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2007年08月14日

ビール戦争

人間が本来的にもっている欲望を完全に押さえ込もうとするような法律は、所詮現実的でなく、ほとんど機能しないことは、歴史が証明しています。「禁酒法」がその最たるもので、稀代の悪法としての栄誉に浴しています。

 お酒は、人間が文化的であるためには必要不可欠なものではありますが、かといってなくては生きていくことができない、というものでもなく、やはり嗜好品とせざるを得ないのでしょうね。そのような社会や人生におけるお酒の位置づけによるのでしょうが、どうも政府にとっては、税金を取りやすいところでもあるようです。しかし、庶民もさるもの、ささやかな楽しみを奪われてなるものかと、高税率回避の様々な対抗策を打ち出してきます。

 通常、ビールといわれるものは、麦芽比率が50%以上のもので、350mlあたり77円の税金がかかります。ここで麦芽比率を50%以下にすれば税制上は発泡酒となり、税金はかなり低くなってしまうのです。そこで、同じビール風味であれば、少しでも税金の安いものでいいではないか、と第2のビールといわれ発泡酒ブームが起こったのです。

 発泡酒ブームの初期のころは、かなり割安感があったのですが、政府も手をこまぬいてはおらず、その後、税制が改正されてしまい、350mlあたり62.34円となり、ビールとの差が縮まったため、発泡酒のメリットがあまり感じられなくなってしまったのです。

 税制上の発泡種類とは、麦芽を原料としているものをいうので、次の手としては、ビール風味であれば、その他の穀類を原料ととしてもいいのではないかという考えが生まれます。麦芽以外の穀類を原料とすれば、「その他の発泡種類」と、税率の低い別の種類となってしまうからです。理屈ではそうですが、実際に麦芽以外でビール風味を出すとなるとそうそう簡単なことではありません。メーカーでは、かなりの困難を伴い、ありとあらゆる穀類を試行錯誤した結果、えんどう豆、とうもろこし、サトウキビ、大豆などで、ビール風味を出すことが可能となり、これらが第3のビールとして発売されるにいたったのです。しかし、第3のビールも、またまた2006年の酒税法の改正により、「ビール風味新分野」なるものが新設され、350mlあたり3.8円の増税となってしまったのです。

 そして今年、さらなる次の一手が打ち出されました。発泡酒に麦芽からの蒸留酒を添加すると、「リキュール・発泡性①」という分類となり、税率が下がるのです。メーカーさんも、おみごとです。必死の企業努力のたまもの、第4のビールが発売されるに至ったのです。このように、ここ数年来、ビールをめぐる政府とメーカー、メーカー間の熾烈な戦いが繰り広げられ、まさにビール戦争という様相を呈しているようです。

投稿者 root : 2007年08月14日 22:19

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