2010年02月02日

いれずみ除去(1)

 最近は海外などで気軽にいれずみを入れられるようになり、一度入れたいれずみを除去したいという方も増えています。いれずみ除去といえば、以前はレーザーで行う方法が一般的でした。皮膚にレーザーを当てると、色素の多い部分に反応し、皮膚がかさぶた状態になります。このかさぶたと共に、いれずみの色素が抜けるというわけです。しかしこの方法には大きく2つの問題があります。

 まず第1は、黒以外の色を使ったいれずみには十分な効果がないということです。レーザーは黒い色素に反応しますので、黒以外の色を使ったカラフルないれずみはうまく除去できません。また元々皮膚の色が濃い方(いわゆる色黒の方)の場合も、いれずみだけ除去することが難しくなります。

 これ以上に大きいのが第2の問題です。それは、レーザー治療の基本原理が「皮膚に火傷を負わせる」ことにあるため、施術者の技量によってはケロイドのような後が残る危険性があるということです。またケロイド状にならない場合でも、いれずみの形に火傷跡のような傷が残ることが多いようです。これではいれずみの色はなくなっても、どのようないれずみが入っていたかはわかってしまうので、あまり意味がないといえるでしょう。

 これらの問題があるため、最近ではレーザー治療ではなく、メスを使っていれずみを除去する方法が広がっています。メスを使う方法であれば、いれずみの絵柄や文字を完全に除去できます。施術方法にはいくつかの種類がありますが、大きく分けると以下の4種類に分類できます。

切除法
 まずいれずみの中央を通るラインに沿って皮膚を切開し、いれずみ部分の皮膚を切除します。その後切除した部分の外側の皮膚を引き伸ばして切開ラインに寄せ、切開ラインで縫合します。これは最も基本的な施術です。小さないれずみの場合には1回の施術で完了しますが、ある程度の大きさ(2~3センチ以上)の場合には、2~3回に分けて施術を行う必要があります。

皮弁法
 いれずみ部分の皮膚を切除し、隣接する皮膚(皮弁)を切除部分にあわせてずらして縫合します。これは皮膚移植の一種だといえますが、近くの皮膚をずらすだけなので、移植跡が目立たないという特長があります。ただし大きないれずみの場合にはひきつれが残りやすいので、比較的小さないれずみに向いています。

エキスパンダー法
 これも皮弁法と同じように、いれずみ部分の皮膚を切除して隣接する皮膚でカバーする方法ですが、使用する皮弁を事前に引き伸ばしておく点が異なります。まず最初に「ティシューエキスパンダー」という、シリコン製の風船のようなものを皮弁となる皮膚の下に埋め込み、3~4ヶ月かけて少しずつ生理食塩水を注入することで皮膚を伸ばしていきます。十分に皮膚が伸びた後、いれずみ部分の皮膚を切除し、引き伸ばした皮弁でその部分を覆って縫合します。施術完了まである程度の期間が必要ですが、切除法や皮弁法では消しにくい大きさのいれずみにも対応できます。

削皮術
 いれずみの大きさが非常に大きい場合には、エキスパンダー法でも十分な皮弁が確保できないケースがあります。そのような場合には削皮術を使用します。これはいれずみ部分の皮膚を特殊なカミソリで削り取り、その上にご自身の皮膚を移植して、包帯等で圧迫、定着させるという方法です。

 コムロ美容形成クリニックでは、これらすべての施術に対応可能です。もちろんいずれの施術にもそれぞれコツやポイントというものがあり、施術者には高い技量が求められます。

 次回はこれらの施術の中から「切除法」を取り上げ、施術のポイントを説明したいと思います。

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投稿者 komuro : 14:46 | コメント (0)

2010年01月12日

韓国訪問・幹細胞活用の新たな可能性

 みなさま、あけましておめでとうございます。
 本年もよろしくお願いします。

 さて新年最初のエントリーは、2009年12月の韓国訪問のお話をしたいと思います。韓国は美容先進国であり、数多くの方が美容整形を受けられています。そのため新しい施術が生まれることも多いので、私は機会があれば韓国の最新状況を確認するため、彼の地を訪れるようにしているのです。
 今回の主な訪問先は2箇所です。まず2007年6月の「韓国「Mediforman」訪問記」でもご紹介した、スンホ先生の「Mediforman」。スンホ先生にご紹介いただいた「イノポール-D」はすでに私のクリニックでも使用していますが、また新たに「パワーボール」という高分子支持体が完成したということなので、その内容を教えていただきました。これに関してはまた機会を見つけてご紹介したいと思います。

 今回の目玉はもうひとつの訪問先である「Regen Biotech」です。ここでジョセフ・キムさんというドクターにお会いし、幹細胞の抽出・培養を低コストで行う方法をお教えいただいたのです。

 幹細胞とは生物の発生における「幹」となる細胞です。複数系統の細胞に分化できる「多分化能」と、細胞分裂を経た後でも多分化能を維持できる「自己複製能」を併せ持っている点が、他の細胞と大きく異なります。幹細胞が2つの細胞に分裂すると、一方は別の種類の細胞に分化しますが、もう一方は元の幹細胞と同様に分化能を維持します。そのため発生の過程や体内の各器官を維持するプロセスで、細胞を供給する役割を担っています。

 その代表的な存在として知られているのが、受精卵から作られる胚性幹細胞(ES細胞)でしょう。ES細胞の研究はマスコミで取り上げられることも少なくないので、ご存じの方も多いと思います。しかし幹細胞はES細胞だけではなく、体内の各組織にも様々な形で存在します。実はこれらの幹細胞は、再生医療に活用できるのです。

 再生医療を応用した美容整形としては、バストアップの際に脂肪と血小板血漿(PRP)を混ぜて注入する方法がすでに行われています。この方法を使うと、血小板に含まれる成長因子によって、脂肪の定着率が飛躍的に向上します。しかしPRPを混ぜる手法が主流になっているのは、実は日本だけです。韓国のドクターにこの手法をお教えした時には大変喜ばれましたが、世界的な流れを見れば、主流は幹細胞を利用した施術だといえます。

 それではなぜ日本では、幹細胞を活用した施術が主流にならないのでしょうか。それは幹細胞の抽出・培養にコストがかかるからです。

 バストアップで使用する幹細胞は、施術を受けられる方の脂肪から抽出します。脂肪を遠心分離器にかけて分離すると、いちばん下の部分に幹細胞が集まります。これを培養して数を増やし、バストに注入する脂肪に混ぜて注入するわけです。幹細胞にダメージを与えることなく抽出・培養を行うには、これまでは高価で特殊な機械が必要でした。そのため1回のバストアップで、200~300万円もの費用がかかっていたのです。

 しかしキム先生に教えていただいた方法を使えば、幹細胞の抽出・培養を簡単に行うことができます。これによって日本でも、幹細胞を利用したバストアップが、これまでより低料金で行える可能性が出てきました。

 ただし幹細胞とPRPのどちらが定着率向上の効果が高いのかは、現時点ではまだわかりません。今後症例を増やしながら、両者の効果を検証していきたいと考えています。

 幹細胞を利用したバストアップに興味のある方はぜひ一度、私どもコムロ美容形成クリニックグループにご相談ください。

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投稿者 komuro : 12:01 | コメント (0)

2009年12月08日

バストアップクリームに気をつけて

 最近雑誌等で、次のような広告を見かけることが多くなりました。

「塗るだけでバストアップ」
「塗る豊胸術」
「1ヶ月で簡単確実にサイズアップ」
等々・・・

 これらは豊胸効果があると銘打ったクリームの広告です。なかには「有効成分をナノ化」とか「高純度プラセンタ配合」等とも書いてあり、いかにも効果がありそうです。

 しかし結論を先に言ってしまえば、この種のクリームには効果がありません。なぜそう断言できるのでしょうか。私のクリニックのスタッフが、実際に試してみたからなのです。

 Aカップのスタッフふたりが今年8月から約2ヶ月半、国内で大々的に宣伝をしているクリームを使ってみました。その結果、下の写真のように、サイズにはまったく変化がありませんでした(左が使用前、右が使用後です)。結局ふたりはクリームによる豊胸をあきらめたといいます。

bust_200911.jpg

 実は豊胸クリームに効果がないというケースは、以前にも見たことがあります。5年ほど前、私は豊胸術をテーマにフジテレビの「スーパーニュース」に出たことがあるのですが、そのとき私の手術を受けていただいた患者さまも、それまで豊胸クリームを使っていたのです。もちろんこの時も、豊胸クリームはまったく効果がなかったそうです。そのため一念発起して、私の所で豊胸術を受けることになったわけです。

 単に効果がないだけならいいのですが、トラブルが発生することもあります。「スーパーニュース」の時の患者さまはバストに皮膚炎を起こしていました。先ほどのスタッフふたりには、幸いなことにトラブルはなかったようですが、もっと長期間使い続けていたらどうなっていたかわかりません。

 この種のクリームは1種類だけではなく、いろいろとあるようです。日本製だけではなく、タイのバストアップクリームも日本に輸入されています。

 バストアップだけではありません。男性向けにはペニスを大きくするクリームやサプリメントといったものがあり、面白いところでは吸引式の商品もあります。もちろんこれらも効果はありませんし、接触性皮膚炎を誘発する危険性があります。

 「簡単に○○できる」というキャッチフレーズは、私たちの心を強く惹き付けるものです。でもその中には、実際の効果がないものも少なくありません。このようなものに騙されてしまうと、オカネの無駄遣いになってしまいます。

 最初から専門家に相談していただければ、このようなムダは生じません。ぜひとも安全で確実な方法を選んでいただきたいと思います。

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投稿者 komuro : 11:38 | コメント (0)

2009年11月24日

シルエットリフトのコツ

コムロ美容形成クリニックでシルエットリストを始めてから、約10ヶ月が経過しました。先日は私どものスタッフも施術を受けています。彼女は50代前半で当クリニックではアートメイクを担当しているのですが、施術の仕上がりにたいへん満足しているようです。

 下の写真が施術前後の状態です。上が施術前、下が施術後です。

photo01.jpg


Photo_2.jpg


 マリオネットライン(口角の下のシワ)がほとんど無くなり、ほうれい線も目立たなくなっているのがわかると思います。小顔効果と表情も若々しく、柔らかい感じになっていますね。

 数多くの施術を行うことで、シルエットリフトを確実に成功させるコツもわかってきました。ポイントは2つあります。(基本的な施術内容は「シルエットリフト始めました。」で紹介しておりますので、ご存じない方はこちらをご参照ください。)

 まずひとつめのポイントは「糸の干渉」を防ぐことです。「干渉」といってもわかりにくいかもしれないので、まずは下の絵をごらんください。

A.jpg

 シルエットリフトは、ほうれい線の位置からこめかみに向けて複数の糸を皮下に通すのですが、十分なリフト効果を出すために糸を交差させた状態にします。シルエットリフトにはリフト効果を生み出すコーンが等間隔に八個付いており、これらのコーンが交差する部分で重なり合います。これが干渉です。

 コーンが干渉してしまうと、その部分が厚くなったり、引っかかりができて表情がぎこちなくなる可能性があります。またこの引っかかりのせいで、十分なリフト効果が出ないこともあります。頬骨が張っている方は、これらの危険性が特に高くなります。

それでは干渉を防ぐには、どうすればいいのでしょうか。干渉する場所のコーンを取り除けばいいのです。

 私がシルエットリフトの施術を行うときには、必ずこの干渉を意識し、干渉する場所のコーンを取り除きます。もちろんコーンの数が少ないとリフトアップ効果も少なくなりますので、どれだけのコーンを取り除くかを適切に決めることが重要です。

 もうひとつのコツは、糸の長さをどのあたりまで残すかの判断です。

 通常のシルエットリフトでは、片方で4本の糸を使います。しかし患者さまの状態によっては、より多くの糸を使うケースもあります。その時、口角のラインよりも下へ糸を通してしまうと、口が開きにくくなってしまいます。このような状態を避けるため、片側6本以上の糸を入れる場合でも、糸を入れる場所は口角のラインを下限とするのです。

B.jpg

 最近ではシルエットリフトを行うクリニックも増えてきており、実際に施術を受けた方の中には「シルエットリフトは効かない」とおっしゃる方も少なくないようです。しかし私に言わせていただければ、効果のないシルエットリフトは、ドクターが施術のコツをつかんでいないからです。

 コツをしっかりつかんでいれば、シルエットリフトは大きな効果を発揮します。私の経験では、フェザーリフト(糸を使用するフェースリフト)の中で最も効果的な施術だと思います。

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投稿者 komuro : 11:33 | コメント (0)

2009年11月10日

お肌の加齢とエラスチン(2)

 前回の続きです。加齢に伴うシワやお肌のたるみは、エラスチン(弾力性線維)の量と深い関係があります。下のグラフは、お肌の中のエラスチンの量が、年齢と共にどのように変化するのかを、おおまかに示したものです。

Photo.jpg

 生まれてから15歳前後(初潮開始年齢)までは、エラスチンは真皮の中に十分存在しており、お肌の張りも100%の状態を維持しています。つまり、赤ちゃんの肌と中学生時代までの肌の張りは、ほとんど変わらないということです。その後25歳前後までは徐々に弾力性を失って硬くなります。25歳以降は急激に減っていきます。そのまま放っておくと、45歳頃(閉経時)にはエラスチンがほぼ失われます。輪ゴムは最初進展良好ですが、時間と伴に徐々に伸びて硬くなり、そして切れてしまいます。まさに、エラスチンの運命と同じです。良く「25歳はお肌の曲がり角」といわれますが、まさにその通りなのです。

 45歳を超えると、エラスチンは体内で生成されなくなります。エラスチンの生成は女性ホルモンと関係があるのですが、多くの女性は45歳くらいで生理が止まってしまうため、女性ホルモンも分泌されにくくなるからです。その後のお肌はたるむ一方です。

 それではお肌の老化を防止するには、どうしたらいいのでしょうか。ポイントは「早めに手を打つ」ことです。45歳を超えるとエラスチンはほぼ失われ、取り戻すことができません。それならば45歳になるまでの間に、何らかの手を打ってエラスチンの減少をくい止めればいいのです。

 そのひとつの方法として挙げられるのが、ヒアルロン酸注射です。ヒアルロン酸を真皮に注射すると、真皮内に水分を保持しやすくなります。この水分がエラスチンの維持や、弾力性保持に役立つのです。

 また熱によってエラスチンの弾力性を強くする方法もあります。エラスチンは熱を加えると縮まる性質があります。これを「熱変性」というのですが、エラスチンが縮まればコラーゲン同士を結びつける力が強くなります。「タイタンやリファーム」はこの効果を狙ったものです。

 いずれにしても、お肌の中にエラスチンが残っていることが前提です。エラスチンがなくなってしまえば、もはやどうしようもないのです。この場合にはヒアルロン酸注射やタイタンやリファームではなく、切開を伴うフェイスリフトやフェザーリフトが必要になります。

 若い方の中には、お肌のシワやたるみの防止など、まだ関係ないと考えている方も多いと思います。しかし実際には、必要になってから手を打つのでは遅すぎることがわかります。

 エラスチンは25歳を超えると急速な勢いで失われていきます。「まだ早いかな」と思っているうちにこそ、お肌の加齢防止に向けた手を打っておくべきなのです。

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投稿者 komuro : 11:22 | コメント (0)