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2008年07月23日

われわれの下眼瞼に対する戦略のまとめ

前回まで長々と私見を述べてきましたが、まとめたいと思います。

下眼瞼の若返り、あるいは“くま”の治療には、

 まず、経結膜的眼窩脂肪移動術によって、ベースを整える。
 20代の若い患者様はこれだけで十分。

 <同時のオプション>
 ・ミッドフェイスリフト
   中年以降の患者様や、頬部上部の下垂がある患者様に
 ・レーザーリサーフェシング
   皮膚自体の余剰、しわが目立つ患者様に
 ・外眼角形成術
   加齢によって、たれ目になっている患者様に

<後日のオプション>
 ・レーザーリサーフェシング
   皮膚自体の余剰、しわが目立つ患者様に
 ・脂肪注入術
  下眼瞼あるいは、頬部上部のボリューム不足のある患者様に

 図表にまとめると以下のようになります。

ストラテジー.jpg

投稿者 momosawa : 15:42

2008年07月16日

私の下眼瞼除皺術に対するコンセプト#3

-ミッドフェイスリフトの重要性-

 次に、ミッドフェイスリフトの重要性について説明します。
 老化に伴い顔面の様々な部位に変化が生じますが、老け顔の原因の一つに、頬部の下垂が挙げられます。正面から見たときのマリオネットラインは、頬のフェイスリフトで改善します。しかし、malar fat(頬部脂肪)やSOOF(眼輪筋下脂肪)の下垂で頬部下眼瞼境界部がやせたり、鼻唇溝(法令線)が深くなっているのは、頬のフェイスリフトでは改善せず、ミッドフェイスリフトが必要です。
 ミッドフェイスリフトといってもいろいろな手術方法があるのですが、比較的難しい手技でとっつきにくい術式と思われています。

 中顔面の若返りにミッドフェイスリフトが必要なのは、当たり前なのですが、
下眼瞼でも、自然で調和の取れた若返りを実現するには、ミッドフェイスの挙上が必要なことがあります。頬部の若返りと下眼瞼の若返りは切り離して考えられがちですが、実は下眼瞼頬部複合体という意味で、あわせて考える必要があるのです。
先日、開催されました日本美容外科学会の下眼瞼手術のシンポジウムでも多くの先生方が下眼瞼若返り手術におけるミッドフェイスリフトの重要性を述べておられました。

ImpofMidLift.jpg

 この患者様は、三苫院長が執刀した経結膜的眼窩脂肪移動術およびミッドフェイスリフトのモニター患者様です。ミッドフェスリフトの必要性が理解しやすいので、三苫先生のブログにも掲載されているようで、かぶってますが、供覧させていただきます。

 左は術前ですが、グレーで囲った部分がやせています。いわゆる、nasojugal groove(鼻頬溝)の陥凹が目立つ患者様です。この部分の陥凹変形は、単なる眼窩脂肪切除(脱脂)や眼窩脂肪移動術単独では、十分な改善はむずかしく、その下方にある脂肪を上方向に挙上する必要があります。われわれが、行っているミッドフェイスリフトは、頬部全体を剥離するような大がかりな手術ではありませんので、法令線はそれほど改善しませんが、nasojugal groove(鼻頬溝)の部分の痩せた感じは改善し、若返り効果も良好です。このように調和のとれた自然な若返りがわれわれの目指すところなのです。

投稿者 momosawa : 16:31

2008年07月09日

私の下眼瞼除皺術に対するコンセプト#2

-皮膚・眼窩脂肪切除から温存へ-

<眼窩脂肪の温存について>
次に、どうして、私が眼窩脂肪切除(いわゆる脱脂)よりも、眼窩脂肪移動術(ハムラ法の一部)を好んで用いているか説明します。

1997年ベルギー、ブリュッセルのDr. H Ederは、1995年のDr. Hamraの報告を踏まえて、“Impertance of Fat Conservation in Lower Blepharoplasty”という題の論文を発表しました。
“下眼瞼形成術における(眼窩)脂肪温存の重要性”という意味です。

 顔面には老化によって、さまざまな変化があらわれます。骨格の変化、軟部組織の変化、皮膚の変化、それぞれ、詳細に老化による変化が解き明かされています。
 その中で、“Skeletonization”という言葉があります。日本語に訳すと“骸骨化”でちょっとこわい言葉になってしまいますが、
 10代、20代と年齢を重ねるに従い、中年をすぎると、徐々に顔面の頭蓋骨の形が分かるようになってきます。80代、90代のご老人のお顔を拝見すると、こめかみや目の周囲の骨の形が分かるようになってきます。これが、老化にともなう“Skeletonization”です。徐々に、顔面・頭部の軟部組織がやせてくることによって生じます。つまり、年を取ることでだんだん脂肪がやせてくるのです。だから、これから減っていくのに取って捨てるのは良くない。温存するべきだ。というのが、Dr. Hamra、Dr. Ederの意見なのです。
 私はこの意見に賛同しています。最近では、日本でも眼窩脂肪切除を単独で用いるのは避けて、また、取る量もなるべく少なくという考え方が浸透しつつありますが、簡便なので単なる眼窩脂肪切除が巷で行われているのも事実なのです。

 以上の理由で、私はなるべく眼窩脂肪は切除せずに、下眼瞼の手術治療を行っています。

投稿者 momosawa : 15:36