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2008年10月16日
大阪院:志賀由章「その時歴史が動いた 教授編」
私たちが医師になりたての頃の話です。
医師免許に合格すると、2年間は研修医という立場になって外科系の各科をローテートします。希望科は外科、整形外科、形成外科、産婦人科でした。外科の先輩たちはとても豪快な楽しい先生ばかりで圧倒されます。その中に尊敬できる先生を見つけたりして、ほぼ心の中で「やはり外科かなあ」と決めてました。しかし、将来のことを考えると、開業するには外科では不可能だ、ということに気づいてました。そんなとき研修期間が残り一週間というところで、教授の手術につく機会があったのです。手術中に
「君は研修医だね。」
「はい!」
「外科はやりがいもあるし、楽しいだろう。」
「はい!」
1年先輩でも神様です。教授に対して、普通に話しなどできませんでした。
その晩、忘年会がありました。外科の忘年会は大騒ぎです。皆酔っ払い 楽しく過ごしていたところ、教授が時間遅れで入ってきました。部屋の空気は一瞬にして変化しました。教授は席を移動しながら、いろいろな先生方と談笑して回っています。私たちのグループにもいらっしゃいました。
「おお、君は志賀くんだね」
「はい。(うわあ!名前を覚えてくれている。感激!ドキドキ。)」
「今日の手術では、よく手が動いていたねえ(要するに手術中に気がきくということです)。外科医のセンスを持っているようだね!」
「本当ですか!ありがとうございます。」
「君は外科に入局するのかね。」
「はい。そのつもりです。よろしくおねがいします。」
ということで、この言葉で私の歴史が変わりました。翌日、先輩にそのことを自慢気に話すと、
「志賀、お前の夢を壊すわけではないけど、みんなそう言われてるんだぞ。それに昨晩の教授は呑みすぎて、泥酔してたから、帰りにオレのコートを着て帰ったんだぞ。お前に言ったことなんて、たぶん記憶にないよ。まあ自分の将来は自分で決めろよ。」
「はあ。(がっかり)」
結局、外科に入局して10年間頑張りましたが、現在に至るのでございます。
投稿者 ritz : 2008年10月16日 11:47