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2008年06月25日

大阪院:志賀由章「アルマーニのスーツ」

外科系の医師の仕事はスーツにネクタイといった服装ではネクタイが傷口に触れたりして不潔になるので、スーツ姿で仕事をすることはあまりありません。手術のある日などは術着の上に白衣を着たまま一日中活動します。ですからスーツを必要とするのは冠婚葬祭と学会くらいのものなのです。

しかし、一着しか持ってないと雑誌の取材で撮影するときなどに、いつも同じ服装になるので困ってしまいます。うちのスタッフも、「院長、いつも同じ恰好では恥ずかしいから、ブランドのスーツを何着か持っててください」の要望がありました。仕方なく学会に行く前に阪急デパートにスーツを買いに行きました。私にとってはスーツに一着20万円など信じられない金額でしたが、ドキドキしながらアルマーニのスーツを買ったのです。

ある時、他大学の形成外科の教授が、クリニックに遊びにいらっしゃいました。その夜は新地で食事を共にして手術のことなどについて話をして盛り上がりました(当然アルマーニのスーツです)。その晩は私もフラフラになるほど飲みすぎましたので、自宅までタクシーで帰りました。千鳥足で家の門を空けて入るときに「ビリッ」と音がしました。「あっ!!!」ズボンに20cmの穴が・・・・・・・。その晩は悲しすぎて枕元を涙で濡らしてしまいました(泣)。

翌日、破れたズボンを持ってアルマーニに行き、「同じズボンが欲しいのですが。」すると「この生地で作ったものはお客さまのものだけなので、同じ生地を探すのは難しいですね。似たような生地でしたら上下ならお揃いできますが」「あっ、結構です」。また20万円なんて払えません。高級ブランドショップでは、いつものコナカや青山と違って、一着のジャケットに二本のズボンを買うことはできないのだ、ということを知ったのです。

それから1年たったある日、あるブランドショップに、あのアルマーニに似たような生地のスーツを発見しました。店員さんに怪訝そうに見られながらも10分くらいじっと観察し、家に帰ってアルマーニのジャケットの生地と比べてみると「微妙に違うけど、ほとんど同じだ!!!!!」。さらにその店ではスーツを買えば何本でも予備のズボンを買えます。私は8万円でスーツの上下を買って、さらに変えのズボンを2本買いました。これでスーツ上下2着セットとズボン一本です。アルマーニのスーツが復活した瞬間でした。

よく考えると、同じようなスーツが二着あっても仕方ないことなのですが、アルマーニが復活したことが嬉しかったのでした(笑)。

投稿者 ritz : 2008年06月25日 16:15

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