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2009年06月30日

性同一性障害(1)

今回からしばらくの間「性同一性障害」についてお話ししたいと思います。コムロ美容外科グループでは今年に入ってから、診療メニューに「性同一性障害」への対応を追加しているのですが、このキーワードでホームページにたどり着く方や、相談に乗って欲しいという方が増えているからです。

性同一性障害とは、「生物学的には完全に正常であり、しかも自分の肉体がどちらの性に所属しているかをはっきりと認識していながら、その反面で、人格的には自分が別の性に属していると確信している状態」を指します。これは日本精神神経学会による定義ですが、簡単にいってしまえば「心の性と身体の性が食い違った状態」ということです。

このような障害は、男性にも女性にも起こりえます。身体は男性で心が女性の人をMTF(Male to Female)、逆に身体は女性で心が男性の人をFTM(Female to Male)と呼びます。また両者を合わせてG.I.D(Gender Identity Disorder)と呼びます。これを日本語訳したのが「性同一性障害」です。

一般に「自分のことを男と思っているのか、女と思っているのか」という自己イメージのことを、性自認といいます。性自認が身体的な性と異なっていても、本人がそれで苦しんでいない場合には、性同一性障害とはいいません。あくまでも性自認と身体的な性が食い違うことで、本人が苦しんでいるケースを性同一性障害といいます。

例えばMTFの場合、女性の格好ができればいいという方や、乳房は欲しいがペニス切断まではしなくていいという方も少なくありませんが、このような方は性同一性障害とはいいません。ちなみにFTMの場合はMTFとは異なり、性同一性障害までには至らない中間的な状態は、あまり見られないようです。

性同一性障害の方は、性自認に反する身体的性別を持っていることに不快を感じ、MTFの場合にはペニス切断願望や乳房願望、FTMの場合にはペニス願望や乳房除去願望などが生じます。米国のデータによれば、性同一性障害と見なされる人の割合は、MTFは3万人に1人、FTMは5万に1人だと言われています。また日本国内では5000~1万人の方が性同一性障害だと言われています。

MTFの方は、幼少時から女の子の服装をしたいと思い、成長するにつれて陰茎などの存在が我慢できずに苦しむケースが多く、FTMの方は、幼少期からスカートや人形に興味を示さず、月経や胸の膨らみなどの身体の変化を嫌悪することが多いようです。このような自分の性に対する違和感・嫌悪感は、親の育て方では変わらないことがわかっています。脳には生まれついての性差があり、胎児期に脳が形成される際の男性ホルモンの量などによって「男の脳」「女の脳」に分かれるからです。いったん決まった「脳の性」は、思春期の性ホルモン分泌の変化にも影響を受けません。すでに胎児期に決まってしまった「心の性」を、身体の性に合わせるのは無理があるのです。

そこで重要になるのが、身体的な治療です。つまり「身体の性」を「心の性」に合致させるのです。性同一性障害の診断・治療に関しては、1997年に日本精神神経学会が『性同一性障害に関する診断と治療のガイドライン』を定めており、2006年にその第3版が出ています。これによれば、治療は3段階で行うことになっています。

まず第1段階は精神療法です。精神科医が患者さまの生活歴や性認識を聞き、身体への違和感が続いていることを確認します。2人の精神科医の意見が一致すれば、診断は確定します。

第2段階はホルモン療法です。MTFの方には女性ホルモン、FTMの方には男性ホルモンを投与し、身体的な性を性自認に一致させていきます。

そして第3段階が性別適合手術です。これは以前は「性転換手術」と呼ばれていたものですが、学会の指針によって現在の名称に改められました。1998年には埼玉医大で初めて、大学倫理委員会の承認を得た性別適合手術が行われています。

日本に性同一性障害の患者さまにとって、最大の問題は国内で性別適合手術に対応できる病院が少ないということでしょう。Wikipediaによれば、 2006年7月の時点で手術実績がある大学病院は、埼玉医科大学、岡山大学、関西医科大学、大阪医科大学、札幌医科大学の5ヶ所しかなく、その後、埼玉医科大学と関西医科大学、大阪医科大学では手術が行われなくなっており、コンスタントに性別適合手術を行っているのは岡山大学病院だけになっています。もちろん大学以外のクリニックでも、学会の指針に従えば施術は可能なのですが、国内ではあまり行われていません。その最大の理由は「施術が極めて難しい」からです。

国内で施術を受けられない方のほとんどは、タイなどの海外で施術を受けています。私は2000年頃から、このような状況には問題があると感じてきました。今年から診察メニューに加えたのも、国内で施術を受けられる人を増やしたいと考えたからです。またタイのドクターに「タイで手術を受けた患者さんのアフターケアができる日本の病院を紹介して欲しい」と言われたことも、診療に踏み切るきっかけになりました。タイで行った施術のアフターケアを日本でするのであれば、最初から日本で施術を実施し、アフターケアまで一貫した対応を行った方がいいのです。

それでは実際の治療は、どのようなものなのでしょうか。次回はホルモン療法について説明したいと思います。


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投稿者 komuro : 12:31 | コメント (0)

2009年06月15日

e-light(フォトRFリファーム&フォトRFオーロラ)

昨年2月に「e-light」によるフェイシャルケアを取り上げたのですが、憶えていらっしゃいますでしょうか。福岡コムロ美容形成クリニックでもe-lightを取り入れてからもう2年以上が経過しているのですが、お客様から高いご評価をいただいております。今回は改めて、このe-lightを取り上げて、施術のコツ等をご紹介したいと思います。

「フェイシャルケア最前線」でも述べたように、e-lightとは光照射と高周波を組み合わせた施術です。これによって光エネルギーを最小限に抑えながら、より高い効果を得ることができます。

基本は光エネルギーを肌に照射して内部で熱を発生させ、これによって色素班を破壊して美白効果を得たり、真皮層でコラーゲン生成を促すのですが、東洋人のようにメラニンが肌に多く存在する場合には光エネルギーが表皮部分で吸収されてしまい、なかなか真皮層まで届きません。そのため以前は照射出力を上げる必要があったのですが、あまり高い光エネルギーを照射すると、肌にダメージを与える危険性があります。高周波を組み合わせることでこの問題を解決したのがe- lightです。高周波はメラニン層に関係なく真皮部分まで熱エネルギーを送り込めるため、光エネルギーの照射量を抑制しても、十分な効果が得られるのです。

e-lightを使用した施術としては、大きく2種類あります。主にリフトアップを目的とした「e-lightフォトRFリファーム」と、シミ取りや毛穴改善を目的とした「e-lightフォトRFオーロラ」です。前者は「スキン・タイトニング(肌に張りを与えること)」の頭文字をとって「e-light ST」、後者は「スキン・リジュビネーション(肌を若返らせること)」の頭文字を取って「e-light SR」と呼ぶことも多いようです。

例えば「e-light SR」を使用した場合、下の症例写真のように、お肌のシミやくすみ、そばかすなどを消し、美白効果を得ることができます。また毛穴も引き締まるため、脱毛効果も期待できます。

main_before.jpg
main_after.jpg
kakudai_after.jpg
kakudai_after.jpg

このようにe-lightは非常に画期的な施術だといえます。しかも専用の機械を使用し、ヘッドを肌に当てて照射を行えばいいので、クリニックにとっては導入しやすいという利点もあります。最近ではe-lightを導入しているクリニックも増えているようです。しかし実際には、施術を行うスタッフの経験やスキルによって、効果に大きな差が出るようです。

福岡コムロ美容形成クリニックでは、美容外科の看護師として約10年のキャリアを持つスタッフが、e-lightの施術を担当しています。e-lightだけではなく、タイタンやジェネシス、ゼオ、サーマクール、フォトフェイシャル、Qスイッチなど、数多くの医療レーザー機器を扱った経験を持っているのですが、看護師によれば「マシンの特性を的確に掴むことが非常に重要」なのだといいます。

それでは何故、マシンの特性を掴むことが重要なのでしょうか。その理由は患者さまの肌の状態に対し、「最大パワー」の照射が行えるからです。パワーコントロールを間違えると、STの場合には十分なリフトアップ効果が得られません。SRでは肌の状態をかえって悪くする危険性もあります。

もちろん「最大パワーがどれだけなのか」を適切に判断するには、患者さまの肌質やシミの種類も熟知している必要があります。患者さまの状態はすべて異なります。そのため照射パワーはもちろんのこと、ヘッドを当てる角度やエンドポイント(照射を止めるタイミング)の設定などにも配慮が必要なのだといいます。

また福岡コムロ美容形成クリニックでは、ヘッドを当てた場所や照射エネルギーの強さ、照射時間(カウント)など、施術に関する情報をすべて記録しています。これはクリニックとしては当然のことなのですが、このような記録と施術結果を照らし合わせることで、その施術が適切だったのか、より最適化するにはどうすべきかがはっきり見えてきます。このようなフィードバックを行うことも、スキルの蓄積に欠かせないのです。

e-lightは一見すると、ヘッドを肌に当ててスイッチを入れるだけの「手軽な施術」のように見えますが、お肌に対する実にきめ細かい観察と、マシン特性の熟知、そしてこれらの知識に基づいた的確な操作が必要です。これは経験豊富なナースでなければできることではありません。このようなナースが活躍してくれているからこそ、福岡コムロ美容形成クリニックのe-lightの評価も高いのだと自負しています。

また、様々なシミや血管性病変などを、ターゲット別に狙い打ち出来るようになったSRAというヘッドも導入しました。ぜひお問い合わせください。


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投稿者 komuro : 13:07 | コメント (0)

2009年06月01日

膣縮小術

前々回、前回に引き続き女性器の話です。今回は膣縮小術についてお話しします。

「膣が大きいのではないか」「膣の締まりが悪いのではないか」という悩みを持つ女性も実は少なくありません。きっかけは「パートナーから指摘を受けた」というものが多いのですが、指摘を受けなくてもご自身がそう感じているケースもあります。

膣の締まりが良くないと、セックス時の感じ方が弱くなり、パートナーとの関係にも影響を与えます。セックスの不満が高じて夫婦関係が悪化することも珍しくありません。このような悩みを解決できるのが膣縮小術です。

膣縮小を望まれる女性の多くは、経産婦の方です。実は出産を経験すると、膣の入り口が大きくなることが非常に多いのです。その主な原因はふたつあります。ひとつは胎児の通過に伴う膣の拡大、もうひとつが「会陰切開」です。

会陰切開とは、産道の出口を広げるため、出産時直前に膣から肛門にかけて切開することを言います。その目的は出産に必要な時間を短縮することと、出産時にしばしば発生する「自然裂傷」を回避するためです。初産婦の場合、ほとんどの産婦人科の出産現場で、この会陰切開が行われています。実はこの会陰切開によって、膣の入り口が広がってしまうケースが多いのです。

助産婦さんによる出産が一般的だったころは、会陰切開は行われませんでした。助産婦さんは自然分娩のテクニックに秀でていて、会陰切開をせずに赤ちゃんを取り上げることができたからです。また会陰が伸びきるまで時間をかけて出産を行っていたことも重要なポイントだと思います。会陰が自然に伸びるまで待ってから出産を行えば、会陰の自然裂傷はほとんど発生しないと言われています。

それはともかくとして、ここで大きな問題になるのが、会陰切開後の処置です。産婦人科の先生は出産そのものを重視して処置を行うため、会陰切開後の縫合が必ずしも丁寧ではないのです。美容外科の私から見れば「かなり雑だなあ」と感じる縫合跡も少なくありません。縫合が雑な場合、切開した部分が縫いきれずに、スペースが残ってしまうケースがあります。実はこれが膣の入り口が広がってしまう原因のひとつなのです。

その一方で、未産婦の方や、帝王切開による出産のみを経験されている方が、膣縮小を希望されることもあります。実はこのような方々の膣縮小術は、経産婦の方に対するものとは異なります。つまり膣縮小術とひとことで言っても、患者さまによって2種類の方法を使い分ける必要があるのです。

1.経産婦の場合

「肛門挙筋(括約筋)縫縮術」を行います。施術方法は以下の図の通りです。

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まず膣粘膜会陰を切除します。その後さらに肛門挙筋(括約筋)を露出します。次に肛門挙筋を縫い合わせて縮め、さらに膣粘膜会陰を縫い合わせて縮めます。これによって胎児の通過と会陰切開で広がった膣入り口を狭めるのです。

2.産婦の場合

「膣粘膜縫縮術」を行います。これは膣粘膜会陰の切除と縫縮のみを行う施術です。産道経由での出産を経験されていない方に、肛門挙筋(括約筋)縫縮術を行ってはいけません。会陰切開を経験していないので、肛門挙筋(括約筋)を縮小する必要はないからです。今後産道経由で出産を行う時に、縫縮した筋肉を切開しないと出産できないこともあります。こうなると再手術が必要になります。よって、「膣粘膜縫縮術」で十分です。

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一般に膣縮小術というと「肛門挙筋(括約筋)縫縮術」を指すことが多いのですが、患者さまが経産婦か否かによって施術方法を変えなければいけないということは、施術を行うドクターはもちろんのこと、患者さまご自身も知っておいた方がいいと思います。

また本当は膣縮小の必要がないのに、膣縮小を望まれる方もいらっしゃいます。コムロ美容外科では最初に膣の大きさの診断を行い、施術が必要かどうかをカウンセリングします。このような配慮もクリニックにとっては重要だと考えています。

膣の広がりを解消し、締まりを取り戻すことは、パートナーとの円滑なセックスライフにつながります。良好な夫婦関係を維持する上でも、重要な役割を果たすはずです。もしこのような悩みを持たれているのであれば、ぜひ一度ご相談ください。


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投稿者 komuro : 13:16 | コメント (0)