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2008年06月19日
経結膜的眼窩脂肪移動術#2
一方、ちょうどその頃、私のもとには、ある掲示板をみた“目のくま”を主訴とした眼瞼周囲色素沈着症の患者様が多数、訪れていました。いわゆる“茶ぐま”です。この患者様の中には、本当に色素沈着があって、目元が茶色くなっている人もたくさんいらっしゃいましたが、実際には目袋変形や鼻頬溝(nasojugal groove あるいは、tear trough deformityと呼ばれます)が目立つ、いわゆる“影くま”の患者様がたくさんいらっしゃいました。
影くまはレーザーや外用剤では、良くなりませんので手術の適応となります。そこで、私の経結膜的眼窩脂肪移動術が始まりました。
最初の患者様は、20代のtear trough deformityが目立つ患者様(図1)でした。脱脂では、返って溝が目立ってしまうように思えて、ハムラ法が最も影が消えると思ったのですが、まだ若い患者様でしたので、皮膚を切除する必要はないし、皮膚を切らずにハムラ法ができれば、キズも残らずいいのになと、このとき思ったのです。経結膜アプローチで眼窩下縁の骨折が治せるのだから、眼窩脂肪の移動(ハムラ法)ができないわけがないと思い、正直に経結膜法でのハムラ法はまだやったことないけど、それぞれ別々にはやったことがあって、できると思う、と、患者様に話してみたところ、是非やってくださいと、言ってくれたのです。

この勇気ある20代の男性患者様が私が行った経結膜的眼窩脂肪移動術の第一例目です。
このときは、私が世界ではじめて経結膜アプローチでハムラ法を行ったと思っていました。
しかし、ただ不勉強だっただけでした。調べると、すでに同様の方法をDr. Goldberg、 Dr. Kawamoto、 Dr. Nasiffなどの美容外科の大家たちがすでに多数経験し論文にまでしていました。
正直、ガッカリしましたが、彼らの論文を読み勉強したことでいくつかのアイデアが生まれました。
その時、勉強した内容は
1) 皮膚切除を行うことは、下眼瞼外反のリスクを背負う割には、皺を取る効果は弱い。
2) 経結膜アプローチは、経皮アプローチに比べて、合併症がすくなく、安全である。
3) 皮膚のタイトニングは、ピーリングなどで別におこなう。
4) 眼瞼の加齢感は、皮膚の変化だけではなく、目袋変形やtear trough deformityも関係しており、皮膚をいじらずにこれらを改善するだけでも、かなり若返ることができる。
そこで、中高年以降の患者様のいわゆる下眼瞼除皺術に、ハムラ法を行うと合併症がおおいことに悩んでいた私は、
まず、経結膜的眼窩脂肪移動術で目袋変形やtear trough deformityを改善する、つまりベースを整えておいて、皮膚はレーザーでタイトニングすることで、外反のリスクを回避した下眼瞼除皺術が可能になるという方法にたどり着いたのです。
つまり、
現在、私は経結膜的眼窩脂肪移動術の最大の利点を、合併症が回避できることと主張していますが、
私が経結膜的眼窩脂肪移動術をはじめたきっかけは、眼窩脂肪移動術の適応だが若い患者様だから皮膚を切開する必要がない、だから経結膜アプローチで眼窩脂肪を移動した。ということだったのです。
次回からは、具体的にどの様な利点・欠点があるのかを説明していきます。
投稿者 momosawa : 2008年06月19日 19:32