« 性同一性障害(4) | メイン | 立ち耳 »
2009年08月25日
性同一性障害(5)
「性同一性障害」についてのお話は、今回が最後となります。最後のテーマはFTMの性別適合手術です。
FTMの性別適合手術で一般的なのは「乳房切除術(乳房摘出術)」です。FTMの場合、ホルモン療法を行っても乳房の縮小はほとんど起こりません。そのため身体の外観を男性に近づけるには、乳房切除が必要になるのです。
乳房切除術には、2種類のパターンがあります。
まず乳房が小さい場合には、乳輪の周囲を切開し、乳腺を取り出すと同時に、乳頭と乳輪を縮小します。これは瘢痕が目立ちません。
乳房が大きい場合、あるいは下垂している場合には、上記方法では不十分です。この場合には、乳房の下溝に沿って皮膚を切開する方法を用います。乳腺除去後、皮膚のタルミが生じる場合は、余剰皮膚を切除します。乳頭は一度遊離させて適切な位置に移動させることがあります。
乳房切除術は、女性の美容整形として行われることもあるため、美容外科のドクターにとってはそれほど難しいものではありません。もちろん経験やテクニックによって仕上がりに差が出ることも少なくありませんが、前回の陰茎反転法膣形成術に比べれば、手軽に行える施術だと思います。
これに対し、女性器を男性器に変更する施術は、非常に複雑で時間もかかります。この施術は次のようなプロセスで進めていきます。
1.子宮、卵巣、卵管を摘出します。
2.膣の内壁を切除し、膣を閉じます。これと同時に尿道を陰核の付け根まで移動し、元の尿道口を閉じます。
3.前腕部に臀部などの組織とシリコンチューブを移植し、新たな陰茎となる組織を創り出します。これは約半年かかります。
4.前腕部で形成された組織を取り出し、陰茎の形にまとめ、陰核部分に接続します。これは顕微鏡で神経や血管を接続する「マイクロサージャリー」という方法で行います。またこれと同時に大陰唇の組織内部にシリコン性の睾丸を挿入し、陰嚢を形成します。
このように女性器から男性器への変更は、前回の陰茎反転法膣形成術以上に大がかりなものです。しかしFTMの方がここまで希望されるケースは少ないようです。
以上5回にわたって、性同一性障害を解消するための療法や施術について紹介してきました。施術の中には複雑で難しいものもあり、施術を受けるための前提条件などもありますが、もし性同一性障害でお悩みであれば、ぜひ気軽にご相談いただければと思います。
福岡・大分・宮崎コムロ美容外科形成クリニックグループはこちら >>>
投稿者 komuro : 2009年08月25日 19:58