2010年02月13日
雪に想うこと
毎日、寒い日が続きますね。
今年は、東京でも何度か雪が降りました。
雪を見ると、一番に思い出される句があります。
北原白秋の句です。高1の時の、現代国語の教科書に載っていました。
君帰す
朝の敷石 サクサクと
雪よ 林檎の香の如く降れ
北原白秋は、駆け出しの頃、隣家の既婚の女性と、不倫関係にありました。
この当時、この国には、昭和22年に廃止されるまで、姦通罪と言う罪がありました。
既婚の女性が、夫以外の男性と関係を持ったとき、この女性と、関係した男性に課せられる罪です。
不公平なことに、夫が浮気をしても、この罪は課せられませんでした。
北原白秋は、この件で、女性の夫に告発され、一時収監されます。
夜半に、この女性は、白秋宅を訪れ、一夜を共にします。
そして、また、夜明け前に、人目を避けるように、一人で帰っていきます。
白秋は、見送ることもできず、一人、外の音が聞こえる場所から、女性の足音を聞いています。
夜更け過ぎに降り出した雪が、既に積もり始め、女性が敷石伝いに歩いて出て行く、その足音が、
サクサクと音を発し、雪を踏みつけていく様子が、感じ取られます。
ああ雪よ、彼女だけには、厳しく吹き付けたりしないでおくれ、
林檎の花の香りのように、やさしく彼女を包み込んでおくれ。
こう歌っています。
高1の時分にも、この歌の意味は理解できました。ませたガキだったと思います。
この件以降、白秋は一皮向け、才能がさらに開花したとも言われています。
冬の寒さが、厳しければ厳しいほど、春の訪れが、何倍にも嬉しく感じられます。
今の日本も、そんな感じでしょう。
みなさーん もうすぐ、春ですよ!!