
それぞれ、上がフラッシュを発光した写真、下がルームライトでの写真です。フラッシュを発光した写真は色調が忠実に再現されます。ルームライト下での写真は、黄色っぽくなりますが、影ができるので、凹凸が分かりやすくなります。
手術する前からおきれいな患者様なのですが、
40代の女性で、経結膜的眼窩脂肪移動術とミッドフェイスリフト、レーザーリサーフェシングを同時に行いました。
この写真を撮った日は、2回目のレーザーリサーフェシングを行いました。
3ヵ月経過し、目元の腫れは完全に取れ、とても良くなっていると思います。
この方法ですべての下眼瞼の美容外科のニーズに対応できるとは思っておりませんし、少しパワーが足りない術式であることは欧米の美容外科医も指摘しております。しかし、結果が安定しており、合併症の少ない良い方法であると、真に考えております。
]]>今回は、タイプ3の症例です。
このタイプは基本的に下眼瞼の凹みの要素が主体です。いわゆる目袋タイプとは反対となります。クリニック日比谷のモニター患者様の中には典型的な方がいらっしゃらないので、私が3年ほど前に手術し、英語の論文に掲載させていただいた患者様を供覧します。

(上段 左:ストロボ発光 右:ストロボなし)
上は、手術前の写真です。左のみ某美容外科クリニックで下眼瞼脂肪切除術(脱脂)を受けたのだそうですが、凹みが増強してしまったのだそうです。
患者様の希望もあり、左右とも同様に眼窩脂肪移動術を行いました。

(上段 左:ストロボ発光 右:ストロボなし)
左は、眼窩脂肪が少なかったため、陥凹の矯正が不十分であり、脂肪注入などの脂肪移植術をすすめましたが、患者様はこれで満足とのことでしたので、これ以上の治療はしておりません。脱脂されていない、右はそこそこ矯正されていると思います。
この患者様は、脱脂によって陥凹が悪化してしまった典型的な症例です。
私も眼窩脂肪の多い場合には、脱脂を併用します(例えば小泉元総理とか、民主党の小澤さんなどは、脂肪の減量が必要でしょう!!)が、眼窩脂肪を取っていいタイプと取ってはいけないタイプの適応をよく判断しなければいけないということです。

それぞれ、上がフラッシュを発光した写真、下がルームライトでの写真です。フラッシュを発光した写真は色調が忠実に再現されます。ルームライト下での写真は、黄色っぽくなりますが、影ができるので、凹凸が分かりやすくなります。
手術する前からおきれいな患者様ですが、40代の女性で、
経結膜的眼窩脂肪移動術とミッドフェイスリフト、レーザーリサーフェシングを同時に行いました。
とても良くなっていると思います。
すべての方がこの患者様のように素晴らしい結果を得られますよう、日々精進しております。

この患者様は、本年5月11日の美容外科学会のパネルディスカッションの発表で手術中のビデオを供覧させていただいたのですが、その撮影にご協力いただいた方です。
やや目袋タイプに近いですが、arcuate expansionが目立ちます。このタイプがこの手術で最も効果が得られやすいタイプです。
もともと、ハンサムな方ですが、さらに格好良くなったと自負しております。
術者は三苫院長です。私はビデオ撮影をしておりました。
タイプⅠ 目袋タイプ
比較的著明な目袋タイプです。
症例1

この患者様は当院のスタッフで以前より三苫先生のブログでも何度も登場して頂いている患者様です。典型的な目袋タイプです。少し、ボリューム不足が感じられますが、十分な結果と思います。
このタイプの場合には、内側から外側まで眼窩隔膜を切開して、引き出した脂肪を眼窩下縁の前方に広げて固定しますが、内側から外側に向かって順にとめていき、せり出した脂肪のみ少し切除しています。
高度の目袋の場合には、Hamra先生も論文の中で記述しているように少し、減量した方が結果が安定するように感じます。
症例2

この患者様は、いわゆるフルモニターの患者様です。
症例1の方と同様ですが、少し眼窩周囲のボリュームあるいはふっくら感が足りない気がします。それを損なわないように、単なる眼窩脂肪の減量はしない方針なのですが、温存しても痩せている顔をした方には、ふっくら感が足りなくなります。
脂肪注入などをおこなって、すこしボリュームを補うとなお若返ると思われます。
タイプⅠ 目袋タイプ
比較的著明な目袋タイプです。
手術方法
このタイプは、眼窩脂肪を少量、減量して、脂肪と隔膜の移動と固定を行います。
下に、当院のモニター治療患者様から選んだ代表症例とイメージシェーマを提示しました。
以上が、4つのタイプです。
なお、
皮膚の余剰が目立つ場合のレーザーリサーフェシングや中顔面下垂がある場合のミッドフェイスリフトは、全てのタイプに共通です。
次回からは、タイプ別にモニター患者様について、供覧していきます。
]]>下眼瞼の若返り、あるいは“くま”の治療には、
まず、経結膜的眼窩脂肪移動術によって、ベースを整える。
20代の若い患者様はこれだけで十分。
<同時のオプション>
・ミッドフェイスリフト
中年以降の患者様や、頬部上部の下垂がある患者様に
・レーザーリサーフェシング
皮膚自体の余剰、しわが目立つ患者様に
・外眼角形成術
加齢によって、たれ目になっている患者様に
<後日のオプション>
・レーザーリサーフェシング
皮膚自体の余剰、しわが目立つ患者様に
・脂肪注入術
下眼瞼あるいは、頬部上部のボリューム不足のある患者様に
図表にまとめると以下のようになります。

中顔面の若返りにミッドフェイスリフトが必要なのは、当たり前なのですが、
下眼瞼でも、自然で調和の取れた若返りを実現するには、ミッドフェイスの挙上が必要なことがあります。頬部の若返りと下眼瞼の若返りは切り離して考えられがちですが、実は下眼瞼頬部複合体という意味で、あわせて考える必要があるのです。
先日、開催されました日本美容外科学会の下眼瞼手術のシンポジウムでも多くの先生方が下眼瞼若返り手術におけるミッドフェイスリフトの重要性を述べておられました。

この患者様は、三苫院長が執刀した経結膜的眼窩脂肪移動術およびミッドフェイスリフトのモニター患者様です。ミッドフェスリフトの必要性が理解しやすいので、三苫先生のブログにも掲載されているようで、かぶってますが、供覧させていただきます。
左は術前ですが、グレーで囲った部分がやせています。いわゆる、nasojugal groove(鼻頬溝)の陥凹が目立つ患者様です。この部分の陥凹変形は、単なる眼窩脂肪切除(脱脂)や眼窩脂肪移動術単独では、十分な改善はむずかしく、その下方にある脂肪を上方向に挙上する必要があります。われわれが、行っているミッドフェイスリフトは、頬部全体を剥離するような大がかりな手術ではありませんので、法令線はそれほど改善しませんが、nasojugal groove(鼻頬溝)の部分の痩せた感じは改善し、若返り効果も良好です。このように調和のとれた自然な若返りがわれわれの目指すところなのです。
]]>1997年ベルギー、ブリュッセルのDr. H Ederは、1995年のDr. Hamraの報告を踏まえて、“Impertance of Fat Conservation in Lower Blepharoplasty”という題の論文を発表しました。
“下眼瞼形成術における(眼窩)脂肪温存の重要性”という意味です。
顔面には老化によって、さまざまな変化があらわれます。骨格の変化、軟部組織の変化、皮膚の変化、それぞれ、詳細に老化による変化が解き明かされています。
その中で、“Skeletonization”という言葉があります。日本語に訳すと“骸骨化”でちょっとこわい言葉になってしまいますが、
10代、20代と年齢を重ねるに従い、中年をすぎると、徐々に顔面の頭蓋骨の形が分かるようになってきます。80代、90代のご老人のお顔を拝見すると、こめかみや目の周囲の骨の形が分かるようになってきます。これが、老化にともなう“Skeletonization”です。徐々に、顔面・頭部の軟部組織がやせてくることによって生じます。つまり、年を取ることでだんだん脂肪がやせてくるのです。だから、これから減っていくのに取って捨てるのは良くない。温存するべきだ。というのが、Dr. Hamra、Dr. Ederの意見なのです。
私はこの意見に賛同しています。最近では、日本でも眼窩脂肪切除を単独で用いるのは避けて、また、取る量もなるべく少なくという考え方が浸透しつつありますが、簡便なので単なる眼窩脂肪切除が巷で行われているのも事実なのです。
以上の理由で、私はなるべく眼窩脂肪は切除せずに、下眼瞼の手術治療を行っています。
では、今回はやや壮大な私の下眼瞼除皺術に対するコンセプトについて述べていきたいと思います。
下眼瞼除皺術における目標は、
ずばり、「低い合併症率で、高い若返り効果のある治療法」です。
当たり前ですね。誰だってそう思って治療に取り組んでいるでしょう。しかし、これが下眼瞼に関しては、ことさらに易しくありません。
まず、どうして下眼瞼の除皺術が難しいか説明します。
<外反について>
前々述のように、下眼瞼は重力に抗って立ち上がっています。“瞼板”という硬い組織が支持組織としてあり、これが内眼角靱帯および外眼角靱帯という靱帯組織で、眼窩骨に留まっています。これを倒れないようにサポートするのが眼輪筋の緊張(トーヌス)で、皮膚が足りなくなったり、眼輪筋が麻痺したりすれば、前方に倒れるわけです。
つまり、
下眼瞼の立位を保つ要素は
1) 瞼板、靱帯を通じての強さ
2) 眼輪筋の緊張
外反を起こす要素は
1) 瞼板、靱帯などの弛緩(ゆるみ)
2) 眼輪筋の麻痺
3) 皮膚の不足
というようにまとめることができます(下の図表参照)。

このバランスが崩れると内反したり、外反したりするわけです。
皮膚を切除する除皺術は、皮膚を取るわけですから、ちょうど良ければいいですが、取りすぎれば、前方に倒れます(外反)、つまり、皮膚を取ってシワが伸びるためには、下眼瞼が皮膚がピンと張っても倒れない十分な立位を保つ力も持っている必要があるわけです。
また、ハムラ法は一般的に皮膚を取る量を少なめにしても、定型的下眼瞼除皺術(皮弁法や筋皮弁法)に比べて、外反しやすいといえます。これは、眼窩下縁部への眼窩脂肪の移動を行うために、剥離範囲が広くなり、眼輪筋の一過性の麻痺が高度になることが一番の原因であると私は思っています。そのため、外反予防の目的で、外眼角靱帯の固定を行ったり、眼輪筋を上方に牽引して骨膜に固定したり工夫をしているわけです。
この外反という下眼瞼美容手術で最も怖い合併症を起こしたくないがために、私自身も経験がありますが、剥離範囲を狭くして、皮膚の切除量も少なめにして、保守的に手術を行った結果、全然しわが改善していない、というトラブルケースをよくみかけます。
<外反を防ぐために>
私は、経結膜的眼窩脂肪移動術は若い人だから、皮膚切開なしでと思い始めたのですが、その後、Dr. R. A. Goldberg, Dr. H. Kawamotoらの論文に、
経結膜アプローチで眼窩脂肪移動を行う下眼瞼手術は、
1) 皮膚を切除しない、眼輪筋を損傷しないことで、外反が著明に少なくなる。
2) 皮膚を切除しないでも目袋がなくなるため中高年者でも若返り効果は十分である。
3) 必要があれば、ケミカルピーリングやレーザーリサーフェシングなどで皮膚をタイトニングすればよい。
と、いうような内容を記述してあるのを読んで、
“皮膚を切開しなければ,眼輪筋も損傷しないので、外反は少なくなる”
そりゃそうだ!!と思ったのです。
しかし、皮膚切除は外反のリスクを冒すとの兼ね合いを考慮すると、それに見合うだけの意味がないというような意見で、すぐには賛同しかねましたが、今では私もそう思っています。
つまり、皮膚を切除するという操作は、下眼瞼がどれだけ倒れずに持ちこたえる力を持ってるかを厳密に見極める能力が必要となり、この見極める力が術者の技量となるわけです。が、“そんなのやめよう”というのが、私の考えです。経験積んで神業を得たとしても、100回、200回連続でうまくいくわけがありません。技術の熟練によって合併症率が徐々に下がるだけで、急に下がるはずがありません。術式を変える、概念を変える必要があると思うのです。
そこで、外反という合併症を避けつつ、十分な若返り効果を得るための私のコンセプトは
1) 経結膜でアプローチし、皮膚は切除しない
そうすることで眼輪筋も損傷せず、外反が圧倒的に生じにくくなります。
2) 皮膚の余剰は、レーザーを用いて治療する
皮膚のシワは、何回かに分けてタイトニングしていきます。最近ではいろいろな皮膚タイトニング用レーザーがあり、当院でも、もっと効果の高いものを求めていろいろと試したりもしています。治療が複数回になりますが、一度に切除量を決めるのと異なり、勝負しなくて良いわけですので、安全です。さらに、下眼瞼全体の皮膚の質感の改善にもなります。
まずは、ハムラ法という呼称について私見を述べたいと思います。
現在、日本では下眼瞼の除皺術においてハムラ法と呼ばれる方法が大変有名であります。しかし、当のSam T. Hamra先生はこのような呼ばれ方、用いられ方をするとは、思ってもいなかったであろうと思います。
というのは、
1995年ダラス(Dallas)のSam T. Hamra先生は、内側から外側までの全長にわたり、眼窩脂肪を引き出し、眼窩下縁に移行し固定する方法を報告しました。これが、本邦(日本)でいうところのハムラ法です。しかし、本術式はcomposit rhytidectomyの中での中顔面の若返りの一部分として報告されたのであって、単独で下眼瞼の若返り法として報告されたものではありません。したがって、このSam T. Hamra先生の報告の一部をとってハムラ法と呼ぶのは、Sam T. Hamra先生の意思には反しているとも考えられ、私は、本当は正しくないと思います。
しかしながら、実際には一般世間のみならず、医者の間でもハムラ法と呼び合っています。したがって、日本では、ハムラ法で便宜上通用するといえます。
そこで、私が思うには、日本での“ハムラ法”の定義は、
1) 皮膚を睫毛下で切開、切除する。
2) 眼窩脂肪を内側から外側まで引き出し、眼窩下縁に移行し固定する。
3) 眼輪筋を外眼角部に引き上げ固定する。
などを、行う方法のことをさすと思われます。
しかし、私が数年前に形成外科学会で発表した際には、“経結膜的眼窩脂肪移動術”と呼び発表しましたが、ある大御所の先生に、「つまり経結膜のハムラ法ですね」といわれました。
とすると、つまり、皮膚切開でなくともハムラ法と呼んでしまうということは、2) の“眼窩脂肪を内側から外側まで引き出し、眼窩下縁に移行し固定する”をハムラ法と呼んでいることになってしまいます。これは、本当は正しくありません。正しくは、経結膜で行うハムラ法みたいな方法でしょうか??
しかし、実際には、“眼窩脂肪を引き出し眼窩下縁に固定する操作”がハムラ法の特徴であり、この操作自体がハムラ法と呼ばれる傾向があり、用語の混同を招いているわけです。
以上、日本でいうハムラ法とは、
“皮膚を切開して、眼輪筋形成、皮膚切除も行う方法”をさすといっていいでしょう。
私が、主に行っているのは“経結膜的眼窩脂肪移動術”であって、ハムラ法というのは本来正しくありません。
いつの間にか、ネット上では“裏ハムラ”と呼ばれるようになって、うまいこというなあと、思いもしましたが、少し誤解を呼ぶ呼び方なので、注意が必要です。
]]> 影くまはレーザーや外用剤では、良くなりませんので手術の適応となります。そこで、私の経結膜的眼窩脂肪移動術が始まりました。
最初の患者様は、20代のtear trough deformityが目立つ患者様(図1)でした。脱脂では、返って溝が目立ってしまうように思えて、ハムラ法が最も影が消えると思ったのですが、まだ若い患者様でしたので、皮膚を切除する必要はないし、皮膚を切らずにハムラ法ができれば、キズも残らずいいのになと、このとき思ったのです。経結膜アプローチで眼窩下縁の骨折が治せるのだから、眼窩脂肪の移動(ハムラ法)ができないわけがないと思い、正直に経結膜法でのハムラ法はまだやったことないけど、それぞれ別々にはやったことがあって、できると思う、と、患者様に話してみたところ、是非やってくださいと、言ってくれたのです。

この勇気ある20代の男性患者様が私が行った経結膜的眼窩脂肪移動術の第一例目です。
このときは、私が世界ではじめて経結膜アプローチでハムラ法を行ったと思っていました。
しかし、ただ不勉強だっただけでした。調べると、すでに同様の方法をDr. Goldberg、 Dr. Kawamoto、 Dr. Nasiffなどの美容外科の大家たちがすでに多数経験し論文にまでしていました。
正直、ガッカリしましたが、彼らの論文を読み勉強したことでいくつかのアイデアが生まれました。
その時、勉強した内容は
1) 皮膚切除を行うことは、下眼瞼外反のリスクを背負う割には、皺を取る効果は弱い。
2) 経結膜アプローチは、経皮アプローチに比べて、合併症がすくなく、安全である。
3) 皮膚のタイトニングは、ピーリングなどで別におこなう。
4) 眼瞼の加齢感は、皮膚の変化だけではなく、目袋変形やtear trough deformityも関係しており、皮膚をいじらずにこれらを改善するだけでも、かなり若返ることができる。
そこで、中高年以降の患者様のいわゆる下眼瞼除皺術に、ハムラ法を行うと合併症がおおいことに悩んでいた私は、
まず、経結膜的眼窩脂肪移動術で目袋変形やtear trough deformityを改善する、つまりベースを整えておいて、皮膚はレーザーでタイトニングすることで、外反のリスクを回避した下眼瞼除皺術が可能になるという方法にたどり着いたのです。
つまり、
現在、私は経結膜的眼窩脂肪移動術の最大の利点を、合併症が回避できることと主張していますが、
私が経結膜的眼窩脂肪移動術をはじめたきっかけは、眼窩脂肪移動術の適応だが若い患者様だから皮膚を切開する必要がない、だから経結膜アプローチで眼窩脂肪を移動した。ということだったのです。
次回からは、具体的にどの様な利点・欠点があるのかを説明していきます。