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2007年06月05日
答えです。 その1
さあ、お待ちかねのクイズの答えです。
解説つきでご説明しますので、今回はその1回目です。
前回ブログのヒントで、治療した部分に①~⑤の番号を付けましたが、今回はこれらのうち①、②についての答えです。
まずは①、手術法は下瞼脱脂術(結膜脱脂術)です。いわゆる目の下のクマを治す手術で、下まぶたの裏側にレーザーで穴を開けて、クマの膨らみの原因となっている脂肪を適量除去します。手術前と手術後を比べると、クマの膨らみがなくなっていることが分かりますね。
次は②、手術法は脂肪注入術です。手術前に認められた下まぶた~頬にかけての窪み(通称ゴルゴ線)が注入によって盛り上がり、頬の膨らみがリフトアップされたように改善しているのが分かりますね。
注入のデザイン(②は上のマーキング。下のマーキングは③の治療のデザインで、次回ご説明します。)です。
ところで、もともと凹凸の無かった下まぶた~頬にかけての移行部分が、なぜ膨らんだり、窪んだりしてくるのでしょうか。
眼球は頭蓋骨の窪みの中に収まっているのですが、眼球と骨の間にはクッションの役目をする脂肪(眼窩脂肪)が詰まっています。この眼窩脂肪が前に飛び出さないように蓋をしているのが上下まぶたです。加齢によって、眼球を支えている靭帯に緩みが生じてわずかに眼球が沈み込むので、眼球の下の眼窩脂肪は前に押し出されるように飛び出してきます。これが下まぶたの膨らみです。
一方、頬にはメーラーファットと呼ばれる脂肪の塊があり、頬の膨らみを形成しています。もともとは頬骨の上~下まぶた付近(下まぶたの下端を覆う感じ)にある脂肪なので、頬の膨らみのピークは下まぶたのすぐ下辺りにあります。しかし加齢により重力に逆らえず、徐々に下に垂れ下がってくるので、下まぶたの下端が窪み、頬の膨らみの位置が下がり、垂れたメーラーファットによって法令線の部分が膨らみます。眼窩脂肪の飛び出しや眼輪筋(瞼を覆う筋肉)のゆるみによる膨らみが増し、頬の膨らみの位置が下がると、その境目にミッドチークライン=頬瞼溝(通称ゴルゴ線)と呼ばれる窪んだラインが目立ち始めます。
図.メーラーファット(Malar fat pad)が加齢と共に下垂していく様子(左は10~20代、中央は30~40代、右は50代以降)
メーラーファットの下垂による症状の改善法にはいくつかの選択肢があります。
一番理想的なのは、垂れたメーラーファットを元の位置に戻す(脂肪のリフト)方法です。しかしこれをきちんと行うという場合、ミッドフェイスリフトという手術法になり、皮膚切開が必要な上に腫れが長引きます。これを簡便に行う方法にケーブルリフトがあります。ミッドフェイスリフトに比べて腫れも少なくダウンタイムが短く、また皮膚切開もわずかですむのが特長ですが、糸で脂肪を吊り上げるだけですので効果の持続期間が数年以内と短く、また溶けない糸という異物を留置することになります。
次の選択肢としてAPTOSに代表される、糸による皮下組織のリフト手術(スレッドリフト、フェザーリフト)があります。手軽で皮膚切開が必要ないのが最大のメリットですが、効果の持続は数年以内(多くは1年程度)で、また溶けない糸という異物を留置することになります。溶ける糸で行う方法(ハッピーリフト)もありますが、溶ける分だけ効果の持続が更に短く(1年以内)なります。
更に次の選択肢は、メーラーファットが垂れたことによって凹んだ部分を、注入によって補填する方法です。注入する材料としては、ヒアルロン酸か、自分の脂肪(脂肪吸引で材料確保)です。ヒアルロン酸は当分の間は効果が続きますが、いずれ吸収されてなくなります。一番効果が長いSUB-Qの場合、2年後には完全吸収されます。脂肪の場合は、注入量の3割程度が永久定着します(多目に注入すれば、その分だけ定着量を増やすことが出来ます)。永久定着とは言っても、治療後も加齢は進みますので、永久不変というわけではありませんが、他の治療法に比べて効果の実感できる期間は長いと言えるでしょう。
当院の考え方として、本格的なミッドフェイスリフトをご希望の患者様は別として、なるべく手軽で回復が早い治療法から選ぶ場合、体内に異物が残ることのない方法を優先しています。そうなると、ハッピーリフト、ヒアルロン酸(Sub-Q)注入、脂肪注入となりますが、効果の持続を含めて考えると、脂肪注入が一番理想的ではないかと思っています。実際、当院では相当数の治療を行っており、良好な結果が得られています。
投稿者 ginzamiyuki : 2007年06月05日 00:34