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2009年08月10日

濱本淳二先生の想い出①

 形成外科医の間で、
 濱本淳二先生といえば…
 両側唇裂
 マンチェスター法です。
 濱本先生は、
 唇顎口蓋裂治療の中でも、
 もっとも難しいと言われる…
 両側唇裂の権威でした。
      ■         ■
 私の手もとに、
 米国のミラード(D.R.Millard,Jr)先生という、
 有名な形成外科医が書かれた、
 Principlization of PLASTIC SURGERY
という本があります。
 ミラード先生は唇裂手術で
 世界的に有名な形成外科医です。
 このミラード先生が書かれた本に、
 濱本淳二先生の手術が引用されています。
      ■         ■
 残念なことに…
 Hamamotoと書かれるべきところが…
 Haramotoになってしまっています。
 濱本先生は、
 ミラードから手紙が来て…
 僕の手術が本に載ることになった。
 と…
 とても喜んでいらしたのを覚えています。
      ■         ■
 両側唇裂というのは…
 上口唇に、
 左右2箇所に割れ目が入ってしまう病気です。
 ちょうど鼻の下の部分が、
 突出してしまうことがあります。
 ミルクも上手に飲めないし…
 産んだお母さんは絶望的になります。
 私の責任…
      ■         ■
 濱本淳二先生は、
 まず…
 お母さんに優しく説明することからはじめられました。
 泣いていてはダメ。
 お母さんといっしょに…
 綿のテープで、
 赤ちゃんの頭につける…
 矯正装置の製作をはじめます。
 その手づくりの矯正装置を、
 赤ちゃんの頭につけます。
      ■         ■
 飛び出していた鼻の下の部分に…
 綿テープで作った矯正装置をつけると…
 少しずつ平らになります。
 あまり強くしてもダメで、
 何回も調節します。
 混んでいる外来が終わった頃に、
 ゆっくりと時間をかけて…
 指導なさっていらっしゃいました。
      ■         ■
 唇裂治療のはじまりは、
 赤ちゃんではなく…
 お母さん
 北大病院の外来ではじまった治療が、
 濱本先生を慕って…
 函館中央病院まで、
 何人も続いていました。
 濱本先生が治療を担当された、
 濱本先生の子どもさんも、
 もう、すっかり大人になられています。
      ■         ■
 絶望の淵に立たされた、
 両親を何人も救っていらっしゃいました。
 私は…
 濱本先生が、
 唇裂の患者さんと接する時の、
 あの優しいまなざしを、
 今でもはっきりと覚えています。
 多くの患者さんとご家族が、
 濱本先生の死を悼(いた)んでいると思います。 

投稿者 sapporobiyou : 2009年08月10日 23:54

コメント

濱本 淳二の次男、浜本 伸夫です。

先日は自宅まで御参りに来ていただきありがとうございました。いただいた胡蝶蘭、本人に見せてやりたいほど綺麗に咲いています。

先ほど小田原に帰宅しネット検索で、本間先生のブログで亡父の掲載を知り感激しました。

本人は生前に
「亡くなると灰になり無になるが、残された人の心の中に生き続ける。だから、亡くなった人を思い出し語るのが一番の供養」と申しておりました。

なので、本人のホームページかと思うくらいの立派な記事をブログに載せていただくことは嬉しい限りです。
本当にありがとうございます。

ベストエッセイは、本人も楽しみにしておりましたが、
09年版は、一歩間に合わず本当に残念です。
私は随筆に疎く、今回初めてベストエッセイを知り、昨年版を取り寄せましたが最相葉月さんや泉麻人さん等そうそうたる作家が名を連ねており、びっくりしています。
本人が掲載連絡を受けた6月にやや元気になったのも頷けます。
死の3日前、かなり意識は弱まっていましたが、枕元で96年版の文庫本の藤本義一さん随筆を朗読したら微かに頷いていてくれたことが、私の最後の思い出です。独りで付き添った夜の事でしたが、我ながら下手な朗読で小さい頃に音読をしっかりやっておけば良かったと、後悔しました。そういえば、父は朗読も好きで「『が』は『んが』と読むと響きが良い」と幼少期に言っていたことを思い出します。

昨年版の単行本は棺桶に入れました。
本は火の通りが悪いとの事で、斎場のベルコの方に各々のページを半折にして見開いた状態で入れていただきました。
焼いた後、本は見開いた状態で灰になっていました。棺桶は跡形もないのに。昨年版を読みながら召しのかも知れません。

時々、父の事を思い出していただければ幸いです。

生前含め、お世話になり本当にありがとうございました。

取り急ぎお礼まで。

投稿者 浜本 伸夫 : 2009年08月12日 22:26

同じ医療を職としている人間として尊敬させていただきます。

本当にご冥福をお祈りいたします。

投稿者 奥野 由樹 : 2009年08月14日 21:13

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