルバイトをして、
 父親から車を借りて、
 使ったガソリンは、自分で入れていました。
 高橋先生も、カップヌードルを食べながら、
 北大法学部の給湯族として勉強をして、
 司法試験をパスされました。
 私が、先生を信頼しているのは、
 そのような下積みの時代を経験なさっていて、
 庶民感覚でお仕事をされているからです。
 困ったことがあれば、高橋智先生にご相談なさってください。

投稿者 sapporobiyou : 23:13 | コメント (4)

2008年03月27日

受刑者の入院

 刑務所でケガをした受刑者を入院させることになりました。
 刑務官は、管理面から個室を希望しています。
 受刑者が入院中に脱獄しては、大変なことになります。
 刑務所は、入院中24時間、
 刑務官2名を監視のために貼り付けます。
 無線で刑務所に定時連絡をします。
 刑務官は、医療に関しては素人です。
 ただ、しっかり管理していてくれるので、
 脱獄する恐れも、暴力を振るわれる恐れもありません。
      ■         ■
 受刑者のように問題がある方を入院させる時、
 真っ先に相談しなければいけないのは、病棟婦長(現在は師長)です。
 どの研修医マニュアルにも書いていませんが、
 相談する順番を間違えると、大変なことになります。
 私は病棟婦長を外来へ呼び、受刑者を見てもらいました。
 その病棟で、受刑者を入院させるのははじめてでした。
      ■         ■
 私:婦長さんどうだろう、個室は空いてないよね。
 婦長:○○号室は◎◎さんの容体が悪いので移せませんし…。
 先生、放射線科の患者さんが、退院になっていますので
 ○○号室はいかがでしょうか?
 私:はぁ、悪いね。放射線科の○○先生には、ボクからお願いします。
 婦長:でも先生、もし放射線科の患者さんの容体が悪くなったら、大部屋でもいいですか?
 私:仕方ないよね。
 私:刑務所の方も、もし病室がなくなった時は、大部屋でお願いします。
 刑務官:わかりました。
      ■         ■
 入院が決まったら、次は手術室へ連絡です。
 手術室も婦長に連絡をします。
 私:あぁ~。婦長さん。形成の本間です。
 臨時をお願いします。
 [緊急で手術室で手術することを、臨時手術(通称臨時)と呼びます。]
 手の外傷で、取れた皮膚を移植します。
 麻酔は、ロカール(局所麻酔のこと)でもできるのですが、
 患者さんが受刑者なんです。
 手術室婦長:先生、○○時に手術室が一つ空きます。
 器械の準備は、手の外科セットでよろしいですか?
 私:はい、それでお願いします。
 電メス(電気メスのこと)はバイポーラーもお願いします。
 手術室婦長:承知しました。先生、申し込み(手術申込書)を出してください。
      ■         ■
 入院・手術はこのようにして決まります。
 医師といえど、総合病院で働くには、
 他の部署(特に看護師さん)の協力がないとできません。
 私が入院を決めても、病棟婦長からNO(ノー)と言われては、
 入院できないでのです。
 こうして上半身に立派な刺青が入った患者さんは、
 入院できることになりました。
      ■         ■
 受刑者の手術は順調に終わりました。
 手術は成功しました。
 ただ、皮膚が安定するまでに指を少しでも動かすと、
 移植した皮膚がくっつきません。
 前腕から手にかけてギプスで固定し、指が動かないようにします。
 受刑者は、治療に協力的でした。
 挨拶もしっかりしてくれました。
 回診の度に、お礼を言ってくれました。
 看護婦さんの評判も極めて良好で、
 婦長も私も内心ホッっとしていました。
      ■         ■
 可哀想なのは刑務官でした。
 受刑者は病院のベッドで寝ることができます。
 病院食も3食出ます。
 検温も、清拭も、若くて美人の看護婦さんが
 他の患者さんと何の差別もなく、丁寧にしてくれました。
 それに比べて、刑務官は床に簡易ベッドか、マットを敷くだけです。
 24時間監視が原則です。
 患者さんは、夜グーグー寝ていても
 刑務官は起きて監視です。
 食事もコンビニの弁当を食べていました。
      ■         ■
 一週間を過ぎた頃から、刑務官に疲労の色が濃くなってきました。
 刑務官:先生、キズの具合はいかがでしょうか?
 私:とても良好ですよ。
 刑務官:入院は、あとどの位必要ですか?
 私:最初に、診断書に書いた通りではダメですか?
 刑務官:実は……
 われわれ、入院に付き添ってから、休みも取れず、全員参っています。
 受刑者は、術後経過も良好で、回診の時も楽しそうにしています。
 それに比べて、刑務官は、可哀想なくらい疲れていました。
      ■         ■
 私は、術後経過が良好であったことから、
 予定より早く退院していただきました。
 皮膚は無事に生着し、指の機能障害も残りませんでした。
 最後に診察に来た時に、受刑者は丁寧にお礼を言ってくれました。 
 その後、出所して真人間になったかどうかはわかりません。
 ただ、その手で悪いことはしていないような気がしてます。
 受刑者にも人権があることは理解できます。
 私は受刑者だからといって、治療で差別はしません。
      ■         ■
 悪いことをした人は、罪を償う(つぐなう)べきです。
 罪を償う場所は、刑務所です。
 病院は医療を提供する場所です。
 医療が必要な人に医療を提供するのが、われわれ医療者の役目です。
 精神に異常があるから、無罪にするのは納得できません。
 刑務所に入れて、必要に応じて、精神も治すことはできないのでしょうか?
 病院と刑務所では、
 対応や待遇が違うということをお伝えしたかったので、
 昨日と今日の日記を書きました。

投稿者 sapporobiyou : 18:05 | コメント (2)

2008年03月26日

受刑者の手術

 私は刑務所に入っている受刑者の手術をしたことがあります。
 また殺人犯の手術もしたこともあります。
 受刑者といえど、ケガをしたら手術が必要になります。
 刑務所内では、作業があります。
 刑務所内で作業中の事故は、労災にはなりませんが、
 刑務所(法務省)が治療費を払ってくれます。
      ■         ■
 大きな刑務所には、矯正医官というお医者さんがいます。
 北海道で、専任の矯正医官がいるのは、おそらく札幌刑務所だけです。
 他の、地方都市にある刑務所は、嘱託医が対応しています。
 私が受刑者の手術をしたのも北海道の地方都市です。
 作業中に手をケガしました。
 嘱託医の先生が診察をして、
 専門的な治療が必要と判断したので私に紹介されました。
      ■         ■
 混雑している病院の外来に、
 囚人服を着て、腰縄をつけられた受刑者が来ました。
 少し異様な風景です。
 お隣の眼科の患者さんが不安そうに見ています。
 診察室に刑務官と一緒に入ってきました。
 患者さんは、一見してその筋の方とわかる外見です。
 囚人服を脱ぐと、胸と腕には立派な刺青が入っていました。
 私:いつ、どうやってケガをしました?
 今日、○○の作業中に○○でケガをしました。
      ■         ■
 診察をすると、片手の手掌(手のひら)側の皮膚が、
 ベロッととれて血が出ています。
 嘱託医の先生が、ガーゼを当ててくれていました。
 ガーゼは血だらけです。
 ベロッと取れた皮膚は、拾って来てありました。
 嘱託医の先生が、生理食塩水につけてくれたのでビンに入っていました。
 患者さん(受刑者)への説明です。
 私:手にケガをして、皮膚がなくなってしまっています。
 ここに拾ってきた皮膚がありますが、くっつけるのは難しいです。
 手術をしても、くっつかないこともあります。
 一番、簡単なのは、
 断端形成術といって、指を短く詰めてしまう手術です。
      ■         ■
 私:もし、痛いのがイヤで、早く治したいなら、
 指を短くするのが確実です。
 あなたたちの世界では、指が短いのはよくあることでしょう?
 受刑者:先生お願いです。
 どうか、この拾ってきた皮膚をくっつけてください。
 痛いのはガマンします。
 刑期を終えたら、ちゃんと真人間になります。
 もう悪いことはいたしません。
 どうか治してください。お願いします。
      ■         ■
 私たち医師は、相手がたとえ受刑者であろうと、
 『どうか治してください。お願いです。』
 という言葉には弱いのです。
 私:そんなことを言って、
 刑務所を出たら、またこの手で悪いことをするのでしょう?
 短くした方が、早く治りますよ。
 痛いのも短くて済みますよ。
 (ちょっと意地悪な言い方です…)
      ■         ■
 受刑者:痛いのもガマンします。
 たとえ皮膚がくっつかなくても、文句は言いません。
 ちゃんと先生や看護婦さんの言うことも聞きます。
 どうか治してください。お願いします。
 刺青が入っているのに、怖そうなところはありません。
 確かに、私が手術をすれば皮膚がくっつくかもしれません。
 ただ、もし皮膚がうまくくっつかなければ、後遺障害も残ります。
 痛みもかなり続く可能性があります。
 また、くっつけた皮膚が化膿してしまうリスクもあります。
 早く治すには、指を短く詰めるのが一番です。
      ■         ■
 私は、診察室の奥へ行って、刑務官と話しました。
 受刑者は、皮膚をくっつけてくださいと話しています。
 もし、皮膚をくっつける手術をすると、入院が必要になります。
 入院期間は、最低2~3週間は必要です。
 刑務官は困った顔をしています。
 結局、その取れた皮膚をくっつける手術をすることになりました。
 刑務所では、受刑者が入院して手術をすることを認めてくれました。
 手術が必要になったのはいいのですが、それからが大変でした。
 何がどう大変だったのかは、明日の日記に書きます。

投稿者 sapporobiyou : 21:32 | コメント (1)

2008年03月25日

精神と犯罪

 各地で凶悪な犯罪が目立っています。
 優秀な弁護士さんは、‘責任能力’を強力な武器として、
 無罪を主張してきます。
 そうすると、‘犯罪者’の中には、刑務所ではなく、
 精神病院へ入院させてもらえる人が出てきます。
      ■         ■
 刑務所と精神病院では待遇に雲泥の差があります。
 食事一つとっても、
 ‘犯罪を犯した患者’だからといって、
 差別されることはありません。
 一般の入院患者さんと同じ、病院食が出されます。
 希望すれば、おかわりもできます。
      ■         ■
 私は学生時代に、真剣に精神科医になろうと思った時期がありました。
 理由は、簡単です。
 ‘血を見るのが怖かったから’です。
 今の私を知る人は、
 『えぇ~???』と驚かれるに違いありません。
 毎日、血を見て仕事をしていますから…。
      ■         ■
 私が精神科を諦めた理由も簡単でした。
 治らない、
 治せない、
 患者さんが実に多いからです。
 どこの精神病院にも、
 人生の大半を病院で過ごしている方がいらっしゃいます。
 他の診療科では考えられないことです。
      ■         ■
 大部分の方は、生活保護を受けていらっしゃいます。
 すなわち、税金が使われています。
 患者さんの中には、医師免許証を持った人もいました。
 医師免許証を持っていても、
 人生の大半を精神病院で過ごしていました。
 そこの病院の治療方針が悪くて治らないのではありません。
 ある割合で、どうしても治せない患者さんがいるのです。
 悲しいことですが、これが精神医学の限界です。
      ■         ■
 私は、犯罪を犯した人を、精神を理由に無罪にするのには反対です。
 無罪にして、精神病院へ入れたとしても社会はよくなりません。
 精神病院では、刑務所ほど厳重に患者さんを管理しません。
 いや、管理なんてできません。
 タバコを吸うのも自由です。
 中には、病院で妊娠しちゃう人も出てきます。
 他の病棟と比較すると、看護職員の数が少ないのが精神科です。
 看護職を増やすと、それだけお金がかかるからです。
 国の方針です。
      ■         ■
 精神科勤務の職員には、程度に応じて、
 ‘危険手当’が支払われる場合があります。
 閉鎖病棟で、凶暴性のある患者さんを看護する職員などです。
 私が、知っている看護職の方で、
 患者から暴行を受けて意識不明の重体となった男性がいます。
 残念なことに、後遺障害も残ってしまいました。
 精神科勤務は、時に命がけです。
      ■         ■
 医学生は全員精神神経科を履修します。
 選択科目ではありません。
 実習へ行くと、分厚い辞書のようなカルテを目にします。
 何十年も、精神科に入院していた患者さんのカルテです。
 そのカルテを見ただけで、精神医療の難しさを痛感できます。
      ■         ■
 私は、司法修習生など、法曹界の方が、
 精神神経科に実習に来ているの見たことがありません。
 もし、私が間違っていたら、ごめんなさい。
 弁護士さんや裁判官、検察官になる方は、
 日本の精神医学の状況や精神病院の現実を見るべきだと思います。
 どうしたら、日本を安全で住みやすい国にできるか?
 ‘犯罪を犯した患者’を精神病院に入れるだけでは、
 決して、安全な国はできないと思います。
      ■         ■
 形成外科や美容外科も万能ではありません。
 私が手術をしても、治せないキズもあります。
 私が手術をしても、満足していただけないこともあります。
 でも、それは治療前に説明していますし、
 納得していただかなくては、手術をお引き受けしていません。
 まさか、美容外科に行ったら、
 どんな人でも美人になれるとは考えていないと思います。
 でも、ひょっとすると、法曹界では?
 精神病院に入院したら、
 ‘犯罪を犯した患者’が治ると思っているのでしょうか?

投稿者 sapporobiyou : 23:13 | コメント (1)

2008年03月24日

犬に咬まれる

 飼い犬に手を咬まれるという言葉があります。
 実際に飼い犬に手を咬まれる人がいます。
 私も、チェリーが仔犬の時に咬まれました。
 医学用語では、犬咬傷(イヌコウショウ)と呼んでいます。
 ‘犬咬傷’で検索すると、かなりひどいケガの写真が出てきます。
 勇気のある方はチャレンジしてみてください。
      ■         ■
 私は、美容形成外科医になる前は、
 総合病院の形成外科医を20年以上していました。
 今から、20年以上前のことです。
 釧路労災病院形成外科に勤務していました。
 毎年、春になると、
 犬に咬まれたという患者さんが増えました。
 一緒に働いていた、
 藤岡浩賢(ふじおかひろたか)先生に調べてもらいました。
      ■         ■
 藤岡先生は、とても真面目で優秀な先生でした。
 釧路労災病院形成外科を開設してから、
 10年近くのカルテを丹念に調べてくれました。
 その結果、釧路労災病院形成外科では、
 毎年、春と秋に犬に咬まれてケガをし、
 受診する人が多いことがわかりました。
 藤岡先生は詳しく調べてくれましたが、
 春と秋に多い原因は不明でした。
 当時は、まだ今ほど室内で飼うのは一般的ではなかったと思います。
 ただ、犬の発情期と何らかの関係があるようでした。
      ■         ■
 私はチェリーに手を咬まれました。
 それは、仔犬の時にしつけをしている最中でした。
 私は散歩こそ、チェリーの晩年にしませんでしたが、
 チェリーの歯磨きと歯石取りは最期まで私の仕事でした。
 家内や子供がすると、
 最期まで「う~」っとうなって抵抗しました。
 私がしても嫌がって逃げ回りましたが、
 つかまると観念しておとなしくさせてくれました。
      ■         ■
 形成外科で外傷を診ていると、犬の他に
 人間に咬まれて受診する方も、マレにいらっしゃいました。
 たいていは、喧嘩か痴情のもつれによるものです。
 犬に咬まれても、人間に咬まれても、
 咬まれた傷は汚くなります。
 これは、口の中には想像以上に雑菌が多く、
 どんなに可愛い仔犬でも、
 どんなに美しい女性でも、
 咬んだ歯に、バイ菌がついているからです。
      ■         ■
 犬で問題になるのが、パスツレラという菌腫です。
 私は一度しか診たことがありませんが、
 パスツレラに感染すると、痛くて赤く腫れ上がって、
 それはそれはひどいキズになります。
 そうなるとキズを治すプロの形成外科医でも難しくなります。
      ■         ■
 実は、犬に咬まれたキズで一番困るのが顔のケガです。
 私もよくしていましたが、
 犬に顔を近づけて‘よしよし’をします。
 チェリーはよく私の顔をペロペロしていました。
 この時に、犬が間違って咬むと大変です。
 口唇がちぎれてなくなった人もいます。
 鼻の頭が、食いちぎられてしまった人もいます。
      ■         ■
 若い女性や子供さんには、絶対に、
 犬にペロペロは避けていただきたいです。
 私が今までに診た患者さんの中で、
 一番重症だったのは、
 女性に鼻の頭を食いちぎられた男性でした。
 ‘男だからしょうがないさ’と簡単に片付けられない状態でした。
 修復するのに何年もかかりました。
 春はうきうきして楽しい季節ですが、
 ‘不慮の事故’が多いのも春です。
 くれぐれも気をつけてください。

投稿者 sapporobiyou : 23:22 | コメント (2)

2008年03月23日

精神鑑定

 平成20年3月23日、北海道新聞の記事です。
 香山リカのひとつ言わせて⑬ 
 精神鑑定ってなんだろう
 東京・渋谷の夫殺害事件の精神鑑定が話題となっている。
 検察側、弁護側、双方の鑑定医が
 「被告は短期精神病状態にあり、責任能力はなかった」
 という鑑定結果を公判で述べたのだ。
      ■         ■
 特に検察側の鑑定医が
 被告の罪が軽くなるような鑑定結果を述べることは異例、
 と言われている。
 精神科医には「文系」と「理系」のタイプがいるが、
 検察側の鑑定医は、
 日本でも珍しい「文系、理系どちらも得意」のひとり。
 精神医学の世界の中にも、
 「あの彼が言うなら」
 と鑑定結果を支持する人も少なくない。
      ■         ■
 大学で学生たちにこの件について意見を聞いたら、
 「殺人を犯して責任能力がないから無罪や減刑、というのはおかしい」
 という声とともに、
 「そもそも、検察側の鑑定医だからといって厳しいことを言え、というのはどうして」
 という声があった。
 確かに客観的でなければならない精神鑑定で、
 「弁護側だから」
 「検察側だから」
 という主観が入るのはおかしな話のような気もする。
      ■         ■
 とはいえ、
 「短期精神病という一過性の病名で、夫を殺しても無罪?」
 と疑問に思う人がいるのも当然だ。
 裁判のスピードアップが要求され、
 精神鑑定のあり方も変わってくると言われている。
 この「異例の鑑定結果」は、
 私たちにもう一度、「精神鑑定ってなに」
 と問いかけているのではないだろうか。
                 (精神科医)
 (以上、北海道新聞から引用)
      ■         ■
 秋田の児童殺害事件でも、
 精神鑑定が問題になっています。
 そもそも、精神状態が普通の人は、
 自分の子供や夫を殺しません。
 自殺を図って、救命救急センターに搬送される方も、
 精神疾患がベースにある方が多いと言われています。
      ■         ■
 それでは、精神鑑定が出て、
 複数の精神科医が、
 『この人が犯罪を犯したのは、病気のためです』
 と鑑定書を出せば、無罪にしてよいものでしょうか?
 私は、そうは思いません。
 精神病院に入院している患者さんの中には、
 『オレは○○で人を殺した』と、
 大っぴらに公言している人もいました。
      ■         ■
 その患者さんが言っていることが、
 ウソかホントかはわかりません。
 ただ精神病院に入れたからといって、
 ‘完治’させられる訳ではありません。
 精神疾患は再発率も高く、
 一番治しにくい病気の一つです。
      ■         ■
 犯罪者は犯罪者です。
 精神疾患を免罪符にして、
 無罪放免だけは勘弁してください。
 子供を殺された親の気持ちはおさまりません。
 精神科医といえども万能ではありません。
 ウソを言われても、わかりません。
 オウム真理教の教祖様を‘精神疾患’で無罪にできますか?
 仮病(けびょう)を見分けるのは、難しいのです。
 精神医学にも限界があります。
 犯罪者は犯罪者として刑務所に入れて、
 死刑にするのは法律家の仕事です。
 ‘医学’が関与すべきではないと思います。
 横綱だって、‘病気’を理由にしていたではありませんか!

投稿者 sapporobiyou : 21:21 | コメント (1)

2008年03月22日

春の訪れ

 札幌はすっかり雪がなくなりました。
 一ヵ月前の大雪がうそのようです。
 昔は、春になると、道路の雪を割る、
 『雪割り』という作業がありました。
 道路に小さな川ができて、池のようになります。
 その池のようになった水溜りから、
 低いところへ流れるように、‘道’をつくります。
      ■         ■
 暖かな日差しで溶けた雪は、
 ちょろちょろと流れて、低いところへ広がります。
 いつの間にか、小さな流れが少しずつ大きくなり、
 水溜りが消えた頃には、水の‘道’の跡形もなくなります。
 そこには、雪の下で眠っていた道路が出てきます。
 道路が出ると、大好きな自転車を持ち出します。
 半年ぶりに乗る自転車は爽快で、
 いくつになっても気分がよいものです。
      ■         ■
 私は、小さい頃に足を悪くしたためか…
 スポーツは苦手でした。
 唯一得意科目だったのが、スキーでした。
 走るのもダメ、
 球技もダメ、
 一番嫌いだったのが、体育のマット運動などでした。
 4月に学校が始まると、
 マット運動から始まるのでイヤでした。
 自転車だけは、運動神経と関係なく好きでした。
      ■         ■
 はじめて自転車に乗ったのは、
 小学校入学前だったと思います。
 補助車という、支えをつけてもらって、
 親に後ろを支えてもらって練習しました。
 あまり苦労せず、
 痛い思いもせずに乗れたと思います。
 だから自転車が好きになったのでしょう。
      ■         ■
 最初の自転車は16インチ。
 次に買ってもらったのが、丸石自転車の24インチ。
 お小遣いをためて、貯金して、
 親にもお金を足してもらって買ったのが、
 ミヤタ自転車の26インチ。
 外装5段変速のついた、カッコいい自転車でした。
 嬉しくて、毎日ピカピカに磨いていました。
      ■         ■
 私が茶志内にいた頃、
 小学校6年生くらいで買ってもらった記憶があります。
 生協から買ったので、
 私が買う前に展示してありました。
 他の子供たちも、その自転車が欲しかったと思います。
 今のようにホームセンターに
 何十台も山積みになっているのではありません。
 そのカッコいい自転車は一台限りでした。
      ■         ■
 どこへ行くのも自転車でした。
 茶志内から美唄までは、
 路線バスがありましたが、
 休日には一家で自転車に乗り、
 美唄の公園まで行きました。
 自家用車なんてありませんから、自転車でも最高でした。
 茶志内周辺には、
 石狩川の河川改修でできた三日月湖がたくさんありました。
 そこへ、父親と釣りに行きました。
      ■         ■
 この50年で、自転車の価格は驚くほど安くなりました。
 札幌駅周辺では、指定場所でしか自転車をとめられません。
 しかも駐輪場は有料です。
 自転車はいたるところに放置されています。
 誰もが、自転車を大切にしなくなりました。
 自転車好きの私にはとても残念なことです。
 もう少し、自転車を大切にする世の中になって欲しと思います。
 CO2を排出するのは、乗る人だけです。

投稿者 sapporobiyou : 23:57 | コメント (2)

2008年03月21日

診察券

 平成20年3月21日の朝日新聞朝刊、
 声の欄(読者からの投稿)に掲載されていた記事です。
 奥さんが、心筋梗塞を発症して救急車を呼んだ。
 救急隊員から、最近かかった病院の診察券がないか聞かれた。
 健康保険証と一緒にしてあった、大病院の診察券を見せた。
 救急隊員は、その診察券をひったくるようにして取り上げ、
 病院へ連絡。
 すると、即座に入院のOKが出た。
      ■         ■
 この男性投稿者が言いたいのは、
 診察券の有無で、受け入れが決まってもよいものだろうか?
 病院としては、医療費不払いを防ぐために、
 診察券の有無で、救急患者を振り分けているのでは?
 道義に反しているのではないだろうか?
 診察券の有無にかかわらず、
 目の前の救急患者を受け入れるべきではないだろうか?
 というのが、投稿の主旨です。
      ■         ■
 この投稿者が不思議に思われるのはもっともです。
 ただ、医療費不払いを怖れて、
 診察券の有無で振り分けているのではありません。
 診察券を持っているということは、
 現在その病院で治療を受けているか、
 過去に治療を受けたことがあることの証明です。
      ■         ■
 診察券の番号がわかると、すぐにカルテが出てきます。
 その方の病歴もわかります。
 入院癧があると、詳細な記録が残っています。
 病院は、『一見(いちげん)さんお断り』の高給店とは違います。
 診察券を持っていらっしゃる方に治療上の責任があるので、
 たとえ急病になっても診てもらえるのです。
 ですから、たとえ2時間待ちの3分診療でも、
 大病院の診察券を持っていると役に立ちます。
      ■         ■
 私が勤務していた時代の市立札幌病院も同じでした。
 まず、通院中の患者さんと一般の救急患者さんは
 担当する当直医が違います。
 通院中の患者さんの容態が悪くなって
 病院へ電話が来た時は、
 まず、‘一般当直’の看護師・医師が診察します。
 ‘一般当直’は、私のように、
 救急医療部以外の診療科の医師や看護師が、
 輪番制で当直をします。
 医師は、当直をしても、翌日に通常の診療や手術をします。
      ■         ■
 一番多かったのが、喘息患者さんでした。
 患者さんが苦しそうに、
 『先生、いつもの点滴をお願いします』
 と言われます。
 カルテにも主治医から、
 救急外来を受診した際には、
 ○○の点滴をしてくださいと指示が書いてあります。
 何度か当直をしていると、主治医ではないのに
 喘息患者さんと顔見知りになることもありました。
      ■         ■
 専門外の私でも、指示があれば、その通りに点滴はできます。
 救命救急センターとは、救急のレベルが違いました。
 突然、通院中の患者さんの容態が極端に悪くなることもあります。
 その時は、一般当直の当直医が診察し、
 必要に応じて、主治医と連絡をとって対処します。
 小児科や循環器内科などは、担当医を呼ぶこともありました。
      ■         ■
 たとえ札幌市民が作った
 札幌市民のための市立札幌病院でも、
 無条件に夜間の救急患者を受け入れると、
 パニックになります。
 札幌市の夜間救急は、夜間急病センターが担当。
 急病センターで手に負えない方が、
 二次救急、三次救急の病院へ来られます。
 それが、札幌市が決めたルールです。
      ■         ■
 朝日新聞へ投稿された読者の奥様は
 「もう少し処置が遅かったら危なかった」と言われながら、
 10日後に無事に退院できたそうです。
 日本の救急医療現場は大変です。
 一瞬の判断が、生死やその方の予後を大きく変えます。
 救命救急センターに、風邪の患者さんまで来ては
 助かる患者さんも助からなくなります。
 受診する方のモラルも必要なのが救急医療です。

投稿者 sapporobiyou : 23:49 | コメント (1)

2008年03月20日

お葬式

 今から50年近く前のことです。
 私は、札幌郡手稲町に住んでいました。
 父が勤務していた、三菱砿業㈱手稲療養所の職員住宅です。
 幼稚園へ入園する前に、
 近所の、仲良しだった男の子が亡くなりました。
 内科の先生の一人息子でした。
      ■         ■
 お湯で大ヤケドをして、亡くなってしまいました。
 私は、ヤケドの治療をたくさんしました。
 受傷直後から、どのような経過をとって亡くなったかよくわかります。
 子供がヤケドをすると、最初は痛いいたいと泣いています。
 救命処置をしないと、そのうちグッタリしてきます。
 大ヤケドをした時には、まず点滴をします。
 子供はショックになりやすいので、まず点滴をします。
      ■         ■
 現在は、子供でも、大ヤケドの治療は救急部が担当します。
 今から50年も前のことです。
 当時、どんな点滴があったかわかりません。
 小さな子供に点滴をするのは、難しいことです。
 その子にどんな治療をしたかもわかりません。
      ■         ■
 父の話しですと、当時、先生は北大で研究をしていて、
 北大から手稲の社宅に帰って来て事故が起きました。
 先生は、すぐに車を手配して、
 子供を札幌医大に搬送したそうです。
 一晩、札幌医大で治療をしましたが、
 残念なことに、子供さんは帰らぬ人になってしまいました。
      ■         ■
 私より、少しお兄ちゃんだったと思います。
 その子のお通夜に、母に連れられて行きました。
 当時は、自宅に祭壇を作って、自宅でお通夜をしました。
 祭壇には、その子の写真といっしょに、
 大きなリンゴが供えてありました。
      ■         ■
 私は子供だったので、その子の死が、
 どういうものなのか、わかりませんでした。
 母親に、もう○○ちゃんとは遊べないんだよ。
 と言われた程度の記憶しかありません。
 お通夜がどういう意味を持っていたのかも、
 理解していませんでした。
 私は無邪気に、あのおリンゴ美味しそうだね。
 と言ったのだけ覚えています。
      ■         ■
 両親の話しですと、
 一人息子を亡くした先生は、ずっと亡くなるまで、
 息子を助けられなかったことを
 悔やんでいたそうです。
 私の父を含む同僚や医師仲間も、
 子供を助けられなかったことを悔やんでいました。
      ■         ■
 私が、手稲から美唄へ引越し、
 小学校3年生程度になった頃です。
 その先生が、ひょっこりと自動車で遊びにいらっしゃいました。
 当時、自家用車は珍しく、
 子供の私は、その先生の自動車を触ったり、眺めたりしていました。
 後部の窓に、『模範者』と書かれた、
 赤いステッカーが貼られていたのを覚えています。
 無事故無違反だと、ゴールド免許証ではなく、
 ステッカーをくれた時代でした。
      ■         ■
 先生は、車から降りると、
 しきりに私の頭を撫でてくれました。
 『けんちゃん、大きくなったなぁ!』
 『こんなに大きくなったんだぁ。もう足は大丈夫?』
 私は、当時どうして○○ちゃんのおじさん(先生)が、
 こんなに私の頭を撫でてくれるのかわかりませんでした。
      ■         ■
 自分がおじさんになってわかりました。
 先生は、 私を見て、
 自分の亡くなった一人息子を想い出していたのです。
 ○○も、生きていたら、こんなになっていたのだろうなぁ!
 と感慨深く私を見ていらしたのです。
 その先生とは、その後お会いした記憶はありません。
 昭和54年7月にお亡くなりになりました。
 私の父と同年代でしたが、
 父よりずっと若くしてお亡くなりになりました。
      ■         ■
 人間の幸せなんて、わからないものです。
 お医者さんになって、裕福に暮らしていても
 自分の子供を亡くすると、突然、不幸になります。
 平凡でも、
 親子そろって、晩御飯を食べられる家庭が一番です。
 私たち、医師がお手伝いできるのは、
 人間の生活のほんの一部です。
 もうヤケドの子供を助けることはできませんが、
 少しでも、他人に喜ばれる仕事をしたいと考えています。

投稿者 sapporobiyou : 22:09 | コメント (2)

2008年03月19日

神さま!

 私は、クリスマスには教会の賛美歌に耳を傾け、
 大晦日(おおみそか)には、お寺の除夜の鐘を聞き、
 お正月には神社に初詣(はつもうで)に行きます。
 外国人が聞いたら驚くような、‘信心深い’日本人です。
 結婚式は、ホテルの結婚式場で、
 二礼二拍手一礼の作法で、
 玉串(たまぐし)を奉げ(ささげ)ました。
 私たち夫婦の神様は、
 三吉神社(みよしじんじゃ)という
 札幌市内中心部にある神社の、ホテル内出張所でした。
      ■         ■
 こんな信心のない、不心得な私でも、
 困ったことや、辛いことがあると…
 『神さま!』と思うことがあります。
 『おぉ、神よ!神さまよ!』
 『あなたは、どうしてこのように惨い(むごい)ことをなさるのか?』
 と思うことがあります。
 せっかく、自分や自分の家族が楽しみにしていたことを…
 あなたは、なぜ無残なことをなさるのか…
 と、神を思うこともあります。
      ■         ■
 医学なんて偉そうにしていても、無力なものです。
 一番力をもっているのは、自然の摂理(せつり)。
 自然の力にはかないません。
 世の中は、楽しいことばかりではありません。
 辛いつらいことも、たくさんあります。
 つらいことに出会った時に、人間は神頼みをします。
 自分の力では、どうにも、どう努力しても、
 かなわないことがあります。
      ■         ■
 私たち医師は、人の死と対面します。
 葬儀屋さんの次に、
 人の死と多く接する職業かもしれません。
 私たち医師でも、
 自分の家族の死を受け入れなければならないことがあります。
 私の人生の中で、何度か、
 つらい、悲しいお葬式に出たことがあります。
 それは、子供の死です。
      ■         ■
 私は救急医療の現場で多くの人の死を見ました。
 朝、元気で家を出て行った人が、
 ある日、突然救急ホールに搬送されて来て、
 治療の甲斐なく帰らぬ人となってしまうことがあります。
 その死が予期せぬことであればあるほど、
 人の心に深い悲しみを残します。
      ■         ■
 医師といえど、
 最愛の子供を亡くした親の気持ちは同じです。
 私が知っている人の例です。
 自分の後継者になると喜んでいた息子が、
 山で遭難して、若くして亡くなってしまった。
 東京の大学で勉強していた息子が、
 湘南海岸で水死してしまった。
 可愛い子供にガンができて、
 手術をしたけれど転移して亡くなってしまった。
 どの子供の死も、ごく身近な先生に起こりました。
      ■         ■
 子を亡くした親の気持ちは悲しいものです。
 私の場合は、少し状況が違いますが、
 自分の娘が私のもとからいなくなりました。
 こんな‘クソ真面目なおやじ’から、
 どう突然変異して、あんな娘になったのか?
 私は深く傷つき、怒りと悲しみで気が変になりました。
 その時に、私を救ってくれたのは、
 『先生、かわいそう…』という言葉でした。
      ■         ■
 どんなに真面目に一生懸命に生きていても
 『どうして?』
 『なぜ?』
 『どうして、神さまはこんなことをするの?』
 ということに遭遇します。
 私の友人の韓国の先生が言いました。
 『運命です』
 私は、その先生の言葉が忘れられません。
 人間には、
 人生には、
 つらいことがたくさんあります。
 それを乗り越えて、人は生きていかなければなりません。
 悲しい時は、思いっきり泣いて…
 泣いて…泣いて…
 涙が枯れるまで泣いて…
 そうして、時間とともに少しずつ、回復できるのだと思います。

投稿者 sapporobiyou : 23:59 | コメント (1)

2008年03月18日

外国人看護師

 日本の医師・看護師不足対策の一つとして
 外国人看護師の活用を図る方法が取り上げられています。
 弁護士の高橋智先生Sammy通信
 平成20年3月18日の朝日新聞に掲載されています。
      ■         ■
 特に、今朝の朝日新聞の記事が気になりました。
 フィリピンでは、
 医師・看護師の海外流失が深刻な問題となっています。
 フィリピンの医師の月給が5万8千円程度。
 米国で看護師の資格を取得して、
 看護師として働くと、月給が40万円になる。
 フィリピンの医師国家試験に
 一番で合格した優秀な先生が米国の看護師になって
 社会問題になったそうです。
      ■         ■
 私の友人の先生が、
 国際協力事業団の仕事で数年間フィリピンに滞在しました。
 彼は医師で、フィリピンの医療問題を担当していました。
 朝日新聞にも書かれていましたが、
 フィリピンの僻地医療は、日本の比ではないそうです。
 とにかく、医師も看護師もいない。
      ■         ■
 フィリピンの医科大学を卒業した、‘優秀な’医師が、
 高給を求めて、海外で看護師として働きます。
 米国、英国、アラブなど、お金持ちの国へ流失です。
 この上、日本が円高を背景に、
 フィリピンから看護師を‘輸入’してしまうと…
 新たな国際問題となりそうです。
      ■         ■
 私は、フィリピン人が嫌いではありません。
 人種差別もありません。
 ただ…
 日本人看護師でも、指示を間違えて注射をして…
 医療事故が起きています。
 言葉の違いは、医療では致命的な事故になる可能性があります。
 看護は、微妙な意思疎通が必要な領域です。
 病んでいる、苦しんでいる患者さんの
 一番近くにいるのが看護師さんです。
 『ちょっと、お願い!』
 と言われただけで、ピンと来る勘が必要です。
      ■         ■
 2月にあった、JAL機の離陸事故も
 Expect immediately takeoff.
 のExpectを聞き逃し
 Immediateだけが聞こえたための事故です。
 あらためて、国際線の機長をしている知人に聞きました。
 私が日記で書いた通りに、
 外国の航空管制官は、Immediateという言葉は
 絶対にtakeoffとペアーで使う
 つまり、『ただちに離陸しなさい』としか使わないそうです。
 だから、千歳の管制官が
 『ただちに離陸指示がでることを予測しなさい』
 という表現を使ったことが、事故の誘因になっています。
      ■         ■
 航空機の外国人パイロットや客室乗務員を雇用するのと
 外国人医師や外国人看護師を雇用するのは
 医療の安全を考えた時に、まったくレベルが違う問題です。
 外国人客室乗務員が乗った飛行機に、搭乗することがあります。
 日本人CAが来てくれると、ほっとするのは私だけでしょうか?
      ■         ■
 日本の医療を考える時に、安易に外国人に頼るのは誤りです。
 外国人を雇うと、その外国人の母国では
 それだけ医師や看護師が減ります。
 私は医療分野だけは、
 日本語を母国語とする、
 医師や看護師が担う(ニナウ)べきだと考えています。

投稿者 sapporobiyou : 23:56 | コメント (1)

2008年03月17日

心を癒す(いやす)

 何度も日記に書いています。
 医師はストレスの多い仕事です。
 決して、楽で、儲かる職業ではありません。
 診療科目や立場によってストレスは違いますが、
 私のように、一人で開業していると、
 医業以外のことで、ストレスがかかります。
      ■         ■
 手術で悩むことは、まずありません。
 クリニックの運営、労務、経理、人事など
 今までの経験が役に立たないことで、
 問題が発生すると悩みます。
 私の先輩が何人か、
 大病院の院長に就任なさいました。
 お気の毒なことですが、
 一番多くマスコミに登場するのは、
 頭を下げているところ…。
 謝罪の記者会見です。
      ■         ■
 大病院の院長ともなると、すべての責任がかかります。
 1,000人近い患者様や、それとほぼ同数の職員のことなど
 いくら頭が良くても、すべては掌握できません。
 近年は、それに経営問題が重くのしかかります。
 国公立病院で‘黒字経営’をするのは、
 並大抵のことではありません。
 私の何倍もストレスが多いことと思います。
      ■         ■
 私は、酒も飲まず。
 タバコも吸わず。
 ススキノに通うこともありません。
 どうやって?
 ストレス解消をしていると思いますか?
 健康管理のために、スポーツクラブに通っています。
 スイミングを、ほぼ毎日、少しずつしています。
      ■         ■
 ストレス解消になっているか?と聞かれると…???
 適度に疲れるので、よく眠れます。
 ただ、あぁ~、
 これは良かったなぁ~、
 というような、感動はありません。
 たまにストレス解消をしたいと思います。
      ■         ■
 一昨日の夜、‘サーカス’のコンサートに行ってきました。
 そして、昨夜は、‘さだまさし’さんのコンサートに行ってきました。
 たまたま、家内が‘さだ’さんのチケットを買った後で、
 サーカスの30周年記念コンサートのことを知り、
 2晩続けてになりました。
 少し、贅沢でしたが、
 いやぁ~~、これはよかったです。
 どちらも、とても心が癒され(いやされ)ました。
      ■         ■
 サーカスのお姉さん、叶正子(かのうまさこ)さんと
 さだまさしさんが、同じ1952年生まれ。
 サーカスの叶高(かのうたかし)くん、
 と私は札幌西高校の同期で1954年生まれ。
 どちらのコンサートも、
 観客は圧倒的に、おじさんとおばさん。
 男女比では女性が多い印象でした。
      ■         ■
 サーカスの叶くんも
 さだまさしさんも
 コンサートに来てくれたお客さんから
 『来てよかった!』
 『歌を聴いて元気が出ました!』
 『また元気を出して頑張ります!』
 と言われるのが、一番の励みになるそうです。
      ■         ■
 さだまさしさんのコンサートは、はじめてでした。
 約3時間近く、途中休憩もなしで、
 歌いっぱなし、
 話しっぱなし、
 でした。
 さだまさしさんのトークが、
 こんなにおもしろいとは知りませんでした。
 さださんは、幼少の頃、
 お坊ちゃまでバイオリンを習っていたそうです。
 その後、お父様の事業がうまく行かなくなり、
 豪邸住まいから、一転しました。
 ご自身でも、
 映画事業の負債から30億円もの借金をかかえられました。
      ■         ■
 コンサートは通算3,500回を超えたとお話しされました。
 とにかく、すごいパワーでした。
 歌を通じて、多くの人の心を癒してくださっています。
 私も心を癒していただきました。
 歌を聴いて、元気をいただくのはよいことだと思います。
 これからも、少しずつ、コンサートに足を運んでみようと思いました。
 自分も、少しでも人の役に立つ仕事をしようと思いました。
 私たちの50歳台という年代は、
 こんな風に考える年頃なのかなぁ…
 とも思いました。

投稿者 sapporobiyou : 23:56 | コメント (2)

2008年03月16日

塩谷先生のお父様ご逝去

 北里大学名誉教授、塩谷信幸先生のお父様が、
 106歳-(マイナス)10日でご逝去されたと、先生のブログに掲載されていました。
 心からご冥福をお祈りいたします。
 塩谷先生は、日本形成外科学会の重鎮で、現在は名誉会員です。
 1931年のお生まれで、
 私の恩師である、北海道大学名誉教授の大浦武彦先生と同年代です。
      ■         ■
 塩谷先生は、毎日ブログを更新されています。
 私が、毎日、日記を更新する支えとさせていただいています。
 今日は、疲れて書くことがないなぁ~と思っている時には、
 塩谷先生のブログを読んで、気を取り直して書くこともよくあります。
 ここ数日、お父様の容体が悪いと書かれていたので、
 気になっていました。
 多摩丘陵の桜が見える
 『よみうりランド慶友病院』へ移ることができるように…
 と私も願っていたのですが、残念です。
      ■         ■
 塩谷先生がブログに書かれていたように、
 日本の高齢者医療政策は最悪です。
 新聞の読者投稿欄には、
 「姥捨て山の医療政策」なんて言葉が出ていて、
 高齢者の怒りが爆発しています。
 ある人が、
 「われわれは、第二次世界大戦を生き抜いて来た」
 「国は、ご苦労さんと」
 「高齢者の医療費を全額国庫負担にするくらいのことはできないのか?」
 と書かれていました。
      ■         ■
 私の親も、家内の親も、
 「ポックリ楽にお迎えが来てくれたら一番いいのに…」
 とよく言っています。
 私の親など、
 「お前、もうダメになったら、苦しまないように…」
 「こっそり…、楽にしてくれないものかねぇ…」
 なんてことまで言います。
 私:そんなことしたら、医師免許取り消しで、食べていけなくなる。
 正直なところ、
 私だって、コロリと楽にあの世へ行けたら幸せだと思います。
      ■         ■
 家内の両親が一時期、奈良県香芝市に住んでいました。
 私も、たまに香芝へ行っていました。
 その時に、『ぽっくり寺』という看板をよく見ていました。
 当時は、
 さすが奈良には、おもしろい名前の寺があるものだ。
 と思っていた程度でした。
 実際に行ったことはありませんでした。
      ■         ■
 Googleで『ぽっくり寺』を検索してみると、
①奈良県香芝市良福寺361 (元祖)
 阿日寺(あにちじ)
②奈良県生駒郡斑鳩町小吉田1-1-23
 吉田寺。よしだ寺と書いて、きちでんじ。
 の2つの寺がありました。
 おそらく、私が見た看板は
 阿日寺(あにちじ)だったと思います。
      ■         ■
 このお寺のご利益のせいかどうかわかりませんが、
 家内の父は、64歳でポックリと亡くなってしまいました。
 ゴルフ場のグリーンの上で、
 突然の心筋梗塞で帰らぬ人となってしまいました。
 平成5年4月6日のことです。
 私は、家内の父にほんとうに申し訳ないことをしたと思いました。
      ■         ■
 家内は、父が急逝してから数年間は、魂が抜けたようになりました。
 『私が北海道にお嫁に来たから、お父さんの変化に気づかなかった』
 『私がお父さんを早死にさせてしまった』
 何を言っても、無駄でした。
 立ち直るまでに、長い時間がかかりました。
 今でも、わが家の居間には、笑顔の家内の父の写真があります。
      ■         ■
 実は、家内の父の心筋梗塞には‘前兆’がありました。
 亡くなる前日にも、体調不良で、職場近くの病院にかかっていたそうです。
 胸部写真と心電図で異常がなく、
 『病院、行ったけど大丈夫やった』
 と、翌日早朝からゴルフへ行って、
 そのまま倒れて、救急車で運ばれた病院では心肺停止。
 死亡が確認されました。
      ■         ■
 JRを退職後に、関連会社に勤務していましたので、
 現職のまま死亡。
 お葬式は盛大で、たくさんの弔問客にいらしていただきました。
 お葬式は、香芝市の林法寺という、浄土宗のお寺で行いました。
 ①の阿日寺も香芝市の浄土宗のお寺です。
 何か不思議な縁を感じます。
      ■         ■
 私は、人間には、寿命という電池があって、
 その電池の使い方に個人差があるのだと思っています。
 家内の父も、病気一つしないで働く、パワフルな人でした。
 今でも、声が聞こえてくるような気がします。
 私は家内の父を尊敬していました。
 この道一筋50年。
 何でも知っている、保線のおじさんでした。
 家内の父や私のように、ず~っと働いている人は
 電池が早く消耗してしまって、
 ある日突然電池切れになって、ポックリ逝けるのだと思います。
      ■         ■
 家内の父が亡くなった時は、
 香芝市の林法寺近くのサクラが、それはキレイに咲いていました。
 私はゴルフはしませんが、
 家内の父のように、好きなゴルフ場やキレイな場所で
 キレイなグリーンやラベンダー畑の上で倒れて
 ポックリあの世へ行けたら…と願っています。
 64歳まで、あと10年です。
 いつ亡くなってもいいように、身辺はキレイにしています。

投稿者 sapporobiyou : 23:59 | コメント (1)

2008年03月15日

わきがで入院手術

 ワキガ手術は入院が必要です。
 『どの位?入院するのですかぁ?』
 そうですねぇ、約一週間程度です。
 『一週間も入院するのですかぁ?』
 はい、一週間の入院です。
 総合病院に勤務していた頃の説明です。
 不思議と、
 『美容外科では通院でできるのに…、何で入院なんですか…?』
 と質問された覚えは一度もありません。
 それだけ、総合病院は権威があったのでしょうか…?
      ■         ■
 総合病院の形成外科では、入院手術をすすめます。
 ワキガで入院するのは、日本の形成外科だけです。
 保険制度で、入院費が無制限に認められているからです。
 入院していただいた方が、病院も儲かり、
 医師も安心して手術ができるからです。
      ■         ■
 ワキガ手術の後には、トラブルが発生することがあります。
 一番イヤなのが、血腫(ケッシュ)という血がたまるトラブルです。
 私は、市立札幌病院に勤務していた時に使用した、
 持続吸引装置という器具のトラブルで始末書を書いたことがあります。
 その後に、自分独自の方法を研究して
 血腫によるトラブルはほぼゼロになりました。
 入院して手術をしていただくと、
 夜間も当直の看護師さんがいてくれるので、
 医師は、自宅に帰って寝ることができます。
      ■         ■
 近い将来、DPCという、病名や治療内容で単価が決まる、
 包括医療制度になったら、必ず変わります。
 この制度は、盲腸(正確には急性虫垂炎)で手術なら○○万円。
 中耳炎の手術なら○万円というように、
 病気や手術によって支払う価格を国が決めてしまう方式です。
 入院していただくと、経費がかさみ病院が損をしますので
 ワキガ手術で入院する病院はなくなります。
      ■         ■
 以前の日記にも書きました。
 ワキガ手術で入院したとします。
 手術後はベッドの上で安静にしているだけです。
 個室には、まず入れません。
 たいては、重症の患者様で満室です。
 運良く空いていたとしても、個室料金がかかります。
      ■         ■
 病院へ入院すると、同室の人と挨拶をします。
 こんにちは!
 よろしくお願いします。
 なるべく手術のことには触れず、そっとしておいて欲しい…
 どうかバレませんように!
 お隣のベッドには、眼科の患者さんが入院していることもあります。
 運悪く、知っている人に会ってしまうこともあります。
      ■         ■
 病院の中で、誰かに合ったらどうしよう…
 売店に行きたいけど…
 誰かに合ったらどうしよう…
 どきドキびくビクしながらの入院生活です。
      ■         ■
 入院して手術をうけたからといって、
 全く完璧にキレイに治るのではありません。
 その後のケアーが必ず必要になります。
 ご自身のケアーによって、キズの治りが違ってきます。
 入院するメリットは、安静が保障されることでしょうか?
 それなら、自宅で好きなTVでも見ている方が
 よほど楽チンです。
      ■         ■
 自分自身の反省もありますが、
 実際に開業医になってみると、
 通院でできる手術がたくさんあります。
 不必要な入院手術をしていたため、
 高額の医療費を無駄にしてしまったと反省しています。
 医療費の高騰に悩む厚生労働省は、
 一般人の目でみて、
 『なぜ?おかしい?』と思うことを改革するだけでも
 かなりの医療費を削減できると思います。

投稿者 sapporobiyou : 09:56 | コメント (1)

2008年03月14日

ホワイトデー

 今日はホワイトデーです。
 今年も、札幌美容形成外科の職員に白い恋人を贈ります。
 白い恋人は、生産が再開されてから、品薄になっています。
 札幌駅周辺の大丸や東急デパートでは、
 夕方、買いに行くと売り切れています。
 日中に買いに行っても、
 希望する価格の白い恋人がないこともよくあります。
 石屋製菓が、立ち直ってくれてよかったと思っています。
      ■         ■
 白い恋人を購入する穴場は、雪印パーラーです。
 大丸で売り切れていたら、
 札幌美容形成外科の1階にある、雪印パーラーをのぞいてみてください。
 昨日も、在庫がたくさんありました。
 昔の雪印パーラーは、
 一階奥にアイスクリームを食べるコーナーがありました。
 私が家内とはじめて会って話したのが、
 パーラー1階の左奥でした。
      ■         ■
 そこは、現在はみやげ物コーナーになっています。
 昨日、買いに行って、ちょっと懐かしく眺めていました。
 パーラーも45年の歴史があります。
 雪印の食中毒事件で、一時は危うくなりました。
 雪印といえば、北海道の超優良企業でした。
 雪印に就職すると、
 周囲や親戚からも一目置かれた時代もありました。
 今でも、元雪印乳業の職員の方が、
 スノー会舘ビルで働いてくださっています。
 とても、元気で感じのよい方が多く、
 私がこのスノー会舘ビルが好きな理由の一つです。
      ■         ■
 石屋製菓と雪印乳業は、
 どちらも企業の存続にかかわる大ピンチを切り抜けました。
 順風満帆と思われていた企業でも、いつ何が起こるかわかりません。
 自分自身を振り返ってみても、人生でさまざまな試練を経験しました。
 今も試練の真っ只中です。
 問題なのは、ピンチを迎えた時にどう乗り切るか、どう対処できるかです。
 これは、医療の世界でも同じです。
      ■         ■
 すべての手術や治療が、100%うまくいくかどうかはわかりません。
 手術後の経過が思わしくない時に、どう対処できるかが医師の技量です。
 それには、さまざまな経験が必要です。
 一番役に立つ経験は、
 自分がどれだけ失敗してどう乗り切ったか?ということです。
 ピンチの時に、助けてくれる仲間がどれだけいるかも大切です。
 自分が築いてきた人脈が財産となります。
      ■         ■
 ホワイトデーやバレンタインデーは日本独自の習慣だそうです。
 お菓子屋さんが仕組んだ、という説です。
 私は、ホワイトデーを女性職員に感謝する日にしています。
 毎日、安全に診療を続けられるのも、
 支えてくれる職員がいるからです。
 こんな、偏屈なガンコおやじについてきてくれて感謝しています。
      ■         ■
 家内にも感謝しています。
 今日のお弁当は、昨晩の天ぷらを天丼にしてくれました。
 残り物の利用ですが、私の好きな弁当メニューです。
 油ものは苦手なのですが、家内の天ぷらはOKです。
 白い恋人は買いませんでしたが、
 感謝の気持ちをこめて、弁当箱はキレイに自分で洗いました。

y-p.jpg
平成20年3月14日の雪印パーラーです

投稿者 sapporobiyou : 23:59 | コメント (1)

2008年03月13日

勤務医不足と医療難民

 週刊文春、平成20年3月13日号、
 病院情報ファイル2008の記事です。
 取材・構成 恵原真知子さん
 医療ユーザー編
 勤務医不足と医療難民
 治る病気やけがで手遅れにならないために、
 患者の側からできることとは。
      ■         ■
 このままでは医療が崩壊する-
 10年も言われ続けた事態がこの数年で現実のこととなった。
 一方では勤務医の離職による診療科の閉鎖が相次ぎ、
 もう一方では下の表のように大病院への一極集中などが起きている。
 事ここに至って、医師の報酬引き上げなど姑息な対策が打ち出されているが、
 即効性を期待する医師は多くない。
 医療難民にならないため、患者にもできることがあるはずだ。
      ■         ■
 医療の実情に目を向けながら、自衛策や有効な行動を探してみよう。
 まずあげられるのは救急患者にならない努力だ。
 ①救急外来に搬送または駆け込む患者が、
 外傷や脳卒中など突然起こる病気=本来の急患に限られれば
 医療側は集中的に力を発揮できる。
 患者のマナーと知恵が、
 本当に救急医療を要する患者を優先させるわけで、
 もちろん救急隊員の病院探し・搬送も迅速化する。
      ■         ■
 ②元気な人が体調に異常を感じたら、
 早めに、診療時間内に受診することが勧められる。
 それが夜間でも、自力で動けてそれで問題がなさそうなら、
 救急車に頼るだけでなく、マイカーやタクシーを利用しよう。
      ■         ■
 ③慢性疾患で診療所を利用している人は、
 専門的機能がある病院にもアクセスを。
 例えば、糖尿病患者は心筋梗塞や脳梗塞のハイリスク群でもある。
 ならば脳卒中センターや
 症例数の多い心臓外科のある病院にもかかって定期受診を続けよう。
 救急搬送の際にカルテがあれば、優先的受け入れを期待できるからだ。
      ■         ■
 ④妊婦も同様。産科や助産所に通っていない未受診者は受診し、
 かかりつけ医をもとう。
 「陣痛の徴候が出たら119番にお任せ」という女性が稀でないことが、
 昨今のたらい回し(連続的な診療拒否)で明らかになった。
 ジリ貧の産科に、
 経過不明な初診妊婦を受け入れる余裕はないと心得よう。
      ■         ■
 病院ボランティアも一案
 次は医療に最善を求めすぎないこと。
 例えば「小児は小児科に」と固執せず、
 臨機応変に他診療科の受診を試みてもいい。
 「以前は一般内科医で小児も診る診療所が多かったのに、
 最近皆無に近い。
 小児急患は急に悪化する例がある。
 その見極めが難しいことを熟知し
 『だから5時間待っても小児科医にかかります』
 という親御さんが非常に多いのです。
 が、多数を占める日常的な小児急患は
 一般内科医も対応してきたのです。
 一時しのぎでも先に内科医の診療を受け、
 翌朝小児科に向かう柔軟性も必要」
 とは小児科のベテラン、谷風三郎医師の弁。
      ■         ■
 こうした“5時間待ってもかかりたい”病院とは、
 ランク本などで常連の優良ブランド病院や大学病院、
 専門病院などのこと。
 医師の研修や就職・転職先としての希望も多い、
 いわば時流に乗った勝ち組だ。
 とはいえ医師の激務ぶりは変わらず、
 通常の人員より何割か余計な医師を要する
 シフト勤務を導入する経済的余裕のある病院は滅多にない。
      ■         ■
 さらに医師不足が最も深刻なのは自治体立病院だが、
 これは一定の医療レベルが保たれた地域住民の拠り所でもある。
 健全な運営が望まれながらも、
 医師が公務員であるシバリがネックとなって低迷している。
 患者としては、どの病院を選ぶにしろ、
 その特徴を知っておくことだ。
      ■         ■
 いざというときの一番近い施設とも細く長いつきあいを。
 例えば病院ボランティアはその機能を知りつつ、
 病院の助けにもなる道だ。
 退職した企業戦士のセンスを
 医師の雑務や無駄な会議の整理などに役立てることを、
 病院側も期待しているのではないだろうか。
 協力を申し出てみませんか?
 (以上、週刊文春より引用)
      ■         ■
 国の政策に任せておいたら、
 救急医や産科医になる医師はいなくなります。
 現在の臨床研修制度が始まる前から、
 地方病院の医師不足は危惧されていました。
 まず、大学病院で研修を受ける人が減ることは予測できました。
 われわれの間では、
 「どうするんだろう~ねぇ~、研修医がいなくなるよ」
 なんて話していました。
      ■         ■
 私は、自由競争社会ですから、
 国が強制して医師を地方や僻地に勤務させるのはよくないと思います。
 医師にも、職業選択の自由(診療科目や勤務地を選ぶ自由)
 があってしかるべきだと思います。
 地方の自治体病院に勤務する医師が増えるように、
 待遇や環境を整備すべきです。
 魅力的な勤務地には人が集まります。
 徴兵制度のように、僻地勤務を義務化しても、
 優秀な人は医師にならなくなります。
 国民が健康で文化的な生活を営めるような政策を立案するのが、
 政治家の役割です。
 経済政策を含めて、優秀な政治家に登場して欲しいものです。
 回線不具合により、日記の更新が遅れましたことをお詫び申し上げます。

jichii.jpg
週刊文春より引用

投稿者 sapporobiyou : 23:59 | コメント (1)

2008年03月12日

おしりの毛

 おしりに毛が生えていることがあります。
 男性では、ほぼ100%?
 女性でも、肛門周囲にも毛がはえることがあります。
 毛の生え方は、人によってさまざまです。
 生えて欲しいところに生えないで、
 生えなくてもよいところに生えるのも毛です。
 毛の生え方は、遺伝によるところが大きいようです。
      ■         ■
 男性は、毎日ヒゲを剃ります。
 女性もワキ毛やビキニライン、
 人によっては上肢・下肢の毛も剃らなくてはなりません。
 男性より、女性の方が手間がかかります。
 レーザー脱毛を希望される方は、圧倒的に女性です。
 中には、‘保険適応’にして差し上げたいくらいの 
 ‘多毛症’の方もいらっしゃいます。
 残念なことに、現在の日本の健康保険制度では、
 どんなに多毛でも、健康保険でレーザー脱毛はできません。
      ■         ■
 毛が原因で病気になることがあります。
 毛巣瘻(モウソウロウ)Pilonidal sinus(ピロニダール・サイナス)といいます。
 お尻の穴の後ろから、背中にかけて毛が濃い人がなります。
 お尻の割れ目に、毛が生えています。
 たまたま、反対側から生えた毛が、皮膚に刺さることがあります。
 割れ目になっているので、まっすぐに伸びると反対側に刺さります。
      ■         ■
 この毛が刺さったところの皮膚に炎症を起こします。
 最初は気づきませんが、しだいにニキビからおできになります。
 毛が中に入って、毛玉状になり、そこにバイ菌がつくと最悪です。
 熱が出て、座ると当たって痛くなります。
 くさい膿(ウミ)が出て、パンツが汚れます。
 化膿がひどくなると、膿と一緒に血も出ます。
 化膿していても、毛はどんどん伸びますから、
 炎症は日に日に強くなります。
      ■         ■
 こうなると、手術しか治す方法がなくなります。
 肛門の周りにできるので、
 痔瘻(ジロウ)という痔の病気と間違われることもあります。
 手術は、化膿しておできのように膨らんでいるところを切除します。
 もちろん健康保険が使えますが、
 重症の方は入院が必要になります。
      ■         ■
 この病気の予防には、脱毛が一番です。
 肛門より背中側の割れ目に、
 太い毛が生えている方は要注意です。
 こんな‘病気’があるなんて、お医者さんでも知らない人がいます。
 もちろん看護学部でも看護学校でも教えません。
 看護師さんでも知らない人がいます。
 健康保険は使えませんが、レーザー脱毛で予防できます。
 女性はビキニ奥の脱毛料金で治療が可能です。
 男性の方は範囲によって違いますので、費用をお見積もりいたします。

投稿者 sapporobiyou : 23:59 | コメント (1)

2008年03月11日

札幌駅前通り

 今日の札幌は小雨です。
 3月になると急に暖かくなりました。
 歩道や車道の雪も、どんどんとけています。
 私は、毎朝、札幌駅前通りを通ってクリニックに来ます。
 駅前通りにある小さな花壇から、
 チューリップの芽が出るのを楽しみにしています。
      ■         ■
 現在は、地下歩道の工事をしているため、
 とてもキレイな通りとは言えない状態です。
 クリニックを開業した、4年前には、まだ並木もあり緑がキレイな通りでした。
 あと2年で地下歩道が完成します。
 それまで、しばらくはキタナイ道のままです。
      ■         ■
 私が子供の頃は、札幌駅前通りには市電が走っていました。
 ちょうど五番館(今の西武百貨店)の前あたりから、
 ANAの前あたりに市電の乗り場(安全地帯)がありました。
 市電は、
 北は新琴似まで、
 西は円山公園まで、
 東は苗穂駅前までありました。
 南だけは、今と同じ藻岩山のロープーウェーのところから、
 中央図書館(昔は学芸大学→教育大学→中央図書館と変遷)までで同じです。
      ■         ■
 北行きの市電は、北24条から先は架線がなく、
 ハイブリッドならぬ、ディーゼルの市電が走っていました。
 新琴似近くは、道路が未舗装で、
 砂ぼこりを上げて市電が走っていた記憶があります。
 西の終点、円山公園は、南大通りの先が折り返し点になっていました。
 そこで、市電が休んでいるように見えたものです。
 この市電も、地下鉄の開通とともになくなりました。
 今でも、円山公園の入り口付近に、奇妙に道幅が広いところがあります。
 そこが市電の終点だったところです。
      ■         ■
 子供の頃に、美唄や夕張から札幌へ出てくるのは楽しみでした。
 帰りはJRかバスでした。
 中央バスのターミナルが、札幌駅前通りの
 現在、三菱信託銀行が入っているビルの裏側にありました。
 三菱信託銀行が入っているビルの場所に、
 ニシムラというパーラーがありました。
      ■         ■
 一階が、ケーキやお菓子を売っている店舗。
 二階がレストランでした。
 今でいうファミレスのような業態でした。
 札幌へ来たら、ニシムラで晩ご飯を食べさせてもらうのが楽しみでした。
 私が好きだったのが、ハンバーグ、オムライス、サンドイッチでした。
 ハンバーグは、マックやモスバーガーのようなハンバーガーではありません。
 お皿にハンバーグ、ご飯、野菜を盛り合わせたセットでした。
 今でも、おぼろげに味を覚えています。
 誕生日には、ニシムラでアップルパイを買ってもらうのが楽しみでした。
 ケーキも好きでしたが、アップルパイが好きでした。
 ですから、今でもたまにアップルパイを食べます。
      ■         ■
 私が小学校一年生の時に、雪印パーラーができました。
 雪印パーラーはニシムラより、少し高級だったようです。
 あまり連れてきてもらった想い出はありません。
 一度だけ、父に連れられて、三菱手稲療養所のパーティーに来た記憶があります。
 米国に留学して、麻酔師の資格を取った、木村婦長さんの歓迎会をした日に、
 子供の私も連れてきてもらいました。
 はじめて入った雪印パーラーの宴会場は広くてキレイでした。
      ■         ■
 見たこともないような、チーズフォンデュというのがありました。
 長い串をパンに刺して、それをチーズの中に入れて、
 チーズをつけて食べるアレです。
 優しい看護婦さんが取って、私に食べさせてくれました。
 なんて美味しいんだろう…と思いました。
 ほんとうは、いっぱい食べたかったのに、
 なぜか遠慮して一口しか食べませんでした。
 今でも、チーズフォンデュを食べてみたいと思うことがあります。
 おそらく、私がチーズフォンデュを食べたのが、
 今、私がいる札幌美容形成外科がある3階です。
      ■         ■
 縁というのは不思議なものです。
 薬剤師の子供だった私が医師となり、
 父親に連れられてきた場所で開業してます。
 残念なことに、この雪印パーラーのスノー会舘ビルも、改築計画があります。
 まだ移転・改築の時期は未定です。
 私としては、想い出深い、この地から離れたくないのですが、
 ビルの改築にはかないません。
 移転場所は、JR札幌駅から歩いて5分以内の場所に探しています。
 詳しく決まりましたら、またHPや日記でお知らせいたします。

投稿者 sapporobiyou : 23:43 | コメント (1)

2008年03月10日

石炭ストーブ

 今年の冬は、灯油の値上がりで大変でした。
 灯油のような生活必需品は、
 国が価格をある程度コントロールして欲しいと思いました。
 私が子供の頃は、石炭ストーブでした。
 以前にも書きましたが、
 炭鉱は、石炭も、電気も、水道も、浴場もすべてタダでした。
      ■         ■
 従業員には、無料で石炭が配られました。
 もっとも、従業員に配られた石炭は、
 市販される石炭より質の悪い部分でした。
 石炭は、石の大きさにより、
①塊炭(カイタン)、手拳大より大きな石炭。
②中塊炭(チュウカイ)、少し小さめの石炭。
③粉炭(フンタン)、砂よりは大きいが、小さい砂利状の石炭。
④豆炭(マメタン)、石炭を洗浄した水を沈殿させ、その粉末を固めた石炭。
 と分けられました。
      ■         ■
 価格は①→④となるほど安く、
 石炭のカロリー数や、
 石炭を燃やした後に残る灰(アクとも呼びました)
 の量によっても優劣が決まりました。
 ちょうど、トロが
 大トロ→中トロ→赤身と
 価格が異なるのと同じです。
      ■         ■
 炭鉱会社から、従業員に配られるのは、一番質の悪い粉炭です。
 粉炭の中に、中塊(チュウカイ)が混じっているので、
 その少し大きめの石炭を拾って集めておきます。
 石炭は、石油と違ってすぐに火がつかないので、
 石炭ストーブに、古新聞と薪(マキ)と
 中塊(チュウカイ)を入れておいて火をつけます。
 火力がついたとこ