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2007年06月30日

Transgender(TG)

身体的、生物学的、遺伝的性と精神的、心理的、社会的な性。さらには、性癖、性的嗜好などの間には、実に多様で複雑な関係があるということが、近年になってようやく認知されるようになってきました。それらは、単純に趣味や好き嫌いなどといったものではなく、脳神経生理学的に何らかの原因を求められる性の多様性なのです。

 大多数の人は、自らの性の認識や嗜好に何ら疑問を感じていないとは思いますが、逆に少数派に属する人は、自分の性の認識、社会的な振舞い、社会的役割、性に対する嗜好に何らかの違和感や疑問を感じています。このような人々を広義のTransgender(TG)といいます。しかし、一口にTGといっても人により、程度や方向性も様々であり、TGという範疇にも実に多様性に富んだ概念が含まれます。

 自分の性に違和感を感じる人の中でも異性装(女装、男装)をするだけで精神的に安定感を得られる人もいます。または、異性装により性的な興奮を感じたりする人もいます。このような人をTransvestite(TV)といいます。簡単にいうとTVとは、自発的に異性装をする人のことなのです。TVといわれる人の中にも常に異性として振舞う人から限られた時間のみ、または自宅だけで異性装を行なう人まで、その程度は様々です。

 しかし、異性装だけでは精神的な安らぎを得ることができずに、自己の性に対する社会的な認識、役割や振舞いにおいても異性として認知されることを求める人が狭義にはTransgender(TG)となります。TGという言葉は、狭義にも広義にも用いられることがありますので、注意が必要です。

 もっと自己の性に対する違和感が強くなりますと、自分の乳房や女性らしい体つき、あるいはペニスや睾丸が汚らわしいとか恥ずかしいと感じる人もいます。そのような人は、乳房やペニスを取り除きたい、と感じるようになります。実際に手術で取り除くことを希望する人も多くいます。そのように完全に身体的に異性になりたい、異性としての生活を希望する人のことをTranssexual(TS)といいます。

 つまり社会的に異性として認められたいと考える人が狭義のTGであり、自己の性器に対する嫌悪感が強く、自分が属すると考える本来の性の体を手に入れたいと考える人がTSということになります。また、TVから狭義のTG、TSを含めて、自己の性に何らかの違和感を感じる人をすべて包括して広義のTGということもあります。

 このようにTGといわれる人の中にも趣味程度に異性装をするTVの人から、実際に手術を行ない完全に異性としての生活を営む人まで、その生き方は人様々であり、実に多様な概念が含まれるかと思います。これらの性的少数派(セクシャルマイノリティ)の認識が徐々に社会的に認知されるようになって来ましたが、そうはいってもまだまだ「一般常識」となるには程遠い状況にあることは違いありません。

投稿者 root : 10:55 | コメント (0)

2007年06月22日

男の脳、女の脳

脳にも身体的な特徴と同じように生まれながらにして、明らかに性差があるのではないだろうか?と、いうようなお話をしました。それでは、いつごろ、どうして脳にも性差がうまれるのでしょうか?

 たった1つの受精卵から細胞分裂を繰り返して、無数の細胞が作られ、それぞれがいろいろな役割を持った器官に分化していき、受精後、14~16週ぐらいには、ほぼ器官形成ができあがるといいます。それ以前の発生の初期段階での人間の体の基本形は女性型なのです。

 性染色体にXYの遺伝情報を持つ個体は、生殖器原器が精巣へと分化し、精巣が形成されると男性ホルモンが分泌され始めます。どうやら男性ホルモンの分泌が本来女性型である胎児の男性への分化に重要な働きを持っているようなのです。

 男性ホルモンが働きかけることで、女性器では陰核(クリトリス)となるところが、大きくなりペニスが形成されます。左右の小陰唇が癒合して袋状となり、陰嚢が形成され、そこに精巣が降りてくるのです。外性器は、男女の特徴上のもっとも顕著な性差ですが、このように男性ホルモンの影響を受けて分化していくのですね。

 それでは脳はどうでしょうか?男脳、女脳といものがあるとしても、外見上でも顕微鏡で見てもその違いは何らありません。しかし、その脳が行なう精神活動には明らかに生まれながらにして性差があるのです。そのように脳に性差が生じるはっきりとした機序は、実のところよく解っていないのです。

 私の個人的な仮説としては、脳の性差の発現にもやはり男性ホルモンの影響ではないかと考えています。つまり、未分化な脳がある一定量以上の男性ホルモンに曝露されることで、男性脳になるになるのではないかと思われるのです。

 男性脳になるためには、脳が男性ホルモンンに曝露されるということが必要であるとすれば、なんらかの原因で脳に対する男性ホルモンの曝露がうまくいかなかった場合はどうでしょうか?人間の発生段階の基本形は女性型ですので、脳の男性ホルモンの曝露が不完全となった場合、脳は女性脳になってしまうことが考えられます。

 すなわち、遺伝的にも身体的特徴的にも男性であっても、何らかの原因で脳に対する男性ホルモンの曝露が不完全となった場合には、脳は女性になってしまうのです。このような原因で Gender identity disorder の症状が発現するのではないかと、私は考えています。

投稿者 root : 12:08 | コメント (0)

2007年06月21日

Gender identity disorder(GID)

 Gender identity disorder (GID)という言葉をきかれたことがあるでしょうか?日本語では性同一性障害といって、最近ではかなり一般的に知られるようになってきました。体の性と心の性が一致しない方の症状をいいます。

 一般的に性(sex)というと遺伝的生物学的な性、すなわち性染色体がXYなら男性、XXなら女性となります。または精巣や卵巣などの内性器、陰茎や膣といった外性器の違いによる性のことをいいます。しかし、最近では性(gender)とは生物学的な性だけでなく、もっといろいろな見地から性差というものが存在するということが認識されるようになってきました。

 性(gender)には、①遺伝的生物学的な性、②精神的な性、心の性、③社会的な性、④役割分担としての性などがあるというのです。

 ②の心の性とは、自分自身の性別をどのように認識しているかということです。おおくの人は、自分が男性あるいは女性であることにいささかの疑問も持ったことはないと思います。しかし、中には自分の身体的な性に強い疑問や違和感を持っている方もいらっしゃるのです。そのような方は、自分自身は女性という認識なのにどうして男性の体なのだろうか?どうして男性的な服装や振る舞いをしなければならないのだろうか?と、常に強い違和感と苦痛を抱えていらっしゃるのです。つまり①遺伝的生物学的性と②心の性が一致しないということなのです。このような症状をGIDといいます。

 多くの人は、男性は男性的な行動パターンを、女性は女性的な行動パターンをとります。または異性に対して性欲を感じます。性差による行動パターンの違いは、幼少期の人格形成の段階で社会的に刷り込まれるのだと考える向きもあります。人間社会には性差による役割の違いや振る舞い、服装、言葉遣いの違いがあるために、それらの影響を受けて徐々にそれぞれの性差や認識が形成されるというのです。

 果たして本当にそうでしょうか?精神神経学的な見地からの私の個人的な見解としては、脳における性差は厳然としてあるように思えるのです。おおざっぱにいって男性の脳はシステム化に優れ、女性の脳は共感性に優れるといいます。男性は論理的であり、組織の構築や空間認識能力に優れ、女性は感情的であり、共感性、心理考察、言語能力に優れます。現に高度に空間認識能力を必要とされる航空管制官は9割が男性、高度な言語能力を必要とされる通訳は9割が女性です。

 これらの性差による能力差は、人間が男性と女性が役割分担をしながら高度な社会を形成して生活するという社会的な生物に進化する過程で獲得してきたものなのです。特に教えたり、誘導しなくても幼児期には男の子は活発に活動したり、仲間と争ったり、競争したりすることを好みます。女の子はお友達と協調して、おままごとやお人形遊びを好みます。要するに教育や社会の影響ではなく、生まれながらにして脳にも性差があるのです。

投稿者 root : 12:07 | コメント (0)

2007年06月16日

梅雨入り

 関東地方もようやく梅雨入り宣言が出されました。例年に比べてかなり遅いそうです。しかも梅雨入り宣言だ出された後は晴天続き。今年はカラ梅雨なんでしょうか?すでに全国各地のダムの貯水量が減っていると聞きますので、水不足が心配ですね。

 たしか12~13年前のことでしょうか、四国の早明浦(さめうら)ダムが完全に干上がり、ダムの底に沈んでいた以前の役場か学校であったかの建物が姿を現し、その供給地である高松が大渇水に見舞われたときがありました。何の因果かちょうどその時に私は高松に住んでいまして、その大渇水を体験してしまったのです。

 水不足が深刻になってくるとまずは給水制限がされ、水道の出が悪くなります。水の出が悪くなったからといっても常に水が使えるので、それほど不便は感じません。しかし、さらに水不足になり、断水が始まるとたちまちたいへんなことになってきます。

 たしかその時は、朝2時間、夜2時間しか水が出なかったと思います。気候は来る日も来る日も炎天下の猛暑。汗みどろなってしまいますので、朝の身支度と夜の入浴は、給水時間内に何が何でも済ませないといけません。ですから仕事が終わるとさっさと帰宅しないとお風呂に入り損ねてしまうものですから、いつもは飲みに繰り出す人たちもこのときばかりはまじめに帰宅しないといけなかったのです。

 夜の歓楽街も閑古鳥が鳴いてたいへんでしたが、昼間の飲食店でもたいへんでした。席に座っても水も出ず、お皿を洗うこともできないので、ラップの巻かれたお皿に料理が盛られて出てきました。美容院ではジョウロで洗髪。などなど、ウソのような珍光景が繰り広げられました。そのような状態が40日ほど続き、恵の雨を渇望すること、甚だしく深刻でした。

 そもそも讃岐地方は、はるか昔から雨の少ない地方で、常に渇水の心配をしないといけない土地柄です。そのために昔から農作物に被害が出ないようにと、大小たくさんの貯水池が作られてきました。5万分の1の地図で高松をみてみると高松市内ですら数え切れないぐらいたくさんの溜め池があるのがわかります。一説では、讃岐地方全体で5万個はあるだろうということです。讃岐でもっとも大きな満濃池は、弘法大師が作ったといいますから、地元の人は8世紀から渇水を克服するべく努力をしていたのですね。

 讃岐は常に渇水の脅威にさらされている地方だからこそ、大渇水に見舞われても何とか切り抜けることができるのでしょうが、もしも東京で渇水になれば、たいへんなことになりそうです。やはり梅雨は梅雨らしくたくさんの雨が降って欲しいですね。

投稿者 root : 17:18 | コメント (0)